滅多に使用する機会がないため、消火器を買った記憶はあるけど、いつ頃購入したかは覚えていないし、もう何年も放置したままだ…という方も多いのではないでしょうか。
しかし、消火器にも耐用年数≠ェあるので、未使用であれば半永久的に使うことができる!という製品ではありません。
耐用年数を大幅に過ぎ、老朽化した消火器が破裂したために命を落としたという死亡事故も過去にはあるので、定期的にチェックすることが大切です。
消火器の耐用年数は、購入した製品の種類や設置環境(保管状況)などによって異なってきます。
そのため、どの製品も一様に●●年で寿命がくる!と断言することはできませんが、未使用製品(国家検定合格証マーク付き)の場合の耐用年数の目安は次のとおりです。
ここでひとつ注意すべき点は、消火器の耐用年数は、本体ラベルに刻印してある〈製造年〉が基準になるということです(つまり、購入日を基準に判断してはダメ!)。
一般用 | 法令によって設置が義務つけられている消火器 | 製造年から約8〜10年 |
住宅用 | 主に住宅火災に向けに開発された消火器 | 製造年から約5年 ※エアゾール式の簡易消火具は約3年 |
また、上記表で示した耐用年数は設置環境などは考慮していません。
通常、消火器の多くは、野ざらし状態の屋外や潮風のあたる海岸付近で長期間置かれる状況を想定してはいないので、消火器の設置環境(高温、多湿なども含む)によっては、本体の腐食や劣化が早まることもあります。
そのため、本体のヘコミやサビ、キズなどが目立つ製品は、たとえ耐用年数以内であっても破裂等のおそれがあるので、早めに交換するようにしましょう。
※ 最近の消火器には、製造年のほか、使用期限等が表示されているものも見られます。したがって、まずは本体ラベルや取扱説明書等で購入した製品の耐用年数を要チェック!(PL法では、消費者に対する曖昧な状況提供は取扱説明上の欠陥と見なされるため、通常、メーカー側は取扱説明書などで耐用年数を明記しているはずです。)
法改正による消火器の耐用年数の変更 これまで、消火器の耐用年数は、(財)日本消防設備安全センターが、全国を対象に行った6万本以上にわたる消火器の追跡調査や具体的な不良データ(不良廃棄にかかわる平均寿命など)等を参考にしながら、PL法における損害賠償の請求権の時効である10年を念頭におきつつ、概ね8年と設定してきました。しかし、近年行われた法改正(消火器の技術上の規格を定める省令の一部を改正する省令)により、設計標準使用期限が10年に定められました。 ※ 耐用年数は保証期間を意味するものではないので、腐食やサビ、変形や機能異常が見つかった場合には、耐用年数に関係なく速やかに新しい消火器と交換するようにして下さい。 |
寿命(耐用年数)が過ぎた消火器を処分しようと思ったら、一定のルールに従って廃棄しなければなりません。
※ エアゾール式の簡易消火具はリサイクル対象外なので、一般の家庭ゴミとして処分します。
つまり、一般の家庭ゴミとして、ゴミ集積所に出してしまうと不法行為となるので注意が必要です。
これまで、寿命(耐用年数)が過ぎた消火器を処分するには、製造メーカーの取扱窓口や販売店に処分依頼をする必要がありましが、平成22年にスタートした新制度以降、大きく3つの方法で処分することができます。
特定窓口(依頼) | |
システム登録された販売代理店が担っている主に個人向け窓口
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指定取引場所(持ち込み) | |
(社)日本消火器工業会が指定した場所で特定窓口事業者が回収した廃消火器を引取ることもある(個人の持込みもOK!)
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ゆうパック(回収依頼) | |
電話(ネット)依頼をした後回収専用箱に入れて郵送
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いずれの処分方法に共通していることは、指定のリサイクルシールを消火器本体に貼り付け(1本につき1枚)なければ、引き取ってもらえないということです。
※ リサイクルシールには有効期限あり!既販品用シール【2年】新製品用シール【10年】
廃消火器を引取ってもらうための目印となるリサイクルシールは、特定窓口等で購入できますが、2010年1月以降に製造された消火器には、既にリサイクルシールが貼り付けてあるので、改めてリサイクルシールを購入する必要はありません。
※ 2011年以降に製造された消火器の価格には、リサイクル費用が含まれています(シールが予め張り付けてある前払い制)。なお、前年度(2010年)に製造された消火器にもリサイクルシールは貼り付けられていますが、この1年間はメーカー等がリサイクルシール代を負担しています。
住宅用消火器などに比べ、コンパクトで扱いやすいとして、近年、注目されている消火グッズがあります。
それが、スプレータイプのエアゾール式簡易消火具です。
台所や寝室などで発生する火災(天ぷら油、ストーブ、カーテン、クズ箱など)の初期段階に対して消化効果があり、ハンディタイプで手軽なことから、小さなお子さんや高齢者にも扱いやすいため、いざという時に役立す消化グッズとして購入される方も多いようです。
ただし、住宅用消火器などに比べると耐用年数が短いこと(概ね3年程度)、また、リサイクルシステムの対象外製品なので、一般の家庭ごみとして処分することになります。