最近の非常食は種類が豊富でバラエティーにも富んでいるので、食べたこともなければ、目にしたこともないという、今どきの子もいるかもしれませんが、一昔前の非常食と言ったら、やはりなんといってもカンパンが定番でしょう。
「・・・・・・・・・・・・・・。」
とまあ、寒い1人ノリツッコミは切ないのでこのくらいにして、話を元に戻しましょう。
そもそも、カンパンとは固く焼き締めたビスケットの一種で、軽くて保存性が高く、低価格で調理不要、コンパクトサイズなので保管スペースに困らないといった特徴が挙げられます。
そのため、非常食向けの食料としてはとても理想的な一品なので、今でも年配の方を中心に災害時の備えとしてカンパンを備蓄される方は大勢いますが、一方で次のような欠点があります。
食感は硬く、淡泊で味気ない! パサついて、喉が渇く! |
カンパンの性質上、パサつき感についてはどうにもこうにも避けられそうにありませんが、食感や味に関しては、以前よりも向上しているらしく、食べやすくなったと言われています。
ちなみに、缶詰入りのカンパンの中に氷砂糖や金平糖が一緒に入っているのを見て不思議に思った方もいるかもしれませんが、これは、甘みを補い唾液の分泌を促すといった理由があります。
さて、私の手元には三立製菓やブルボンといった、メーカーの異なる数種類のカンパンがありますが、今回、試食するのは、こちらの北海道かぼちゃカンパンです。
試食する非常食を探していて、たまたま見つけた商品ですが、あの味気ない淡泊なカンパンに、かぼちゃ味があるとは知りませんでした。
北海道、かぼちゃカンパン・・・
非常に魅力的で美味しそうなネーミングなので、価格は普通のカンパンよりもやや高めですが、とりあえず1缶購入(長期保存はできませんが、袋詰めのかぼちゃカンパンもあります)してみることにしました。
果たして、どんな味がするのか・・・!?
さっそく食べてみたいと思います。
かぼちゃカンパンを試食する前に、まずは容器の方からチェックしてみましょう。
北海道かぼちゃカンパンは、函館市にある北海道製菓という会社が製造販売しているようです。
缶詰容器を見ると、かぼちゃを意識した色使いで、そのデザインも素朴ですが、どこか温かみを感じさせます。
また、うちのかぼちゃカンパンは北海道産の原材料にこだわっているんだぞ!というアピールが、そこかしこに見られます。
栄養成分表を見ると、438キロカロリーとありますが、これは100g当たりのカロリーらしいので、内容量が110gと書かれていることから、1缶当たり約482キロカロリーといったところでしょうか。
いずれにせよ、普通のカンパンに比べると、北海道かぼちゃカンパンのカロリーはやや高めのようです。
缶詰上部にはプラスチック製のフタが付いているので、一度に食べきらなくても心配いりません。
缶詰の開封も缶切り要らずのプルトップ式を採用しています。
また、缶底には賞味期限が記載されていますが、北海道製菓の公式サイトによると、その賞味期限は3年間とのことです。
ということは、三立製菓(5年保存)やブルボン(5年保存)の缶詰入りカンパンなどに比べると、賞味期限はやや短めということになります。
それでは、北海道かぼちゃカンパンの缶詰を開けてみましょう。
プルトップに指を引っ掛けて押し上げると、カシュッ!という音がしますが、缶ジュースを開ける際に聞こえてくる程度の音なので、ビックリするような大きな音ではありません。
で、こちらが缶詰の中の状況です。
たっぷり入っているかと思いきや、どうやらそうでもない。
結構、余裕がありそうなので、もう少し入りそうなものですが、缶詰入りのカンパンの量は、どれもこんなものなのでしょうか。
※ 量に関しては三立のカンパンも同じように見えました。
なお、この状態を見る限りでは、北海道かぼちゃカンパンの缶詰には、どうやら氷砂糖や脱酸素剤は入っていないようです。
試しに、一度、カンパンをお皿の方に移し替えてみましたが、やはりカンパン以外は何も見当たりません。
さて、かぼちゃカンパンを手に取って眺めてみましたが、こうしてみると中央2ヵ所にポチッと穴が開いている点やルックスは、普通のカンパンとほぼ変わりなさそう・・・と、この時点では思いましたが、試しに三立製菓のカンパンと一緒に並べてみたところ、大きさや色・ツヤ、香りなどに、そこそこ違いがあることが判明したので、少しまとめておきましょう。
写真に見える2つのカンパンは、右側が三立製菓のカンパン、一方、左側が北海道かぼちゃカンパンですが、形はほぼ同じに見えるものの、かぼちゃカンパンの方が一回り大きいサイズとなっています。
また、色ツヤに関しては、三立製菓の方はツヤがあるように感じますが、かぼちゃカンパンの方はツヤがなくマットな感じで色もどことなく黄色っぽさを感じさせます。
おそらく色に関しては、かぼちゃ粉末の影響でしょう。
また、練り込んであるゴマにも違いが見られ、三立製菓の方は砕かれたり割れた粗いゴマが目立ちますが、かぼちゃカンパンの方は黒ゴマの形はどれも一粒一粒しっかりとした形のまま練り込まれています。
また、かぼちゃカンパンの方は、表面の質も上品に見え、カンパンなのに、どことなく高級感を感じさせます。
こうしてみると、北海道かぼちゃカンパンは、非常に完成度の高いカンパンなのではないでしょうか。
では、匂いの方はどうか?
かぼちゃの匂いは控えめなので、ほんのりとした香りしかしませんが、三立製菓のカンパンと比べてみると、その匂いには結構違いがあることが分かります(三立製菓の方はプレーンなので、どうしてもゴマの香りが強く出てしまう)。
では、さっそく食べてみましょう。
北海道かぼちゃカンパンも、やはりカンパンであることには変わりないので、口の中で噛み砕くとポロポロと崩れ、口内の水分がもっていかれてしまいますが、普通のカンパンに比べると、圧倒的な甘みを感じさせてくれます。
ただし、普通のカンパンに比べれば甘いというだけで、一般的なお菓子などに比べれば甘さはだいぶ控えめです。
一方、硬さについては三立のカンパンとそれほど変わりなく、比較的サクッとした食感ですが、噛み砕いた時、口の中で崩れていくポロポロ感が、なんとなく三立製菓の方がやや粗く感じられます。
しかし、こうして食べ比べてみると、北海道かぼちゃカンパンは、とても美味しいということがよくわかります。
適度に甘みもあるので、味気ない普通のカンパンよりも食べやすく、カンパンということをあまり感じさせません。
これは、普通のおやつとしても十分成立する美味しさです。
ただ、かぼちゃカンパンというネーミングを付けているのだから、個人的には、どうせなら、もう少しかぼちゃの風味や味を前面に出して、普通のカンパンとの差別化をより図った方が良い気がします。
もちろん、風味や味については好みがあるので、このままで十分!という方もいると思いますが…
いずれにせよ、かぼちゃの香りや味は控えめですが、普通のカンパンにはない程よい甘みがあるので、これなら普通のカンパンはちょっとという抵抗のある方にも食べてもらえるのではないでしょうか。
賞味期限は3年間と少し短めですが、クセになる味なので、非常食用のカンパンをお探しの方には、ぜひ、この北海道かぼちゃカンパンは検討してもらいたい一品です。