アマノフーズのにゅうめん(まろやか鶏だし)を食べてみよう!
アルファ米やパンの缶詰ほど種類は多くはないものの、麺類系の非常食は数年前に比べると確実に増えています。
当食レポでも、麺類系のカテゴリーを設けて紹介していますが、基本的に長期保存可能な麺類系非常食は〝お湯〟の使用が条件となっている商品が目立ちます。
ところが、今回、試食する
アマノフーズの
にゅうめんは、熱湯はもちろん、水でも調理することが可能なようです。
過去に常温でも食べられることをウリにした麺類を口にしたこともありますが、散々な結果に終わってしまったため、アマノフーズの麺類は本当に水で調理しても美味しくいただけるのか、実際に試してみたいと思います。
アマノフーズと言えば、日本を代表するフリーズドライ食品のトップブランドであり、当食レポでも
豚汁【食レポ44】、
かに雑炊【食レポ68】、
ほうれん草のみそ汁【食レポ83】を取りあげてきましたが、麺類系の長期保存食も開発していたようです。
その商品がこちら!
うどんではなく〝
にゅうめん〟を持ってくるあたりが粋ですが、試食する前に、まずはパッケージチェックをしておきましょう!
アマノフーズがフリーズドライ製法の「にゅうめん」を発売したのは、2010年2月のことで、「にゅうめん」シリーズは、その後、同社の人気シリーズとなっていますが、いつの間にか非常用保存食として商品化されていました。
※豆知識:にゅうめんとは、素麺(そうめん)を温かく調理したもの(つまり、素麺との違いは調理方法)。ちなみに、うどんと素麺の大きな違いは、JAS規格によって定められた麺の太さにある(うどん:直径1.7mm以上
/ 素麺:直径1.7mm未満(機械製麺では直径1.3mm未満))。
フリーズドライ食品ということもあって、とても軽く、総重量はたったの24g、サイズ(縦:13.5cm × 横:10cm × 厚み:3.5cm)もコンパクトなので、携帯に便利な非常食となっています。
同商品で特に注目したいのは、水で調理ができるという点です。
災害時の状況によっては、お湯を用意することができないケースも十分考えられるため、水さえあれば、状況に左右されずに食べることができる同商品は、まさにうってつけの麺類系備蓄食といえるのではないでしょうか(後は味しだい…)。 |
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パッケージ裏面には、原材料や調理方法、栄養成分表、賞味期限(製造日から常温で約5年間)といった商品に関する基本情報が記載されていますが、1食分当たりのエネルギーは、たったの57kcalなので、ダイエット食としても利用できそうです。
パッケージを開封すると、フリーズドライ製法によって圧縮されたブロックが納まったプラスチック製のトレー(薄手でペコペコと凹むため、衝撃には弱い…)が1つ入っており、袋の内側には脱酸素剤が貼り付けられています。
固形物のサイズは、7cm(縦)×6cm(横)×2.5cm(厚み)程で、重さは15gとなっています。
フリーズドライ食品は食材の水分を昇華させ乾燥させたものなので、瑞々しさはなく、カサカサに乾燥した軽石のような見てくれですが、ブロックを裏返す、この塊がみそ汁ではなく麺類であることが一目で分かります。
同商品は〝にゅうめん〟なので、本来は熱湯を注いで温かく調理すべきところですが、冒頭でも述べたように、今回はお湯が用意できない状況を想定して、水で調理してみたいと思います。
というわけで、パッケージに書かれている指示に従い、計量カップで計った水(180ml)を注いだ直後の画像がこちらになります。
さらに、ブロックを箸で崩す過程の画像をアップしておきますが、ご覧のように水でも難なくほぐすことができました。
お椀に水を注いでから、食べられる状態になるまでの調理時間は、わずか1分!
ブロック状の塊であったことが嘘のように、お椀の中には、にゅうめんとしか思えないような麺類が出来上がっています。
それでは、さっそく試食してみたいと思いますが、参考までに、調理後のにゅうめんのアップ画像を載せておくので、雰囲気だけでも感じてください。
お湯で調理するならまだしも、水を注ぎ軽くほぐすだけで、あっという間に完成してしまうアマノフーズのフリーズドライ加工技術には頭が下がる思いです。
どこからどう見ても、鍋で茹でたような素麺にしかみえません。
では、肝心の味や食感の方はどうなのか・・・?
さっそく食べてみましょう!
非常用保存食の『にゅうめん(まろやか鶏だし)』には、メインとなる素麺の他に、卵(かきたま)、鶏肉、ぶなしめじ、みずなの4種類の具材が入っています。
それぞれの具材の味や食感について、個人的な感想をまとめておきます。
鶏卵 |
良くも悪くも普通のかきたま。素麺の量に対して特に量が少ないという感じはしない。 |
鶏肉 |
ささみ系の肉を使っているのか、肉自体は柔らかいが、ややパサつき感があり、量もあまり多くはない。 |
ぶなしめじ |
煮崩れしてしまっているものが目立ち、食感もいまひとつ。 |
みずな |
彩りを添えという点では、ないよりあった方が良いが、水菜特有のシャキシャキ感はない。 |
汁自体は、比較的、しっかりと味が付いており、個人的にはもう少し甘めの味付け(水は180mlよりも少し多めにしても良さそう…味は好みで調節して下さい)でも良いような気もしましたが、あっさりとした和風ダシで、定食屋というよりも料亭で出されるような上品な味わいに仕上がっています(あまり、まろやかさは感じませんでしたが・・・熱湯で調理していたら、少し違った感想を持ったかもしれません)。
一方、メインのにゅうめんは、これが本当に水で戻しただけの素麺?と疑ってしまうほどの再現力で、麺の長さもブチブチと切れることなく、文句なしの長さを維持しています。
さすがに茹でたものに比べれば、コシは弱く、喉元を過ぎる滑らかさがいまひとつですが、水を注いで1分ほどで完成してしまうにゅうめんという点を考慮すると、十分満足のいく素麺に思えます。
アマノフーズのフリーズドライ食品は、これまで3品ほど紹介していますが、どれも美味しい!
ただ、欠点を挙げるとするなら量が少ない!という点でしょうか。
みそ汁系の商品に関しては適量ですが、主食となりそうな商品に関しては、とにかく1食分の量が少ないため、大人はもちろん、子供でも量に不満を持ってしまうのではないでしょうか(できれば、大盛りタイプも商品化してほしいところ…)。
その点に目を瞑れば、水でも調理できてしまう『にゅうめん(まろやか鶏だし)』は、個人的にはおススメの非常食なので、麺類好きの方には、ぜひ一度試食してみてほしいところです。 |
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2017.2.21 掲載
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