食レポ139｜宇宙食：スペースアイスクリーム（バニラ）編

今回 、試食するのは��バニラアイス�≠ﾅす。

備蓄食にアイス…!? と首を傾げたくなる方もいるかもしれませんが、商品名がバニラアイスとなっているので、他に言いようがありません。

ただし、種明かしをしてしまうと、アイスはアイスでも、フリーズドライ製法で製造された乾燥食品なので、大半の方が想像しているようなアイスクリームとは異なる食べ物となりそうです。

そもそも、アイスが備蓄食になるのかという根本的な問題もないわけではありませんが、宇宙食のバニラアイスは、約8ヵ月間の常温保存が可能らしく、訳あり商品として格安販売されていたものを運よく入手することができたため、非常食としてどうなのか、実際に食べて判断してみたいと思います。

宇宙食：スペースアイスクリーム（バニラ）とは？

今回、試食する宇宙食『スペースアイスクリーム（バニラ）』を販売するのは、ビー・シー・シー（BCC）と呼ばれる株式会社で様々な企画・制作・運営（キャンペーン、イベント、編集・出版 …etc）を行っていますが、その事業のひとつが宇宙食（スペースフーズ）の企画・制作で、主に全国の科学館や博物館、テーマパークで販売しています（ネット通販でも購入可能）。

同社の宇宙食はラインナップが豊富で、バニラアイスの他にも、羊羹、たこやき、杏仁豆腐といったユニークなメニューも揃っているので、興味のある高は、一度ｍ試食してみてはいかがでしょうか。

では、本題に戻り、まずはパッケージチェックからしていきましょう！

パッケージ（縦：約22cm × 横：約13.5cm）は、まるでブラックホールを意識したかのような黒を基調としたアルミ袋に宇宙空間で作業する宇宙飛行士がプリントされたラベル（裏面は無地）が貼り付けられており、宇宙食っぽい雰囲気は出ています。

フリーズドライ食品ということもあってか、総重量30gと非常に軽く、携帯に適した食品であることは間違いなさそうです。

ラベルには原材料名、保存方法、栄養成分表、賞味期限など、商品に関する特徴や基本情報が記載されていますが、うーん・・・なんといったらいいのか・・・賞味期限の刻印位置が雑！（まあ、日付さえしっかり確認できれば問題ないけども…）

また、商品の性質上、どうやら湿気に弱く砕けやすいとの注意書きも見られるので、多少商品が割れていても文句は言えないようです（程度にもよると思いますが…）。

では、パッケージチェックはこのくらいにして、さっそく謎のバニラアイスの正体を確かめてみましょう！

切り口に沿って袋を開封すると、中にはアルミ製の小袋が1つ・・・

その小袋をさらに開け中身を取り出すと、プラスティック製のトレイ（8cm × 6.5cm × 1.5cm）にのったバニラアイス（18g）と脱酸素剤の2点が入っていました。

スペースアイスクリーム（バニラ）を食べてみた感想と評価

一部の商品（おもち）を除き、宇宙食シリーズは常温のまま食べることができるため、バニラアイスも袋を開けたら、そのまま口にすることができますが、せっかくなので、食べる前にバニラアイスと名付けられた固形物を入念にチェックしてみましょう。

フリーズドライ食品ということで、ある程度想像はしていたものの、このブロック状（8cm × 6cm × 1.5cm）の食べ物をバニラ味のアイスクリームと呼んでいいものかどうか、正直疑問が残ります。

また、やはり湿気に弱かったようで、真っ二つに割れていますが、この程度の破損であれば許容範囲といったところでしょうか（手に持つと意外と硬くしっかりしており、ボロボロと崩れることはない）。

乾燥して表面が粉っぽくざらつく固形物は非常に軽く、真っ白なチョークのような印象を受けますが、やはりどう見ても、アイスクリームとは言い難い・・・

ただ、ふんわりとバニラの甘い香りは漂ってくるため、なんとも不思議な感覚に襲われます。

では、肝心の味はどうなのか・・・

非常に口どけの良い固形物で、舌の上にのせた直後からジワ〜と溶け出し、滑らかで濃厚なバニラミルクの風味と味が広がり、口の中が甘さでいっぱいになります。

一方、舐めずにバリバリ噛み砕きながら食べてみると、パフパフとした食感（落雁とは、また少し違う）とともに濃厚なバニラミルクの風味や味わいはあまり感じられず、口の中にしつこい甘さが広がることはありませんでした。

どうやらこのバニラアイスは、噛んで食べるか、それとも舐めながら溶かせていくかで味わいがだいぶ変わってくるようです。

本物のアイスクリームをそのままの形で乾燥させたフリーズドライ食品ではあるようですが、実際に食べてみると、アイスクリームとは違うお菓子に変化（味わいは尾西のミルクスティック【食レポ46】に似ているかも…）していると思っておいた方が良さそうです。

以上、宇宙食の『スペースアイスクリーム（バニラ）』を食べてみましたが、腹持ちも悪ければ、賞味期限も8ヵ月と短く、さらに価格も意外と高いため、災害時用の非常食という観点から評価すると、あまり強くお勧めできるような食べ物ではないような気がします（ただ、暗くなりがちな状況を和らげる話のタネにはなりそう…）。

非常に軽く（30g）携帯に便利！ 賞味期限が短い（8ヵ月）！ 外部からの衝撃や湿気に弱く割れやすい！ 1食分の量が少なく、割高感がある！ 腹持ちはあまり良くない… バニラ味のアイスクリームを期待し過ぎるとガッカリするかも… 噛んで食べるか、舐めて溶かすかで味わいが異なる！ 話のタネにはなりそう！