災害の規模によっては、津波や火災、土砂崩れなどの危険がある場所から、いち早く避難しなければならないこともあるはずです。
そのような緊急時に必需品や貴重品をかき集めてバックに詰め込んでいると、逃げ遅れてしまったり、あるいは大切なものをうっかり置き忘れてきてしまうなどの問題が起こりかねません。
そこで役立つのが非常持ち出し袋≠ナす。
災害の状況によっては必ずしも役に立つとは限りませんが、いざという時に非常持ち出し袋を持って逃げればよいという態勢を前もって作っておくことは、決して無駄なことではありません。
これまで非常持ち出し袋を用意していなかった方は、これを機会に検討をしてみたり、既に非常持ち出し袋くらいは備えてあるという方は、袋に詰め込んである品物リストを改めてもう一度チェックしてみてはいかがでしょうか。
日常生活で使用している品物を、何でもかんでも次から次へと非常持ち出し袋に詰め込めばよいというものではありません。
個人差はありますが、1人の人間が荷物を背負って避難所まで歩いて行くのに支障がないとされる重量は、成人男性で15kg程度、成人女性は10kg程度と言われているので、この重量を目安に非常持ち出し袋に詰め込む品物リストを作成しておくとよいかもしれません。
ちなみに、非常持ち出し袋に入れておきたい品物リストは、家族構成や健康状態などによって異なってきますが、直ちに避難しなければならない緊急時用に備えておきたい必要最低限の品物リストには主に次のようなものが挙げられます。
非常持ち出し袋 | 両手をふさぐことのないリュック型が最適 | サランラップ | 食器に巻いたり、保温、傷の保護として利用できる |
携帯ラジオ | イヤホン専用ではなくできればスピーカー対応のものがよい | ロープ | 5m程度 |
懐中電灯 | ブルーシート | 避難先の場所確保(1人あたり1畳程度) | |
飲料水 | 飲料水だけなら最低1日1リットルを目安 | 下着類 | |
食料 | カンパンや長期保存ビスケット、チョコレートなど | 笛 | |
現金・貴重品 | お札だけでなく、必ず小銭も用意(公衆電話用)。保険証、身分証明書、通帳のコピー | 雨合羽 | |
ローソク・ライター | 携帯電話充電器 | ||
救急袋 | マスク、消毒液、ばんそうこう、湿布薬、三角巾、風邪薬、胃薬、包帯、毛抜き | 乾電池 | 最低限、携帯ラジオ・懐中電灯用の予備電池を用意 |
軍手 | 綿100%と皮手袋(ガラス片処理用) | ポリ袋 | |
タオル | 家族写真 | 安否確認 | |
トイレットペーパー | 歯ブラシ・歯磨き粉 | ||
ウェットティッシュ | 携帯トイレ | 災害時のトイレ問題は深刻なので、場合によっては大人用紙おむつなどでもよい | |
刃物 | はさみ、カッターナイフ、10徳ナイフなどがあればベスト | 予備メガネ コンタクトレンズ |
ないと日常生活に支障が出るような方は予備を用意 |
ガムテープ(布) | 紙テープではなく重ね貼りできる布テープがベスト | 女性用品 | 生理用品、鏡、ブラシ、化粧品 |
保温シート | 寒さ対策に。場合によってはカイロなども用意 | 赤ちゃん用品 | 粉ミルク、哺乳ビン、離乳食、スプーン、紙おむつ、母子手帳 |
筆記具 | 油性マジック、メモ帳、ボールペン | 高齢者用品 | 高齢者手帳、おむつ、持病薬 |
前項で紹介した1次持ち出しリストは、あくまで、直ちにその場(自宅)を離れなければならない緊急時に持ち出したい品物リストですが、避難後、ある程度余裕ができた場合に備えておくと役立つ便利な品物には主に次のようなものが挙げられます。
1次用の非常持ち出し袋とは違い、2次用の非常持ち出し袋は、家屋が倒壊していなければ取りに戻ることもできるので、いったい自分は何がないと耐えられないかなどを基準にしながら品物リストを作成し、あなたが避難生活で必要とする非常持ち出し袋を用意しておくとよいでしょう。
飲料水 | ペットボトル(2リットル)ケース単位(6本)で保存 | 生活用品 | 固形燃料 |
生活用水 | ポリタンクで保存 | 鍋 | |
食料 | 米(ペットボトルなどに詰めて冷暗所に保存)・味噌 | やかん | |
アルファ米 | 毛布 | ||
パンの缶詰 | 古新聞 | ||
インスタント麺 | 段ボール | ||
レトルト食品 | 水筒 | ||
缶詰類 | 紙皿・紙コップ | ||
切り餅 | アルミホイル | ||
カロリーメイト | 運動靴・サンダル | ||
チョコレート | ヘルメット | ||
缶入りドロップ | ゴミ袋 | ||
生活用品 | カセットコンロ | 工具類(ジャッキ、ハンマー、バール、ノコギリなど) | |
ガスボンベ | 爪切り |
※ 3日分程度の備蓄を目安に分量を決めよう!
非常持ち出し袋に入れる品物は、特に法律で指定されているわけではないので、個人の判断で自由にリストを作成して構いません。
しかし、非常持ち出し袋は、あくまで非常・緊急事態に備えて用意しておくべきものなので、生き残ること、命を守るために必要なものは何かということを最優先に考えて品物を入れておく!ということを忘れないでください。
また、非常持ち出し袋に詰め込む品物のリストを書き出して、一から揃えるとなると結構面倒だ!という方は、災害時に必要な基本品目が一通り揃っている市販の防災セットなどを購入してしまうのも一法です。
保存方法や保管場所、あるいは水道水に含まれる塩素濃度によって変わってきますが、全国各地の水道局HPや専門書などの資料を踏まえると、水道水の保存期間の目安は、概ね3〜5日程度のようです。
夏場 | 3日程度 | 冷蔵庫 | 10日程度 |
冬場 | 5日程度 |
保存期間はあくまで目安なので、人によっては保存期間を過ぎても、煮沸消毒すれば、しばらくの間は特に問題ないとする意見もありますが、各水道局では、できるだけ雑用水として使用するよう勧めています。
いずれにせよ、水道水を非常用飲料水として長期間保存することは難しそうなので、生活用水として利用するなら別として、飲料水目的で保存するなら、できるだけ小まめに入れ替えた方が良さそうです。
ちなみに、近年は水道水を長期保存しても飲料水として利用できるような保存容器も販売されているので、水道水の長期保存を考えている方は、この手のグッズの利用を検討してみるのもよいかもしれません。