防災用品体験レポ:第11回

資生堂のドライシャンプーを使ってみよう!

あなたは〝ドライシャンプー〟と呼ばれる商品の存在をご存知でしょうか?

聞いたことがないという方のために簡単に説明すると、ドライシャンプーとは、髪を水(湯)で洗い流す必要がまったくない水要らずの簡易シャンプーのことです。

ドライシャンプーもともと病気や多忙で入浴することができない(暇がない)人向けに開発されたアイテムですが、発売以降、一切水を使わないというユニークな発想と機能が災害による断水時に重宝しそうという理由から、近年、防災グッズとして備蓄する方も増えているようです。

そこで、市販のドライシャンプーは災害時に本当に役立つのか・・・!?

使い勝手や使用感を確かめるべく、実際に使ってみることにしました。

資生堂の『水のいらないシャンプー』とは?

今回の体験レポで使用するドライシャンプーは、資生堂が2004年に発売したフレッシィ ドライシャンプー、その名も『水のいらないシャンプー』です。






実は似たような機能を持たせたドライシャンプーは他にもありますが、『水のいらないシャンプー』は〝資生堂〟というネームバリューによる信頼感もあってか、他メーカーの商品よりも愛用者は多いようです。

※余談:資生堂は、2011年3月に発生した東日本大震災の時には、被災地に向け、水のいらないシャンプー(10,000個)の支援物資を行っています。

それでは、実際に使用する前に同商品がいったいどんなシャンプーなのか、まずは容器チェックからしていきましょう。
ボトルチェック
資生堂のドライシャンプー『水のいらないシャンプー』は、どうやら〝ボトルタイプ(250ml)〟と〝スプレータイプ(150ml)〟の2種類に分かれるようです。

内容量が違うのに価格は同じ(税抜き価格:450円)という点に引っ掛かる人もいるかと思われますが、おそらくプッシュノズル式の容器の差が価格に影響しているのでしょう。

今回、使用する容量の少ないスプレー式のドライシャンプーは、市販の一般的なヘアスプレーに比べると、ボトルサイズは一回りほど小さく、非常用持ち出し袋に入れておくのにもちょうどよいサイズです。

プラスチック製の容器は、ノズルや形状も含め、非常にチープ感のあるデザインですが、使用目的を考慮すると、特に外見に凝る必要はまったくないので、価格に見合ったボトル容器といったところでしょうか。
ボトルラベル
一方、商品側面のボトルラベルに目を向けると、用途や使用方法、注意点、成分などの基本情報が記載されており、記載内容に特におかしな点は見当たりませんが、ここで1点気になることがあるとすれば、それは容器のどこにも使用(消費?)期限の記載がないということです。

この点について少し調べてみたところ、次のようなことが分かりました。
この規制に従うと、品質保持期限が記載されていない資生堂の『水のいらないシャンプー』は、どうやら少なくとも3年間は品質劣化がみられないということになりそうです。

せっかくなので、さらに販売元の資生堂に直接問い合わせ、使用期限の有無について確認したところ、概ね次のような回答が得られました。
私が確認したところでは、一部のネットショップで同商品の使用期限を〝通常で3年間(冷暗所で10年間)〟と表示していましたが、この期限について資生堂の担当者に尋ねてみたところ、メーカー側が冷暗所で10年間という目安を設けたことはないとのこと・・・

したがって、資生堂の『水のいらないシャンプー』は使用期限3年を目安に交換するのが理想的かもしれません(それ以上の保管は自己責任!)。

法律上、表示義務はないので、使用期限に関しては製造販売元任せということになりますが、とはいえ、半永久的に使用できるわけではない以上、薬事法などの知識がない方のためにも、防災グッズとして利用できそうなこの手の商品が、いざという時になって使えない(中にはあまりにも古いから使えないのでは…と考える人がいても不思議ではない)ようでは困るので、個人的には、できれば品質保持の目安となる記載は欲しいところです。
ノズル
ドライシャンプーは、水(湯)は一切使いませんが、濡れた髪を拭くためのタオルは必要なので、事前に1枚用意しておくようにしましょう。

プラキャップを外した噴射口の作りがチープで、なんとなく液剤が目詰まりしてしまいそうな予感もしますが、結論から言ってしまうと、一度使った後、長期間使用しなかった場合であっても、噴射口が目詰まりして機能しなくなるというトラブルはなさそうです(理由:空気に触れると固まってしまうような液剤ではないため目詰まりしにくい)。

せっかくなので、別の容器に移し替えて、液剤を入念にチェックしてみましたが、非常にサラッとした透明な液体で、見た目は蛇口をひねれば出てくる水道水と区別はつきません。

しかし、見た目は同じでも、エタノール特有のほのかなアルコール臭シトラス系の香りはしっかりと感じられます。
シャンプー液剤
さらに、手にとって両手で擦り合わせてみましたが、水のいらないシャンプーというだけあって、特に泡立つこともなく、揮発性に優れているのか、最初はパシャパシャとしていた液剤も、直ぐに水分がとび、シトラス系の香りだけを残して、サラッとした何もない状態に戻ります。

そのため、特に手がべたつくということもなく、手を洗わなくても不快感は感じません(香りは残りますが…)。






『水のいらないシャンプー』を使ってみた感想

それでは、さっそく資生堂の『水のいらないシャンプー』を使ってみましょう!

ボトルラベルに記載されていた使用方法に従うと「頭皮と髪全体にスプレーし、軽くマッサージした後、タオルなどでふきとる」と書かれており、特に複雑な手順はひとつもありません。
使用前
一度の使用で、いったい液剤をどの程度スプレーすればよいのか迷うところですが、この点についてもラベルに記載されており、セミロングで7~8回のスプレーが目安となっています。

とういわけで、目安を参考に、男性の私は、とりあえず6回ほど噴射してみましたが、正直、髪の毛はあまり湿らず、あまりマッサージ効果がありません。

そこで、さらに頭髪がまんべんなく湿るくらい噴射(10数回)し、手順通り、全体を軽くマッサージした後、タオルで拭き取り、乾かした画像がこちらになります。
使用後
参考までに、シャンプー使用前と使用後の画像を並べてみましたが、いかがでしょう・・・

使用後の頭髪の方が、気持ち湿り気を帯びているようにも見えますが、それ以外はまったくもって区別がつきません(他の方のコメントの中には、髪の毛がふんわりとしたという意見もありますが…)。

というわけで、ドライシャンプーを実際に使ってみた感想と、こうしたらいいんじゃないかという個人的な意見をまとめてみます。
やはりといべきか、シャワーによる洗髪とは違って、タオルで拭き取るだけのシャンプーは、スッキリとした爽快感もいまひとつです。

市販ドライシャンプーしかし、使用時のスーッとしたクール感とシトラス系の香りは、一時とはいえ、頭が軽くなったような気持にさせてくれるため、頭皮のニオイや痒みが少しきになった時に、ニオイ対策&気分転換として、一時的に使用する分にはまずまずのリフレッシュアイテムといえるような気がします。

ちなみに、資生堂の『水のいらないシャンプー』は液状タイプですが、メーカーによっては、ムース(泡)タイプや香りの異なる商品がいくつか販売されているので、災害グッズとしてドライシャンプーを備蓄したいと考えている方は、数点の商品を一度試し、自分好みのドライシャンプーを探した上で保管されてみてはいかがでしょうか。
 or

2016.2.21 掲載twitter


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