一昔前の長期保存食の定番と言えば、下記のようなカンパン≠連想される方も多いかと思われますが、最近はカンパンはカンパンでも、缶詰にパンを入れたカンパン≠ェ人気のようで、一般家庭の非常食として備蓄する人も増えています。
かつて非常食は、何より長期保存できるものが重宝されたため、味についてはどうやらあまり重視されなかった(というよりも、技術がまだ未熟だったという見方も…)面がありますが、このパンの缶詰はとても美味しい!といったコメントや口コミも多く、味についての評価はカンパンよりも遥かに上のようです。
そこで、パンの缶詰は本当にウマいのか !?
その疑問を解決するため、実際に購入して食べてみることにしました。
パンの缶詰を製造販売しているメーカーは複数存在するようで、商品名こそ違えど、ザッと調べただけでも、10社近くが商品化しています。
いずれは、できるだけ多くの商品を食べ比べてみたいと思っていますが、とりあえず、今回試食するのは、パンの缶詰の代表格ともいえるこちらの商品、なぜか宇宙にも行ってしまった経験をお持ちのアキモトの缶入りソフトパンです。
※補足:アキモトのパンの缶詰は、2009年、宇宙飛行士の若田光一さんとともにスペースシャトル(ディスカバリー)に乗って宇宙へと旅立ちました。
アキモトのパンの缶詰は味付き種類が豊富でバラエティーに富んでいるのが特徴のひとつですが、実はシリーズによって賞味期限が大きく異なるので、その点だけは注意が必要です。
※ どのシリーズ缶入りパンも3年間と勘違いしている方もいるようで、購入後、賞味期限が短くてがっかりしたというコメントも少なからず見られます。そのため、賞味期限はよく確認してから購入しましょう!
種類が多いので、どれを試食しようか迷いましたが、ここはやはり賞味期限が最も長く非常食に適している備蓄食シリーズに決め、味の方はレーズン味を選んでみました。
※補足:備蓄食シリーズのレーズン味は商品パッケージリニューアル(2016.8月〜)を期に販売終了!代わりにブルーベリー味が新規ラインナップに加えられました。
フルーツ缶のように液体や果物がゴロゴロ入っているわけではないので、缶詰自体の重さは、それほど重くありません。
ちなみに、秤で計測してみたところ、内容量(100g)と缶詰の重さを合わせると約160gとなります(つまり、缶詰そのものの重さは60g)。
アキモトのパンの缶詰はソフトパンがウリなので、パン自体の密度は薄く、ふんわりと仕上がっていると思われますが、おそらくそれが缶の重さにも影響していると考えられ、この重さからすると、1缶程度では成人男性のお腹を満たすほどの満腹感は得られないような気がします。
とはいえ、まだ食べてはいないので、とにかく開けてみることにしましょう。
アキモトのパンの缶詰シリーズは、レーズン味に限らす、開封時に缶切りがなくても困らないプルトップ式を採用しているので、老若男女問わず、誰でも簡単に開けることができます。
プルトップに指をかけて引き起こすと、カシュッという音とともに簡単に開缶(力もそれほどいりません)することができますが、缶詰の中を覗いてみると、このような感じでレーズン味のパンが納まっています。
さすがにレーズンの香ばしい風味豊かな香りとまではいきませんが、市販の菓子パンレベルくらいの香りは漂ってきます。
ちなみに、若干、パンとレーズン以外の独特なニオイが鼻につきましたが、このニオイの素が商品ラベルに記載されていた「発酵風味液」によるものなのか、食用アルコールによるものなのかはよく分かりません。
個人的にはそれほど気になるニオイとまでは感じませんでしたが、ニオイに敏感な方にとっては、少し抵抗があるかもしれなので、やはりこの手の非常食は、備蓄する前に一度試食してみるに限ります。
さて、気になる中身(レーズンパン)の見た目や味ですが、言葉では説明しにくいので、まずは画像を数枚アップしておきましょう。
アキモトのパン缶:備蓄食シリーズのレーズン味は、だいたいこのような感じです。
缶詰内に納まっていた縦長のパンは2枚(側面用と底用)の薄紙でしっかりと包まれていますが、いくら慎重に剥がそうと頑張っても、上記画像のように、パン生地が若干貼り付いてしまい綺麗に剥がすことは難しいようです。
一方、パン自体は外側はほんのりとしっとり感があり、パンの焼き色を含めて意外と美味しそうに見えます。
さっそく、数か所でちぎってみたところ、適度な弾力とフワフワ感があり、まさにソフトパンという名に相応しいレーズンパンに仕上がっているように思われます。
さて、問題の味の方はというと、確かにうまい!
アキモトのパンの缶詰レーズン味には、レーズンをはじめとした、数種類のフルーツの固形物が適度に散らばっているので、そのつぶつぶ感を楽しみながら、適度な甘さを含んだソフトパンとして最後まで味わうことができます。
米と違ってパンは喉が渇くかと思ったものの、どうやらアキモトのパンの缶詰は意外と水分なしでもいけそうです(ただ、ないよりはあった方がよさそうですが…)。
もちろん、一流のパン職人が丁寧に作った出来立てパンとまではいきませんが、3年間という長期保存が可能で、非常時にこのレベルのパンが直ぐに食べられるのであれば、十分満足のいく味と食感なので、おそらく大半の方が、丸ごと1缶ペロリと完食してしまうのではないでしょうか。
※追加訂正:缶の切り口で指を切ることはないと書きましたが、先日、うっかり指を滑らせて缶蓋の縁で小指の先をものの見事にスパッと切ってしまいました・・・缶蓋は切れにくいというだけなので、取り扱いの際にはくれぐれもご注意を!
そのため、先にも触れたように、そこそこカロリーはありますが、満腹感は得られにくいので、災害時におけるメインの非常食というよりも、子供のおやつや小腹が減ったときのエネルギー源として食する分には最適な食料のような気がします。
アキモトのパンの缶詰は賞味期限13ヵ月の定番人気シリーズを含めると10種類以上あるので、一度試食してみて、好みの味のものを見つけてみてはいかがでしょうか(数種類のフレーバーが一度で味わえるセット商品を購入してみるのも一法!)。
災害時の一番の楽しみは食事だという人も多いようなので、アルファ米のような長期保存食だけでなく、パンやパスタなど、食事くらいは楽しめるような対策を整えておくのもよさそうです。