ガラス飛散防止フィルムの基礎知識
私たちは、食器棚や窓ガラスなど、数多くのガラス製品に囲まれた暮らしを送っていますが、ひとたび割れれば、ガラスは鋭い破片となって周囲に飛び散ります。
そのため、震災時、ガラスの破片が直接身体を傷つけなくても、避難する際、床一面に散乱したガラス片を踏みつけて怪我をしてしまったり、あるいは逃げ遅れによる家屋の倒壊等、
2次被害に遭うリスクが高まってしまいます。
事実、過去を振り返ってみると、震災時におけるガラス被害は意外と多いようです。
そこで、このようなガラス被害のリスクを少しでも回避するために役立つグッズが〝
ガラス飛散防止フィルム〟です。
東日本大震災以降、東北・関東地方を中心とした広い地域で地震が多発していることから、最近は特に万一に備えて、食器棚や窓ガラスにガラス飛散防止フィルムを張り付け、ガラスの散乱を防ぐ対策を行っている一般家庭も増えています。
そこで、自分や家族の身を守る手段のひとつとして、ガラス飛散防止フィルムの使用を検討されている方のために製品の特徴や価格についてまとめておくので、興味のある方は参考にしてみてください。
ガラス飛散防止フィルムは、各メーカーから様々な製品が販売されていますが、貼り付けるサイズや品質、強度などによって価格は変わってきます。
しかし、災害時に役立たなければ貼り付ける意味がないので、安ければ安いほどいいというものでもありません。
そこで、市販のガラス飛散防止フィルムを購入する際は、各種の飛散防止試験をクリアした
「JIS A 5759」規格に適合した商品の中から選ぶことをお勧めします。
なお、参考までに、大手メーカーが販売しているガラス飛散防止フィルム(シート)の価格帯を下記にまとめておきましょう。
メーカー |
品名 |
品番 |
サイズ |
価格帯 |
ニトムズ |
ガラス飛散防止シート |
M6120 |
0.075mm×48cm×180cm |
1,000~1,600円 |
ガラス飛散防止シート 広幅 |
M6330 |
0.075mm×96cm×180cm |
2,000~2,800円 |
食器棚用ガラス飛散防止シート |
M6130 |
0.075mm×32cm×180cm |
700~900円 |
ガラス飛散防止シート凹凸面用 |
M6070 |
0.2mm×48cm×180cm |
1,600~2,000円 |
ガラス飛散防止シート凹凸面用 広幅 |
M6080 |
0.2mm×96cm×180cm |
3,000~4,000円 |
ノムラテック |
ガラス飛散防止フィルム |
No.2078 |
46cm×185cm |
1300円程度 |
ガラス飛散防止フィルム |
No.2079 |
32cm×185cm |
1,000円程度 |
- 耐震性を考慮した専用ガラスに買い換えるよりも、手軽で価格も安く抑えることができる!
- フィルムを貼ることで割れにくくなるため、窓ガラスを割って侵入しようとしている泥棒に対する防犯効果もある程度得られる!
- 製品によっては、人体に有害は紫外線カット機能もある!
- フィルムはあくまで飛散防止のためであって、ガラスそのものが割れにくくなるわけではない!
- フィルムには耐用年数があるので、十分な飛散防止効果を保つには張り替えも必要!
- 特殊なガラス(線入ガラス・二重ガラス・熱線反射(吸収)ガラス・有機ガラスなど)は熱割れの恐れがあるため、使用は避ける!
ガラスが割れた際の破片の飛び散りを防ぐことで、安全な逃げ道を確保するのに役立つガラス飛散防止フィルムですが、フィルムの貼付けを専門業者に頼むとなると費用も馬鹿になりません。
となれば、市販製品を購入して、自分で取り付けるしかないわけですが、不器用な自分に上手く貼付けることができるだろうかと不安な方もいるはずです。
そこで、ガラス飛散防止フィルムを食器棚や窓ガラスに貼付ける際の貼り方のコツについて少しまとめておくので参考にしてみてください。
市販のガラス飛散防止フィルムを貼付ける際は、主に次のようなものを用意しておくと、比較的、綺麗に貼付けることができます。
いずれも、家庭にあったり、ホームセンターや100円ショップなどで手頃な値段で購入できるものなので、フィルムと併せて購入しておきましょう。
セロハンテープ(フィルムを剥がす時に使用すると剥がしやすい)
霧吹き用ボトル(100円ショップなどで購入)
中性洗剤(食器用の中性洗剤などでOK!)
ゴムベラ(大抵はフィルムに附属しているが要確認!)
定規
カッターナイフ
未使用の雑巾や布きれ(ゴミ取り)
新聞紙(床の汚れ防止に…) |
- 石鹸水を作る(ガラス面の汚れ除去とフィルム貼付け時に使用)空の霧吹き用ボトルに水と中性洗剤(水200mlに対し食器用中性洗剤なら2~3滴が目安)を入れ、良く混ぜる。
- 仕上がりを綺麗にするには、フィルムを貼付ける側のガラス面の汚れをよく落とすことが重要なので、①で作った石鹸水をたっぷりと吹き付けて掃除をする。
ポイント!汚れがひどい場合は専用のガラス用洗剤等を使用する。また、毛羽立った布等で拭くとかえって繊維が残ってしまうため、繊維が残らないゴムベラや古着などを利用するとよい!
- フィルムのカット!保護フィルムを剥がさずに、貼付けるガラス面より少し余裕(1~2cm)を持たせて大きめにカットする。
- フィルムが丸まっている場合はよく伸ばし、保護フィルムを剥がしたら、フィルムの接着面とガラスの貼付面の双方に①で作った石鹸水を吹き付けた後、互いの面を貼り合わせる。
ポイント!作業する指にも霧吹きしておこう!
- 貼付けたフィルムを傷つけないようフィルムの表面にも霧吹きした後、接着面の水分と気泡を外へ逃がすため、ゴムベラを使って中央から外側に向けて押し出す。完全に密着するには1週間程度かかるので、それまでは触らないこと。
ポイント!③で少し大きめにフィルムをカットしているため、はみ出した部分のフィルムをカットすることになるが、フィルムは熱で膨張するため、ガラス枠より2ミリ程度短め(内側)でカットしよう!また、どうしても気泡が抜けない場合は、針などで空気穴をあける。
転倒防止用の器具は、液晶テレビを購入すると、附属品として何かしらの部品がセットになっているかと思われますが、通常は液晶テレビとテレビ台とを固定する簡単な器具(固定バンドなど)が多いようです。
もちろん、この手の器具でも使用しないよりはマシであり、一定の落下や転倒防止効果は得られます。
しかし、最近の液晶テレビ用転倒防止器具には、人のいる方向(つまり前方)に倒れないようにするだけでなく、後方転倒(落下)を考慮したものや、見栄えに配慮した商品も数多く販売されています。
そこで、附属の器具では心もとないと日頃から感じている方は、専用の転倒防止器具で補強しておくのもよさそうです。