今回はノザキのウインナーソーセージを試食してみたいと思います。
ノザキと言えば、コンビーフ(塩漬けにした牛肉)が有名ですが、ノザキブランドの缶詰製品は、コンビーフ以外にも、いくつか販売されています。
そのひとつが、ウインナーソーセージ缶です。
そこで、ノザキブランドの缶詰はコンビーフ以外もイケるのか、実際に食べてみることにしましょう!
ところで、少し話しは逸れますが、ウインナーとソーセージの違いは何なのか?と疑問を持たれる方もいるようです。
結論から言ってしまうと、ソーセージとはウインナーやフランクフルト、ボロニアといった加工肉を腸詰した食品の総称なので、両者が異なる食品といわけではありません。
ちなみに、日本ではソーセージを腸の種類や太さ(直径)によって分類しており、日本農林規格(JAS)によると、羊腸や直径20mm未満のケーシングに詰めて、燻煙・加熱したものをウインナー(正式にはウインナーソーセージ)と呼んでいます。
種類 | 腸の 種類※ |
ケーシングの太さ (直径) |
ウインナーソーセージ | 主に羊 | 20mm未満 |
フランクフルトソーセージ | 主に豚 | 20mm以上〜36mm未満 |
ボロニアソーセージ | 主に牛 | 6mm以上 |
※近年は天然ケーシング(動物の腸)よりも、コラーゲンなどから作られる人口 ケーシングが主流。
こちらの手のひらサイズの缶詰が、ノザキのウインナーソーセージ缶です。
賞味期限は製造日から3年間とそこそこ長期保存が可能ですが、酒のつまみや弁当のオカズに最適!という紹介のされ方も多いので、特に非常食を意識した缶詰製品というわけではありません。
実際、容器ラベルをチェックしてみても、そのデザインや記載されている内容は、どれも極一般的な缶詰食品と何ら変わりなく、災害時に役立つような情報(災害用伝言ダイヤルなど)は何処にも見当たりません。
しかし、缶切り不要のイージーオープン缶であること、温めなくてもそのまま食べられること、そして常温で3年間の長期保存が可能である点を踏まえると、非常食としての条件は十分満たしている食品と言えるでしょう(価格も1缶あたり250円程度と手頃)。
ちなみに、1缶あたりのエネルギーは256kcal(容器に栄養成分表示があるというのは、意外と大事!)なので、概ねお茶碗1杯分(150g:約250kcal)のカロリーに匹敵します。
では、さっそく開缶してみましょう。
パキッという歯切れのよい音とともに缶内から漂ってくるウインナーソーセージ独特の香りを感じながら、ひと思いにフタを取り外そうとしましたが、思いのほか固く、取り外すには多少力を込めて引っ張る必要がありそうです。
フタを取り外すと、そこにはもちろんウインナーソーセージがあるわけですが、とにかくまずはこちらの画像をご覧下さい!
・・・なかなか見た目が斬新です。
私はてっきり向きなどお構いなく、ウインナーは無造作にゴロゴロ入っている状態をイメージしていたため、まさか、ここまで整然と立った状態でギッチリ入っているとは思いもよりませんでした。
その数、15本!
缶詰の中で15本のウインナーソーセージが直立不動の姿勢をとってギッチリ詰まっている光景は、なんというか、うまく言えませんが、個人的には少なからず違和感を感じてしまいますが、爪楊枝を突き刺して食べる分には、この方が取りやすい形なのでしょう。
とりあえず、このままでは何なので、器の方に移し替えてみようと思いましたが、あまりにギッチリと詰まっているため、逆さにしたくらいではまるで落ちてくる気配はありません。
そこで困った私は、箸を手に取り、強引に引っこ抜く強行作戦に変更しました。
箸で挟んだウインナーソーセージをよく見ると、なにか表面にぷるるんとしたゼリー状の塊が絡みついていることに気付きますが、特に缶詰を湯煎して温めたわけではないので、おそらくウインナーが浸してあったスープが冷えて固まった煮凝りではないかと思われます。
さて、ウインナーを1本引っこ抜いてしまうと、互いの団結力が弱まったのか、容器を傾けて軽く振ると、あれよあれよと落下してきます。
そして、器の方に無造作に転がり落ちたウインナーソーセージがこちらです。
どれもこれも表面がツヤツヤ、テラテラとテカッていますが、これは先ほど説明したように、スープが固まったゼラチンがまとわりついているためです。
見た目は、一口サイズのプリプリッとした普通のウインナーソーセージで、両サイドの切れ端がプリッとめくれ上がっているところが、どことなく愛嬌のあるかわいらしさを感じさせてくれます。
一方、ケーシング(ソーセージの皮)はしっかりしており、箸でつまんでも煮崩れるようなことはなく、適度に弾力があります。
ちなみに、川商フーズストア(ネットショップ)にある商品説明によると、ノザキのウインナーソーセージは羊腸を利用した本格的なウインナーソーセージなんだそうです。
では、さっそく試食してみましょう!
香りの方は極々一般的なウインナーソーセージらしい匂いがするといった程度で、特に気になるところはありません。
ウインナーソーセージは、長さ約4cm、直径約1.6cmなので、一口でパクッといけるサイズですが、ケーシングのパリッと感を確認するために、まずは歯で噛みちぎってみることにしました。
皮の表面はツルッとしており、非常に滑るような滑らかさがあります。
皮に歯が食い込むと、プツッという弾ける音と食感がなんとも言えない心地よい気持ちにさせてくれますが、中身の加工肉の方が美味しさを半減させてしまっているようです。
というのも、歯ごたえがほとんどなく、噛むとグズグズと崩れてしまうため、いい意味ではなく、どちらかというと残念な意味で、ふにゃふにゃにふやけて柔らかくなってしまった食感が口の中に残ります。
そのため、日頃、皮はパリッ、中身はプリッとした歯ごたえのあるシャウエッセンのようなウインナーソーセージの食感が好みだという方にとっては、このノザキのウインナーソーセージは別次元の食感、ハッキリ言ってしまえば、あまり美味しく感じられないのではないでしょうか。
では次に、このウインナーソーセージを温めると、味や食感にどのような変化が生まれるか、試してみましょう!
せっかくなので、今回はパック飯(越後のごはん:200g)も温めて、ごはんのオカズとして食べてみようと思います。
電子レンジを使って、皮が破裂しない程度に様子を見ながら温めてみたものがこちらです。
ゼリー状の塊が溶けて、いい感じのスープに変化しています。
また、この溶けたスープの影響もあってか、スモークの香りがより際立っているようで、より食欲をそそるウインナーソーセージ独特の匂いが香ってきます。
味や食感の方は、常温のものと比較しても、それほど大差ありませんが、風味が増しているせいか、どちらかというと温めた方がおいしく感じられました。
一方、温めたことで溶けたスープの方ですが、ひとくち啜ってみたところ、やや塩辛さはあるものの、油っぽさを感じさせない、割とサッパリめのスープに仕上がっているようです。
しかし、このスープはお世辞にも美味しいとは言い難いので、ソーセージさえ完食してしまえば、無理して飲む必要はないでしょう。
さて、完食してみて改めて思うことは、このノザキのウインナーソーセージ缶は、市販の袋詰めで売られているパリッと系の商品とは別物と思った方がよさそうです。
中には、このグズグズっとした食感や味がクセになるという人もいるようですが、私個人としては、あまり好きな食感ではありませんでした(私は加工肉が、ある程度弾力があった方が好み!)。
つまり、このウインナーソーセージの食感は、好き嫌いがはっきりと分かれるということです。
そのため、非常食にどうかと考えている方は、自分好みの味や食感かどうか、一度試食してから検討されることをお勧めします。