世界中で発生する大地震のうち、約2割が日本周辺で起こっているというデータ(1990年〜2009年に発生したマグニチュード6以上の地震を基に日本損害保険協会が作成)があります。
事実、数年に1度は国内のどこかでライフラインに混乱をきたすような大地震が発生していますが、その来るべき災害に備えて非常食を備蓄されている家庭も多いのではないでしょうか。
しかし、年単位での長期保存可能な食糧は、いつの間にかすっかり忘れ去られ、いざという時まで放置されてしまうことも多く、気付いたら賞味期限が切れていた・・・なんて経験がある方も少なくないはずです。
そこで気になるのが賞味期限切れの非常食は食べられるのか…!?という点です。
当食レポでも、過去に期限切れのパンの缶詰を記事【食レポ115】にしたことがありますが、今回はボローニャのパン缶が、先々月、無事何事もなく賞味期限を迎えたので、中身の保存パンに問題がないかどうか実際に開缶してチェックしてみたいと思います。
ボローニャのパンの缶詰『缶deボローニャ』シリーズは、既に当食レポでは全3種類を食べ終え、記事(食レポ27・食レポ36・食レポ69)にしていますが、今回試食する商品は、リニューアル後(2014年)の新パッケージのパン缶(チョコ)になります。
ちなみに『缶deボローニャ』シリーズは、2017年の秋に再びリニューアル商品を発売したため、今回、私が紹介するパン缶も、今となっては旧商品となってしまいました。
※補足:リニューアル後の新商品はまだ入手していないため、詳細は不明ですが、原材料名に若干の変更が見られること、また、従来の1個から2個(マフィンカップ入り)入りに変わっています(賞味期限も3年6ヵ月に延長)。
私の手元にある商品が賞味期限切れであるということを証明するため、新聞の日付と一緒に撮影した画像をアップしておきますが、ご覧のように期限が過ぎてから1ヵ月以上経っていることがわかります。
せっかくなので、旧缶と新缶(先に述べたように再リニューアルされたため、厳密には今回の商品も旧缶)のチョコ味を比較してみましたが、原材料に若干の変更点が見られました。
また、ラベルのデザインや記載内容も一新されており、旧缶にはなかったアレルギー物質表示(27品目)が新たに追加されています。
ちなみに、側面ラベルには100g当たりの栄養成分表が記載されていますが、中身の保存パン自体は100gを超えている(計測:117g)ので、1缶分のカロリーは、表示されている数値よりも若干上回る点に注意が必要です。
プルトップ式の缶蓋を取り外すと薄紙(パラフィン紙)にすっぽりと包まれたパンが隙間なく納まっている点は旧缶と変わりありません(補足:2個入りの新缶はマフィンカップ入りに変更)。
今回紹介する商品は、今後、姿を消していく定めにある旧シリーズですが、まだ賞味期限が来ていないという方もいると思われるため、参考までに見た目や味についてもザッと触れておきましょう。
『缶deボローニャ』シリーズは、他メーカーの一般的なパン缶とは大きく異なり、デニッシュパンとなります。
そのため、側面から見ると編み込み模様がしっかりと確認でき、独特の表情(外見)をしているのが上記画像からも分かっていただけるのではないでしょうか。
パンの表面は適度に油分が感じられ、しっとり感があり、チョコ味というだけあって、全体的に濃いめのきつね色に焼き上がっていますが、賞味期限は切れたとはいえ、カビらしくものは生えてなければ、異臭もまったく感じられません(ちなみに、缶詰にもサビなどの異常は見られない)。
さらに、デニッシュパンをナイフでカットした断面図(縦 / 横)がこちらになります。
大小さまざまな気泡があり、ふっくらしたパンのように見えますが、実際は見た目ほどソフトな感触はありません。
というわけで、特に容器やパン自体に異常は見られなかったため、実際に食べてみることにしました。
アキモトのソフトパンほどではないものの、パサつきもそれほど気にならず、わりとふっくらとした食感があります(ただし、てっぺん部分は上からギュッと押し潰されたような印象【上画像:上】があり、食感もやや硬め)。
また、前に食した旧シリーズに比べると、やや甘くチョコレートの風味や味が良くなった(濃くなった)ように感じられ、チョコパンとして十分に美味しいと思える菓子パンに仕上がっているような印象を受けます(子供のおやつにちょうど良さげ)。
もちろん、ボローニャのデニッシュ食パンのような食感を期待しているとガッカリしてしまいそうですが、あくまで長期間保存できる非常時の保存パンという点を考慮すれば、十分なクオリティであり、プレーン味などに比べてアルコール臭なども気にならないため、デニッシュタイプのパンが好きな方は検討してみる価値がありそうです(ただし、2017年にリニューアルされた新商品の味や食感は未確認…)。
パン缶は常温よりも温め直してから食べると、より美味しく感じられるものも少なくありません。
そこで、今回もトースターでこんがり焼いてみることに・・・
気になる味はというと、予想どおり、常温とはまた違った香ばしさがプラスされたトースト感覚で食べられるサクサクとした食感に変わっており、これはこれで美味しい!
もちろん好みもあるので、どちらの方が味は上という評価はできませんが、トースターなどがある環境で食べることができる場合は、常温と温め直したものを食べ比べてみることをおススメします!
なお、今回は賞味期限切れのパン缶を食べていますが、腹痛などの症状は一切見られませんでした。
基本的に賞味期限が切れてしまったからと言って、その翌日から食べられなくなるということは、まず考えられませんが、保管場所(必要以上に高温多湿など)や商品自体(製造工程でミスがあった / 衝撃が加わり容器が破損した…など)に問題があった場合は、たとえ賞味期限内であっても腐敗してしまうこともあるので、賞味期限にかかわらずパン自体や缶詰に異常(カビやサビ、穴など)が見られた場合は注意が必要です。