非常食レポ:第9回
アルファ米パンの缶詰麺類とパスタおかず系汁物・スープおやつ・スイーツその他

尾西の保存パン:チョコレート味を食べてみよう!

今回、私が試食するのは尾西食品の保存パンです。

常温での長期保存可能なパンと言えば、アキモトのような缶詰タイプのものが主流ですが、尾西食品の保存パンは缶詰ではなく、アルミ袋を使用しています。

なぜ、缶詰ではなくアルミ袋を使用しているのかというと、尾西食品は環境に配慮した製品作りを目指していることから、缶よりもゴミになりにくいアルミ袋を選んだとのことです。

確かにパンさえ食べてしまえば、後に残るのはゴミ(まあ、使い方次第では、缶詰はペンケースや小物入れとして再利用できなくもありませんが…)だけなので、ゴミを減らすという意味では、缶よりもアルミ袋の方が低減されるのは間違いないでしょう。

とはいえ、アルミ袋は缶詰とは違って積み重ねて保管するのは難しく、また場所もとるので、保管スペースなどを考慮すると少々厄介かもしれません。

まあ、その辺の判断は私がとやかく言うことではないので、各々の判断で好きな方を選んでいただければ・・・と思います。

では、さっそく尾西食品の保存パンの味をチェックしてみましょう。

※補足:尾西の保存パンシリーズは2017年9月末で製造終了となりました。代わりに3年保存が可能なふんわり食感の『ひだまりパン』シリーズが発売されました。




尾西の保存パン:チョコレート味とは?

尾西食品の保存パンは、アルファ米ほど味の種類が豊富ではありませんが、プレーンにチョコレート、そして黒糖の3種類の味が楽しめます。

個人的に非常食としてのパンは、主食というよりも小腹がすいた時に直ぐに食べられるおやつ感覚的な食品と位置付けているので、子供や女性を中心に広く喜ばれそうな味を考え、やはり今回も無難なチョコレート味をチョイスしてみました。

では、毎度のことですが、まずは外装チェックからしていきましょう。
尾西のパンのパッケージ
冒頭でも述べたように、尾西食品の保存パンは、缶詰ではなくアルミ袋を使用しているので、缶詰よりも無駄に保管スペースを取るような気がしますが、ゴミの低減が目的ということなので、一長一短といったところでしょうか。

袋内の空気は極力抜いてあるらしく、外側からも円柱状の形でパンが治まっていることが一目で分かります。

試しに軽く叩いてみましたが、コツコツと軽い音がするのは、おそらくパンを包んでいる紙筒のせいだと思われます。

パッケージデザインの方は、アルファ米シリーズとほぼ同デザインであり、こちらもやはり賞味期限が見やすい位置に大きな文字でハッキリと表示されているので、賞味期限をチェックする際には助かります。

ちなみに、保存パンを袋ごと秤で量ってみたところ、その重さは約115g。

アキモトのパンの缶詰が約160gだったことを踏まえると、総重量はアルミ袋を使っている尾西食品の保存パンの方がやや軽めのようです。

では、封を切ってみましょう。
開封
もちろん、切り口があるのでハサミなどは不要ですが、今回もまた手こずりました。

これまで以上に慎重にゆっくりと切り始めたのがかえって悪かったのか、アルミ袋が切れるより前に伸びてしまったため、力をいれて引っ張ってもまったく切れる気配がない・・・

仕方ないので反対側の切り口から切ることにしましたが、コレ、切り方になにかコツがあるんでしょうか?

一度もスパッと気持ちよく真っ直ぐ切れたためしがありません。

それとも、そういう風にできているのか・・・謎です。

気を取り直して、さっそく保存パンをアルミ袋から取り出してみましょう。

封を開けると、パンの上部に脱酸素剤がポンと置いてあるだけで、特にこれといって目を引くような変わった点は見られません。

アキモトのパンは全体が薄紙に包まれていましたが、尾西食品の保存パンは薄紙ではなく、硬めの紙筒に納まっています。

缶詰でガードされていない分、この筒状の厚紙(表面がツルツルしており、素手では切れそうにないほどしっかりとした厚手の紙)が、パンが潰れないよう衝撃から守る役割を果たしているのでしょう。

さて、この保存パン、いったいどうやって紙筒から取り出すのかというと、紙筒にも書いてありますが、どうやら筒の底を押すのだそうです。

なるほど・・・

確かにこの方法であれば、パンに直接手が触れることもないので、手が汚れた状態であっても問題なく食べることができそうです。

尾西食品さん、やるじゃないですか。

というわけで、さっそく底の部分を指で押してみたところ、たいして力を加えていないのに、なんの抵抗もなくススッと押し出すことができます。
保存パンの食べ方
緩い・・・これは想像以上に緩いぞ!

したがって、気付かずに紙筒を逆さに持ってしまうと、パンが下に落ちてしまう恐れがあるので、この辺は注意が必要かもしれません。

※ 一昔前、私の地域では食べ物を落っことしても3秒以内に拾えば問題ないとする〝3秒ルール〟なるものがありましたが、いったいあれはなんだったんでしょう…

また、このユルユル感だと、パンを少しづつ押し出しながらかじって食べるという行為は少し難しいかもしれません(まあ、底を手で押し続けながら食べることは可能ですが…)。

ちなみに、紙筒から取り出してみたパンが下記に掲載した画像です。
保存パン全容
見た目は、しっかりとした筒状の形を保っており、パン自体もそこそこ硬めです。

パンの香ばしい香りはあまりせず、鼻を近づけるとチョコレートの香りがほのかにする程度ですが、その匂いは、なんとなく苦みのありそうなビターチョコの香りがします(もしかして、甘くないのか…)。

ちなみに、保存パンそのものの重さは90gだったので、アキモトのパン(100g)に比べると、パン自体の重さは尾西食品の方が10g程軽いことになります。

では、次にチョコレート味のパンをスライスして中身をチェックしてみましょう。

下記に掲載した画像はスライスしたパンの断面図です。
パン断面図
これは明らかにアキモトのパンの缶詰とは違う表情をしていますね。

アキモトのパンよりも気泡の粒が小さく揃っており、どことなく硬く締まった印象を受けます。

試しにいろいろな角度から指で押してみましたが、やはりしっかりしているため、ほとんど形が変形することはありません。

また、表面もあまりしっとりしていないので、パサついているように見えますが、果たして味の方はどうなのか・・・気になるところです。






尾西の保存パン:チョコレート味を食べてみた感想

では、さっそく食べてみましょう。

―――――― うん・・・予想どおり、これは非常にパサついています。

パッサパサなので、口に入れるとパンが崩れると同時に唾液がパンに吸い取られ非常に飲み物が欲しくなってきます。

チョコレート味の評価この食感や口の中の渇き具合を他のパンで表現すると、カニパン?といったところでしょうか。

とにかく、あのパサパサ感やポロポロ感が、どことなくカニパンに似ているような気がしないでもありません。

一方、味の方はというと、甘みよりも苦みが強く、チョコレートそのものの味も濃厚というよりもあっさりとしているので、想像以上にビターな味です。

子供ウケしそうな甘いチョコレート味とは、だいぶかけ離れているので、どちらかというとビターチョコ好きな大人向けのチョコパンに仕上がっています。

いずれにせよ、前に試食したアキモトのパン缶:チョコクリーム味【食レポ⑥】とはだいぶ違う食感と味であることには間違いありません。

そう思うと、やはりこの手の非常食は、備蓄する前に、まず自分で一度試食してみることが大事なのかもしれません。

最後に、試食した結果をまとめると、子供向けのおやつや水が貴重な状況にあるときは、アキモトのチョコパン、しっかりとした噛みごたえとビター味のチョコがお好きな方には尾西食品の保存パン:チョコレート味といったところでしょうか。

◎尾西の保存パンを温めてみよう!

この手の非常食は、できるだけ食べる機会がない方がいいわけです。

なぜなら、非常食を食べなければならない状況にあるということは、災害が起こってしまった後だからです。

そのため、何事もなく、無事、賞味期限を迎えてしまうのが一番よいのですが、とはいえ、食べずに処分してしまうというのも、なんとももったいない話です。

近年の非常食は味の方も進化しており、美味しくなっているので、そのまま食べてしまっても結構ですが、パン系の非常食は温めると風味が増したり味もよくなるといった話は良く聞きます。

そこで、尾西食品の保存パン:チョコレート味も温めると、より一層美味しくなるのか?

さっそく、電子レンジを使って試してみたので、味や食感についての感想を少しまとめておきましょう。
電子レンジでチン オーブントースターで焼く
・フカフカ感はアップ!
・モチモチ感はあまり感じられない。
・風味は思っていたほど増していない。
・パサパサ感は相変わらずで、口の中が乾く。
・サクサク感がアップ!
・よりボロボロと崩れやすくなり、喉も乾く。
・風味はあまり増していない。
・個人的には一番おいしく感じた(好みの問題)
レンジでチン トースターで焼く
実際に温めてみると、確かにフカフカ感やサクサク感がアップするので、常温とはまた少し違った食感が楽しめ、これはこれでおいしいと思います。

災害時には電子レンジなどは使用できないことも考えられますが、これはあくまで何事もなく賞味期限が迫った時に、より美味しく食べるためのアレンジのひとつです。

尾西食品の保存パンに限らす、非常食を買い換えるために消費しなければならないときは、温めて食べるのも良さそうです。
完食

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