防災用品体験レポ:第13回

手ピカジェルを使ってみよう!

災害の規模によっては、避難所生活を余儀なくされますが、慣れない集団生活は、ストレスや体力の低下による体の抵抗力を奪い去るため、健康であれば、普段かからないような感染症にもかかりやすくなってしまいます。

手ピカジェル感染症予防に欠かせない基本的な行為といえば、手洗いやうがいですが、ライフラインが寸断されてしまうような大規模災害に見舞われると、それさえもままならない日々が続くことも考えられます。

そんなときに役立ちそうな衛生対策予防グッズが、こちらの〝手ピカジェル〟です。

『手ピカジェル』は、思いのほか有名な商品なので、既に愛用しているという方もいるかもしれませんが、私は知らなかった・・・あるいは、商品名は知っていたけどまだ使ったことはないという方に、今回の記事が参考になれば幸いです。



『手ピカジェル』とは?

大阪に本社を構える製薬会社・健栄製薬㈱が2006年9月に発売した消毒用アルコールが『手ピカジェル』です。

健栄製薬㈱は、この『手ピカジェル』で広く知られるようになったといってもいいかもしれないくらいのヒット商品(2014年にはアルコール手指消毒剤売上No.1)で、最近では、より広範囲のウイルス&細菌対策用の『手ピカジェルプラス』なる商品を新発売(2015年)しました。




さて、今回体験レポ用に購入した『手ピカジェル』は、60mlのミニボトルですが、同商品はシリーズ化されているので、他にも300mlの大容量タイプや香り付きタイプ、あるいは1回限りのプチタイプなども用意されており、用途や目的に合わせてチョイスすることができます。

それでは、さっそく本題に入りましょう!
手ピカジェル1
今回、使用する携帯用の『手ピカジェル』は、プラスチック製のミニボトルで、容器は高さ約10cm×幅4.5cmというコンパクトサイズなので、非常持ち出し袋や日頃持ち歩くカバンなどに忍ばせておくのにもちょうどよい大きさと軽さに仕上がっています。

大容量(家庭用)のポンプ式とは違い、携帯用はワンタッチキャップ式ですが、誤押しによる液漏れが回避できるため、カバンを開けたらびちゃびちゃになっていたというトラブルが防げるという点では、持ち運び用には、かえってポンプ式でない方がいいのかもしれません。

ラベルデザインに関しては、いまひとつセンスに欠け、チープ感が漂っている(関係者の方が読んでいたら失礼!悪気はありません…)ような気もしないでもありませんが、見慣れると、意外とアライグマのプリントが頭から離れず、インパクトがあります。
取扱説明書
一方、ボトル裏面には商品に関する基本情報が一通り記載されていますが、よくみると、右下のラベル端がめくれるようになっており、剥がすとさらに詳しい商品説明が書かれていました。

参考までに説明書きを載せておきますが、『手ピカジェル』を使用する方が、特に注意すべき点は次の2点といったところでしょうか。
もちろん、他にも注意事項はあるので、商品を使用する際は必ず説明書を一読するようにしてください。




『手ピカジェル』を使ってみた感想と防災用品としての評価

それでは、さっそく『手ピカジェル』を実際に使ってみましょう!
手ピカジェル2
ご覧のとおり、消毒液自体は無色透明で、見た目は、一見、シャバシャバとした水のようにも見えますが、意外ととろみがあるため、手にとっても水ほどポトポタ垂れることはありません。
手ピカジェル3
手に取るとスーッとした爽快感があり、エタノール特有のアルコール臭が鼻にツンときますが、両手をこすり合わせて、丹念に擦り込んでいくと、ものの数十秒で水気はなくなり、あっという間に乾いてしまいます(500円玉ほどなら、10~20秒)。
手ピカジェル4
ジェルを擦り込んだ後は、最初に鼻に付いたアルコール臭もまったく気にならなくなり、使用前よりもサラリとした感覚が手に残るため、ベタ付きや不快感などは一切ありません。

感染症を引き起こす細菌やウイルスは、肉眼で確認することはできないため、いったいどの程度の効果があるのかまでは当記事で検証することはできませんが、手ピカジェルは感染症予防に最も効果を発揮するとされるアルコール濃度になっているようなので、それが本当であれば、『手ピカジェル』は手軽さ&使用感ともに文句なしの使い心地なので、特に防災グッズとして販売している商品ではありませんが、手洗いができない災害時にも十分活用できる商品と言えるのではないでしょうか。
◎ まとめ

追記:目的外使用の実験

『手ピカジェル』には、消防法で危険物第4類に指定されている引火性液体〝エタノール〟を使用していますが、消毒用に最適な濃度にする必要上、高濃度のエタノールが配合されています。

そのため、火気に近づけると引火する恐れがあるため、使用の際は十分に注意が必要ですが、この性質により、着火剤として利用することもできるわけです。

そこで、実際に火が付くかどうか安全な場所で実験してみたところ、見事に青色の炎を確認することができました。
着火剤
『手ピカジェル』は、あくまで手指消毒用アルコール商品として販売しているので、目的外使用は決しておススメできる行為ではありませんが、キャンプなどのアウトドアで、どうしても火が必要だけど火が付かない!という場合に、この『手ピカジェル』が役立つこともありそうです(ただし、着火剤として使用する際は自己責任でお願いします)。
or

2016.8.18 掲載twitter


震災対策の知恵袋
Copyright© All Rights Reserved.