尾西食品と言えば、アルファ米を中心とした長期保存食の開発に力を入れているトップメーカーなので、社名くらいは聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
しかし、尾西食品のアルファ米を実際に食べたことがあるという人は少ないかもしれません。
※ アルファ米とは、米を炊いて乾燥させた長期保存食のこと。
一昔前のアルファ米と言えば、お世辞にも美味しいとは言えず、非常食として備えるなら乾パンの方がまだマシだ!くらいの意見も多いほどかつてのアルファ米の味は二の次の長期保存食でしたが、どうやら最近は、その評価も少しずつ変わってきているようです。
つまり、味がよくなった!
とりわけ尾西食品のアルファ米は美味しい!といった意見が多いので、昨今の アルファ米は本当に美味しくなったのか、実際に試食して確かめてみたいと思います。
長期保存食であるアルファ米を販売している代表的な製造メーカーといえば、尾西食品をはじめ、サタケやアルファー食品などが挙げられますが、今回試食するのは、先にも触れたように美味しいというコメントや口コミ評価の多い尾西食品のアルファ米です。
尾西のアルファ米シリーズは、白飯だけでなく、 味付きご飯の種類が多いことでも有名で、人気メニューの五目ごはんを筆頭に10種類以上 (赤飯、わかめごはん、山菜おこわ、えびピラ フ、チキンライス、ドライカレー…etc)あり、非常時の際も飽きがこないよう、バラエテ ィーに富んだメニューが用意されていますが、今回、私がチョイスしたアルファ米は、賞味期限間近のわかめごはんです。
尾西のアルファ米は、熱湯で15分(水の場合は60分)程待つ必要があるようなので、とりあえず正確に計るため手元にキッチンタイマーを用意したところで、さっそく、パッケージを開封してみましょう。
※ 補足:尾西のごはんシリーズは、わかめごはんに限らず、従来品に比べて、熱湯での待ち時間が5〜10分程度短くなったようです。
ここでは、ハサミがなかったことを想定し て、パッケージ上部の切り口から手でちぎってみましたが、ご覧のとおり波打ってしまい、切り口が美しくありません。
また、最初の切り方が悪いと、スムーズに切れず、多少力が必要になることも…
そのため、もしハサミが用意できるようなら、ハサミを使って切った方がよさそうです。
パッケージを開けると、わかめごはんだけに、ほのかなワカメの香りが漂ってきますが、薬臭さなどは特に感じません。
また、パッケージ内には、アルファ米の他に、スプーンとごま、脱臭素剤がダイレクトに投入されています。
尾西のアルファ米は、食べる際、茶碗などに移し替えることなく、袋を手に持ったまま食べられるスタンドパック式になっているので、お湯(または水)さえ用意することができれば、他には何もいらないという点で、非常食としての機能は十分に果たしているようです。
さて、気になるアルファ米の方はというと、見た目は、しばらく放置しておいたご飯粒のようで、まさに炊いたお米を乾燥させた状態そのものです。
試しにかじってみたところ、その食感はなんとなく湿気たセンベイを思わせますが、このまま食べるものではないので、別に美味しくなくても問題ありません。
そこで、さっそく注水線までお湯を注ぎ、パッケージ裏面の作り方に従って、15分程待つことにします。
15分後のアルファ米は、かつてのカピカピに干からびていた状態がまるでウソのように、その一粒一粒がふっくらとして、見ようによっては炊飯器で炊いたような状態に戻っています。
このまま袋にダイレクトにスプーンを刺してわかめごはんを食べる(ただ、若干スプーンの長さが短く感じるため、少し食べづらい気はします…)こともできますが、お米の状態をより間近で見るために、一旦、茶碗に移し替えてみましょう。
1袋分の量は、少し大きめの茶碗1杯分といったところでしょうか。
ワカメの量は多からず少なからずといった程よい量のわかめごはんに見えます。
では、冷めてしまっては申し訳ないので、さっそく試食してみましょう。
――――― 確かに味は悪くない!
自分には塩気が少し足りない気もしますが、新米や炊き立てのご飯の味を再現しているとまでは言えないまでも、ワカメの香りが程よく鼻を刺激し、触感もお米を食べているという気持ちに十分なれます。
※ 味の濃いおかずと一緒に食べると、より薄味に感じるかもしれません。
ご飯が炊けない非常時に、このレベルのお米が食べられるのであれば、十分満足できるのではないでしょうか。
前回試食したレスキューフーズの一食ボックス:カレーライス【食レポ@】もなかなかハイレベルな味でしたが、いかんせん価格が高く1パッケージが大きいので、ご飯系の非常食を大量にストックしておくのであれば、尾西のわかめごはんのようなアルファ米を備えておくのもよさそうです。