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体験レポ7|非常用飲料水袋編

非常用飲料水袋を使ってみよう!entrance

年齢や性別、体格などによって個人差はありますが、人間の体の約70〜80%は水で構成されています。

※補足情報:一般的に成長にともなう体脂肪の変化や老化により、人体の水分割合は徐々に減少します。

このことからも分かるように、水は生命維持に欠かすことのできない一大要素であり、極端な話、水さえ十分に確保できれば、たとえ食べ物がなくても、2〜3週間(それ以上と主張する人も…)は生き延びられと言われているのです。

逆に、一滴も水を口にしなければ、人は1週間待たずに死んでしまうとか・・・

そのため、ライフラインが長期間断たれてしまうほどの大災害時は、食料よりも、まず飲料水の確保が大切です。

飲料水袋

近年は、各メーカーから、長期保存可能なペットボトル飲料水や給水車から配給される水を持ち帰るためのポリタンクやバケツ、あるいは飲料水袋など、様々な商品が販売されているので、水道が止まってしまったときのために、この手の関連グッズをいくつか備蓄しておくのもよいかもしれません。

というわけで、今回の体験レポでは、飲料水の確保に使える容器(飲料水袋、給水袋)を実際に使い、防災時に本当に役立つかのかどうか評価してみたいと思います。


日本製袋株式会社の非常用飲料水袋とは?

今回、体験レポで使用する防災グッズは、日本製袋株式会社の非常用飲料水袋です。

日本製袋鰍ヘ、東京に本社を置く大正12年創立の老舗の包装資材メーカーで、主に米袋やピンチ袋などのクラフト紙製品や、ポリ袋やクロス袋などの合成樹脂製品の製造・販売を行っていますが、非常時に役立つ飲料水袋も販売しているようです。

ちなみに、今回の体験レポでは、容量の少ない4リットル用(当時:税抜き300円 / 1袋)のものを使いますが、日本製袋鰍ナは、他にも6リットル用、10リットル用の飲料水袋(両手が自由になる紐付きのリュックたいぷもある)を販売しているので、袋サイズに関しては、各自の判断でチョイスしてみてください。



それでは、さっそく現物をチェックしてみましょう!

実は似たようなデザインの商品は、アイリスオーヤマなどの他メーカーでも販売していますが、このタイプの飲料水袋は、もともと自衛隊や官公庁などの各機関が備蓄していたものを、メーカーが一般向けに商品化したものなので、大手メーカーのものであれば、機能や性能についてはそれほど大きな差は見られないはずです。

飲料水袋1

さて、私が手にしているこちらの4リットル用の飲料水袋ですが、大容量の10リットル用に比べると、サイズこそ一回りほど小さいものの、それでも広げると30〜40cmほどの大きさになります。

※参考:10リットル用の袋サイズは、縦56cm × 横38cm

しかし、ポリタンク式の容器とは違い、あくまで袋≠ネので、未使用時は折りたたんでしまえば、コンパクトサイズになることから、非常持ち出し袋に入れても、それほど邪魔にはならないはずです。

収納

さらに、容器を注意深くチェックしてみると、素材はすべて厚労省認可の食品包装用ポリエチレンを使用しており、その素材はちょっとやそっとで破けてしまうような薄っぺらいものではなく、十分な厚み(約0.15mm)をもたせてあるので耐久性はそこそこあります。

※補足:袋の厚さに関しては、4リットル用よりも、6・10リットル用の方が厚み(約0.2mm)があり、より耐久性に優れている。

容器の上部にある握り部分には、プラスチック製の持ち手を付けることで強度を上げており、容器の注入(排出)口の方も、特殊仕様のこぼれにくい口を採用しているため、特にジッパーなどは見当たりません。

特徴や使用方法

一方、容器の裏面には商品の特徴や使用方法、使用上の注意点などの基本情報が簡潔に記載されているので、飲料水袋を初めて使用するような人は、一度目を通しておくことをお勧めします。


矢印

日本製袋鰍フ非常用飲料水袋を使ってみた感想と問題点

それでは、さっそく飲料水袋を実際に使ってみることにしましょう!

先ほども述べたように、当商品はジッパー入らずの特殊な注入口を採用しているため、単純に袋の口を両手でパカッと開いて、蛇口から水を注ぐというわけにはいきません(指で注入口を広げて、蛇口からゆっくり注ぐこともできなくはありませんが、貴重な水がこぼれてしまう可能性大!)。

給水方法

したがって、基本は上記画像のように、ホースやパイプ状の道具を注入口に差し込んでから蛇口をひねって注ぐことになります。

というわけで、さっそくホースを挿入し、袋の中に水を注いでみました。

給水

前項の容器チェックで画像をアップしましたが、袋には水を入れていい限界ライン(点線)が引かれているので、注入する水量は、そのラインを守るようにしましょう。

ちなみに、ラインを無視して袋がパンパンになるまで目一杯注ぎ続けると、いったいどうなるのか・・・?

結論から言ってしまうと、想像通り、注入口から水が溢れだすのはもちろん、特殊な注入口が開きにくくなってしまうため、水を出すのにもやや手こずるといった別の問題点が出てくるので、注水ラインはできるだけ守った方が良さそうです。(ただし、ある程度溢れだした後は口が自然と閉まるため、4リットル以上注入すること自体は不可能ではない)。

さて、話を戻しますが、ライン上(4リットル)まで水を注いだ飲料水袋がこちらになります。

注水後の飲料水袋

ご覧のとおり、袋を寝かせて置いていますが、ジッパーなどはなくても、特に注入口から水がこぼれてくるということもなく、口はしっかりと閉じたままです。

さらに、実験を続け、袋の上から圧をかけてみたり、持ち上げて逆さにしてみたりもしましたが、注入口から水が飛び出してくるようなことは一切なく、ちょっとした衝撃くらいなら水漏れの心配は全くなさそうです。

実験

しかし、水を注いで飲料水袋を実際に手に持つことで、ひとつ気付いたことがあります。

それは、手が痛い!

先ほど握りの部分にプラスチック製の持ち手を付けることで補強してあると説明しましたが、袋に水の重さが加わると、それまで気にならなかったプラスチックの堅さが手に食い込んでくるため、しばらく持ち続けると手の関節部に痛みを感じるようになるのです。

したがって、短時間ならまだしも、水を入れた状態で長時間持ち運びするような場合は、グリップを直に手で持つよりも、タオルやハンカチを巻く(軍手をするのも良さそう…)などしてから持つことをお勧めします(または、リュック型の飲料水袋を使おう!)。

問題点

では今度は、容器に注いだ水を排出してみましょう。

何度も言うように、日本製袋鰍フ飲料水袋は特殊な注入(排出)口を採用しているため、容器をただ傾けるだけでは注入口から水が出てくることはありません。

したがって、水を出すには、注入口に箸やスプーンなどの細長い棒を差し込み、空気の通り道を作る必要があります。

水の出し方

ちなみに、道具を一切使わなくても水が出るかどうか試してみたたところ、ご覧のように出るには出ますが、慎重に注がないと口が自然と閉じてしまうので、やはりスティック状のものを差し込んでしまった方が安定感があり安心です。

しかし、道具を使おうか使うまいが、口の大きな器には注ぎやすいものの、小さめのコップなどに注ぐのはコツがいるので、こぼしてしまうことも十分に考えられます。

そういう意味では、この飲料水袋は持ち運びには便利ですが、出し方にもうひと工夫欲しいところかもしれません。

とはいえ、保管に場所をとらない携帯性に優れた防災グッズであることには変わりないので、多少、欠点も見られますが、非常時に飲料水確保に役立つ防災グッズとしては、十分役立つ検討の価値ある商品と言えそうです。