今回、試食する保存食はホテイフーズの畜肉缶詰です。
同社のやきとり缶は、知る人ぞ知るロングセラー商品なので、ご存知の方も多いと思われますが、商品名は知っていても実際に食べたことはないという方もいるはずです。
ホテイフーズのやきとり缶は、もともと災害時向けの非常食として開発された商品というわけではありませんが、3年間の長期保存が可能なため、備蓄食としても十分利用できます。
また、価格も手頃なので、アルファ米などのご飯のお供に良さげなオカズ系の備蓄食を探しているという方の参考になれば幸いです。
ホテイフーズが製造販売する畜肉缶詰は徐々に味のバリエーションが増え、現在はシリーズ化(塩味、うま辛味、ガーリックペッパー味、柚子こしょう味 …など)されていますが、とりわけ人気の高い商品はたれ味≠ナ、1970年に発売されて以降、同社の看板商品となっています。
というわけで、今回は一番人気のたれ味≠フやきとり缶をチョイスしてみましたが、畜肉缶詰シリーズのやきとり缶は、いずれも3年間の長期保存が可能なので、備蓄食に考えている方は好みのやきとり缶をどうぞ!
それでは、さっそく本題に入りましょう!
まずは恒例の容器チェックから・・・
発売当時(1970年代)の缶詰は3ピース缶(蓋・胴・底)を採用していましたが、現在はプルトップ式のイージーオープン缶に変わっています。
ちなみに、容器に描かれている味のあるイラストや文字は、今は亡き漫画家・おおば比呂司氏の作品が使われており、発売当初から変わっていません(デザインは若干、変わっている)。
一方、容器側面には、1缶当たりの栄養成分表や原材料名など、商品に関する基本情報や注意点が記載されていますが、悲しいかな、内容量は知らず知らずのうちに徐々に減らされているようで、公式サイトの情報によると、現行のたれ味(GP4号缶)の内容総量は75g(固形量:55g)となっていました(私の手元にある商品の内容総量は85g。さらに前は固形量も60gはあったような…)。
ホテイフーズの畜肉缶詰は既に加熱処理済みなので、湯煎やレンジで温め直す必要はありません。
そういう意味でも市販の缶詰は災害時向けの非常用食料として重宝しますが、たれ味のやきとり缶のフタを開けた直後の中身(状態)が【上記:画像】になります。
今回は電気も火も使えない状況を想定して、温めることなく、まずはそのまま食べてみたいと思いますが、器に移し替えた常温のやきとり(たれ味)がこちらになります。
以前、レスキューフーズの『鶏肉うま煮【食レポ48】』なる似たような缶詰を取りあげたことがありますが、それに比べるとタレ量がだいぶ少ないように見受けられます。
また、常温のままだと、タレがゼラチン状に固まっているのも、ホテイのやきとり缶ならではの特徴のひとつといえるかもしれません。
さらに、『鶏肉うま煮』缶と大きく異なる点はニオイ≠ナ、かなり鼻につく缶臭を発していた『鶏肉うま煮』に比べると、ホテイのやきとり缶の缶臭はきつくなく、ほとんど気になりませんでした。
では、肝心の味の方はどうなのか・・・
国産鶏肉(もも肉とむね肉?)を炭火で焼き上げたやきとり缶ということもあってか、焦げ目の付いた鶏皮のなんとも言えない香ばしさが食欲をそそります。
食感はどちらかというと柔らかめ(鶏肉特有の弾力はいまひとつ)で気持ちパサついていますが、中心部までよく染み込んだ子供ウケも良さそうな濃いめの甘辛ダレ(甘みが強い)との相性も良く、自然とご飯が欲しくなります。
ただ、欲を言えば、鶏皮は柔らかすぎたため、クニッとした独特の弾力を味わえなかった点が個人的には残念なところ(トロトロした食感が好きな方にはクセになるかも…)!
また、せっかくなので竹串に刺して本格的なやきとりを作ってみましたが、身がほろほろと煮崩れてしまう鶏肉が多く、上手い具合に串に刺さってくれないため、串に刺してやきとりを作るという食べ方はあまりおススメできません(単に私が不器用なだけかも知れませんが…)。
では、温めたら味は変化するのか・・・
あえて残しておいたやきとりをレンジでチンして温め直したやきとり(たれ味)がこちらになります。
ご覧のようにゼラチン状のタレは見事に崩壊し、適度にとろみを持った見た目にも照りの良いタレに変化しています。
気になる味の方は、特にこれといって大きく変わったということはありませんが、どちらかというと温め直した方が香ばしさが増し、食べやすくなったように感じられます。
残った臭みの少ない甘辛ダレも捨てるには惜しく、ご飯にかけて平らげることができるため、ボリュームが少ないという点を除けば、余すことなく食べられるご飯のお供に良さげなオカズとして重宝(災害時の食事で不足しがちな脂質やたんぱく質が手軽に摂取できる点も良い)しそうな一品になりそうです。
ちなみに、GP4号のやきとり缶ではまったく物足りず、お腹いっぱい食べたいという方はジャンボサイズのやきとり缶を検討してみてはいかがでしょうか。
家庭用タイプの約20倍もある大容量缶で、基本的に業務用(パーティー用?)として販売しているようですが、ホテイフーズのやきとり缶を心ゆくまで味わいたいという方におススメです(食べきれなかった場合は自己責任で…)。
3年間の長期保存が可能! 温め直した方が美味しいが、常温でも抵抗はない! 鶏肉の臭みや缶臭も少なく、食べやすい! 食感は柔らかめで(特に鶏皮の弾力は期待できない)少しパサつくが、甘辛ダレとの相性は良い! 1缶当たりのボリュームが少ない… |