防災用品体験レポ:ベンリーポット

非常時携帯大便トイレ『ベンリーポット』を使ってみよう!

最近は、トイレ関連の防災グッズも少しずつ増えているようですが、その仕組み(使い方)は、基本的にどのメーカーも似たり寄ったりなので、比較したところで大した差は見られません。

benripot1強いて違いを挙げるとすれば、便器本体がセットになっているかいないかくらいのような気もしますが、当然、便器が付いている商品は、その分、値が張り嵩張ります。

ところが、今回、使用する簡易トイレは、便器付きで600円(メーカー希望価格)という破格の値段で、かつ、携帯に適したコンパクトサイズになっています。

そこで、実際に使用し、非常時に本当に役立つ簡易トイレなのかどうかを判断してみたいと思います。




ケンユーの『ベンリーポット』とは?

非常時携帯大便トイレ『ベンリーポット』の販売元は株式会社ケンユーです。

㈱ケンユーといえば、水分を瞬時にジェル化する機能を持った特殊吸水樹脂を活用した商品を手掛ける製造メーカーで、当サイトでも過去に『ベンリー袋【体験レポ4】』や『ミニマルちゃん【体験レポ14】』を紹介していますが、今回の『ベンリーポット』は、携帯大便トイレとあるよに、小ではなくの方を対象とした簡易トイレ商品になっているのが特徴といえるでしょう。

というわけで、さっそくパッケージチェックから・・・
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パリパリと音を立てるプラスチック製の外装サイズは、約28cm(縦)×約14.5cm(横)ほどで、厚みもなく薄い(約2cm)ため、便器付きの簡易トイレ商品にしては、思いのほかコンパクトにまとまっています。
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『ベンリーポット』は、一応、大便用のトイレということになっていますが、パッケージの説明を見る限り、小もOK、老若男女問わず使用できる簡易トイレのようです。

また、総重量63gと軽いため、非常持ち出し袋などに入れておく簡易トイレにも適した商品となっています。
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一方、パッケージ裏面には、商品の特徴や注意事項などに関する基本情報が書かれています。
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また、使用方法についての説明はイラスト入りなので分かりやすく、使い方で迷うということはなさそうです。
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パッケージを開封して、取り出した内容物がこちらになりますが、セット内容は、蓄便袋(黒)が被さった便器枠とティッシュ、便凝固剤(1個)、密封袋(1枚)、持ち運び袋(1枚)の計5点。
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ティッシュは水に流せる水溶性タイプで10枚入っており、一般的なポケットティッシュと同サイズの大きさです(ティッシュの触り心地も特に変わらないかと…)。

殺菌剤・消臭剤入りのトイレ用便凝固剤(粉末)は、用を足した後に振りかけて汚物を固める時に使用します(ケンユーの凝固剤の効果については【体験レポ4(ベンリー袋)】の記事をどうぞ)。
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手提げ付きの持ち運び袋は、薄手の半透明なので中身が透けて見えてしまいますが、チャック付きの密封袋の方がアルミ箔加工してあるため、排泄物が透けて見えるようなことはありません。
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パッケージを開封すると、既に便器枠に蓄便袋(黒)がセットされた状態で入っていますが、今回は、あえて取り外してみました。

ご覧のように、『ベンリーポット』の便器は、あくまで薄手(厚み:1mm)のダンボールでできた六角形の枠にポリ袋を被せただけの簡素なもので、耐久性や強度、耐水性は、ほとんど期待できません。






携帯トイレ『ベンリーポット』を使ってみた感想と評価

では、改めて便器を作り、使用感などを試してみたいと思います。

ダンボール製の便器枠(枠の高い方が前方になる)を広げて六角形に整え、ポリ袋を被せたら完成です!
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完成形の便器からも分かるように、『ベンリーポット』の便器は和式タイプとなります。

というわけで、お尻の下にちょうど便器が来るようにしゃがみ、様々な角度から撮影してみました。
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さすがにズボンと下着を下ろし、尻を丸出しにするわけにはいかないので、ポーズを取るだけに留めておきますが、いかがでしょう・・・

実際に使ってみた私個人の感想を述べさせてもらうと、便器サイズ(縦30cm×幅18cm前後)に関しては、ちょうど良い大きさ(小さ過ぎるということもなければ、逆に大き過ぎてしゃがむと足がぶつかり邪魔になるということもない)のように思えます。

しかし、完全にしゃがみこんでしまうと、便器枠がお尻に触れてしまうため、用を足す時は少し腰を浮かすか、体の重心を傾けて前に持ってくる、あるいは軽く爪先立ちの姿勢を保つのがポイントになりそうです。

ちなみに、目隠し用のポンチョを着用して用を足す時は、このような感じになります。
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場合によっては、屋外で用を足さなければならないような状況も考えられるため、携帯トイレの購入を検討されている方は、最悪の状態を想定して、ポンチョなどの目隠し用グッズとセットで備蓄しておくのもおススメです。



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使用後は附属の便凝固剤を振りかけ、便器枠からポリ袋を取り外します(黒色なので排泄物が透けて見える心配はありません)。

取り外したポリ袋は臭いが漏れないようしっかりと口を結び、チャック付きの密着袋に入れて封をしたら、後は持ち運び袋に入れて避難所等の処分方法の指示に従うだけです。

以上、㈱ケンユーの携帯大便トイレ『ベンリーポット』を実際に使って使用感を試してみましたが、600円という値段を考えれば、価格相応の機能を持ったまずまずの携帯トイレといっても良いのではないでしょうか(個人的にはもう少し安くても良いかも…)。

しかし、便器は段ボール製の枠にポリ袋を被せた簡素な作りなので、携帯しないのであれば、浅型のバケツなどを用意した上で、便器なしの他の簡易トイレ商品を備蓄しておくという選択肢もありそうです。
まとめ

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2017.11.23 掲載twitter


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