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初期消火マニュアル

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地震と切っても切れない関係にあるのが火災≠ナす。

ひとたび大きな地震が起こると、火災発生率は極めて高くなりますが、火災による2次被害を最小限に食い止めるには、初期消火が重要だと言われています。

そこで、初期消火に欠かせない最低限の知識を押えておきましょう。


初期消火とは?コレだけは押える基礎知識

初期消火とは簡単に言ってしまえば、火災による被害を最小限に食い止めるための消火活動のことです。

初期消火とは○○である!といった明確な定義はなく、その判断(見極め)が難しいところですが、一般的には次のような段階にある火災のことを指しています。

チェック火がまだ天井(あるいは、自分の身長以上)まで燃え広がっていない状態の火事

チェック火元の状況にもよるが、時間にすると、出火から概ね2〜3分以内の火災 

したがって、この火災状況を超えるような火の燃え広がりがある場合は初期消火の限界を超えているので、消火活動よりも身の安全を第一に考え、速やかに非難することが大切です。
◎初期消火に最も有効な消火器具
阪神・淡路大震災(1995年)の際に発生した火災において、最も役立った初期消火器具は消火器≠ナした。

また、東京消防庁によると、初期消火が行われた際に最も多く使用(7割以上)されていたのも消火器であったといったデータがあります。

※ 消火器を使用した初期消火の成功率【2010年】… 成功(78.9%)失敗(21.1%)

つまり、これらのデータを踏まえると、初期消火に最も有効な消火器具とは消火器ということになりますが、個人で扱える消火器も、あくまで初期消火の段階に役立つ消火器具であって、既に天井まで燃え広がってしまっているような火災の場合には、消火を諦め、安全なところに避難する!ということを心がけてください。
初期消火器具の使用状況

区分 阪神淡路 有効 有効率 内訳
消火器 81件 38件 46.9% 粉末消火器(80件)泡消火器(1件)
簡易消火用具 12件 4件 33.3% 水バケツ(11件)乾燥砂(1件)
固定消火設備 13件 2件 15.4% 屋内消火栓設備(7件)粉末消火設備(4件)ハロゲン化合物消火設備(1件)屋外消火栓設備(1件)
水道・浴槽水・汲み置き 29件 10件 34.5%
寝具・衣類等 2件 2件 100.0%
もみ消した 3件 1件 33.3%
その他 6件 1件 16.7%
初期消火なし 139件 --- ---
合計 285件 58件 ---

※ 参考:平成7年『火災年報』

火災発生
周囲に知らせる
消火器
選択
できる!
自ら初期消火にあたる場合は、近くにいる人に119番通報をお願いする
できない…
身の安全を考え、消火を諦め直ちに非難!(避難時に余裕があれば燃えている部屋の窓やドアを締め切り空気を遮断する《延焼防止》)
矢印

火元別!初期消火のポイント

一般家庭では、いきなり大火災になることは滅多にありません。

つまり、最初の出火は小さいので、いかに落ち着いて速やかに対処できるかが重要になってきます。

住宅火災の場合、出火後、2〜3分が自ら消火活動が行える限界の目安と言われていますが、初期消火の際にはいくつかポイントがあります。

火元の状況によっては、誤った消火活動は、かえって火災を拡大してしまうおそれもあるので、特に次のような点には注意が必要です。

石油ストーブ 消火器がある場合は、直接火元に向かって消火液を噴射する。消火器がない場合は、ストーブの真上(斜めにかけると石油が飛び散る恐れがありNG!)から水をかけるか、水に濡らした毛布やシーツなどを手前から覆って空気を遮断してから消火にあたる。
カーテン・襖・障子等 カーテンや襖などに燃え広がると、初期消火が行えない天井にまで火が回ってしまう危険性が高いため、まずは引きちぎったり、けり倒すなどして、火元を天井から遠ざけた上で消火に当たる。
衣服 身に着けている衣類に火がついてしまった場合は、できるだけ早く頭から水をかぶる。近くに水がない場合は、地面に横になって転げ回って消すのもよい。
電気製品 感電のおそれがあるため、いきなり水をかけるのはNG!まずはコード類をコンセントからから抜き(ブレーカーも切ってしまうのもよい)感電の危険を避けてから消火にあたる。
油なべ 天ぷらなべなど、油に火がついている火元には、絶対に水(マヨネーズや野菜もNG!)をかけない!【理由:油が飛び散り、かえって炎が燃え広がるため】ガス栓に近寄れるようなら最初に閉め(状況によっては消火後に閉める!)、消火器がない場合は、水に濡らして固く絞った大きめのタオル・シーツ等を鍋がひっくり返らないよう手前からかけ、空気を遮断する。なお、粉末タイプの消火器を使用する場合、再発火の恐れがあるので、要注意!(ちなみに、台所用消火器には火元の温度を下げる強化液タイプのものが適している)
風呂場 風呂場内に空気が供給されて火災が強まる危険性があるため、いきなり戸を開けるのはNG!ガスの元栓をしめ、徐々に戸を開け一気に消火にあたる。