備蓄保存食用の『加工黒砂糖』を食べてみよう!
人は疲れを感じると、無性に甘いものが欲しくなる衝動に駆られることがありますが、これは脳がエネルギーとなる糖分を求めているからです。
甘いものに含まれるブドウ糖には、一時的とはいえ、疲れやストレスを忘れさせてくれる効果があり、手軽にエネルギー補給できる糖分を多く含んだ飴やチョコレートなどの菓子類は非常食としても重宝しますが、そんな定番の甘いおやつ以外にも選択肢はあるという意味も込めて、今回は備蓄用食品として商品化された〝
黒砂糖〟を試食してみたいと思います。
黒砂糖のような食品は主食にはなりませんが、時や場所を選ばず、いつでもどこでも手軽にカロリー摂取ができる食べ物なので、飴やチョコレート以外にサッと糖分補給できるオヤツ感覚の備蓄食品を探しているという方は少し参考にしてみてください。
今回、試食する『加工黒砂糖』は、静岡県藤枝市にある株式会社 甘信堂製菓が販売する商品で、1964年の創業以来、昔ながらの飴の味や手作り製法にこだわってきた〝
飴一筋50年〟の加工食品メーカーとして、昔懐かしい素朴な味わいが楽しめる飴を今も変わらず作り続けています。
今回は保存食として商品化された『加工黒砂糖』にスポットを当てていますが、甘信堂製菓は、他にもべっこう飴やニッキ飴、たんきり飴はもちろん、様々な飴を販売しているので、この種の飴が好物だという方は、一度、
公式サイトなどを覘いてみてはいかがでしょうか。
それでは、製造元情報はこのくらいにして、本題に入りましょう!
甘信堂製菓が販売する保存食用『加工黒砂糖』の現物がこちらになります。
黒砂糖ということで、ダークブラウン系の色を基調としたパッケージに仕上がっており、当食レポでも度々登場する尾西やサタケなどのメジャーなアルファ米商品【
食レポ40】と、ほぼ同タイプのスタンドパック式の袋を用いているようです。
一方、パッケージ裏面には栄養成分表や原材料、保存方法や賞味期限(3年間)などに関する基本情報が一通り記載されていますが、栄養成分表の見方には少し注意が必要です。
というのも、パッケージに表示されている情報は100g当たりの数値なので、1袋当たり内容量を示しているわけではないからです。
同商品は、1袋110g(袋の重さ込みの総重量は123g)となっていることから、1袋あたりの栄養成分は表示されている数値よりも若干高いということになります。
このような表示の仕方の非常食は他メーカーでも見られますが、非常に紛らわしいので、できれば1袋当たりの数値の記載を希望したいところです。
ところで、あなたは、なぜ同商品が〝黒砂糖〟ではなく〝
加工黒砂糖〟と名乗っているのかご存じでしょうか?
非常食の評価とはあまり関係のない話になりますが、せっかくなので少し触れておきましょう。
そもそも、黒砂糖(黒糖)
※とは、サトウキビのしぼり汁を煮詰めて、冷やし固めて作る固形(あるいは粉末状)の砂糖のことですが、今までは粗糖(ザラメ)や水あめなどをブレンドした商品も黒糖として販売されていたため、これらの表示を改めるルールが、消費者庁より出され、平成24年4月からスタートすることになりました。
※ 消費者庁は平成23年3月、黒糖と黒砂糖が同義である旨を明確にしています。
そのため、現在は黒糖は使っているものの、原材料に
さとうきび以外のものを使用している場合は、商品名に加工黒糖(加工黒砂糖)と表示しなければならなくなったのです。
今回、取り上げている甘信堂製菓の黒砂糖も黒糖は使っているようですが、原材料名欄に原料糖(粗糖のこと)や糖蜜などの名前も確認できることから、黒砂糖と名乗ることができないため、〝加工〟という言葉がプラスされているというわけです。
少し話が逸れてしまいましたが、パッケージチェックはこのくらいにして、中身の方を拝見してみることにしましょう!
開封直後の袋中はこのような感じになっており、微かに黒砂糖特有の香ばしいニオイが香ってきます。
なお、袋の上部左右には切り込みの入った切り口があるので、ハサミなどの鋭利な刃物が手元になくても心配いりません。
ご覧のとおり、黒砂糖は1粒1粒
個包装なので、一度に食べきる必要もなく、また、開封後は分散して携帯することもできるので、この点は非常に使い勝手の良い便利さがあります。
ちなみに、1袋当たり
21粒の黒糖が入っており、小袋の重さが5gを示していることから、1粒当たりのカロリーは約18kcalということになりそうです。
それでは、さっそく『加工黒砂糖』を食べてみましょう!
小袋から取り出した固形物は、約2センチ四方、厚さ1センチほどの大きさで、特にこれといって特質すべきところもなければ、匂いの方も、極々普通の黒砂糖特有の香ばしい香りのする砂糖としか表現のしようがありません。
また、見た目以上に硬いので、手で割るという行為は少し難しいかもしれません(画像はゴムハンマーで砕いたもの)。
では、肝心の味の方はどうか・・・
私は特に黒砂糖が大好物というわけではないので、他メーカーの商品と食べ比べたこともなく、その違いはよくわかりませんが、いい意味で普通、想像通りの味と風味で、期待を裏切ることはない黒砂糖ように思われます。
口に入れた瞬間は硬く、ザラっとした舌触りの飴感覚の固形物ですが、黒糖の香ばしさを感じつつ、特有のまろやかな甘さとコクが口の中に広がっていくため、
徐々に唾液の分泌を促してくれます。
また、しばらく舐め続けていると、歯で噛み砕ける程度の柔らかさに変わってくるので、そのまま最後まで舌で転がし続け飴のように舐めるのもよし、あるいは、しばらく舐め転がしたら噛み砕いて呑み込んでしまうのもよし!
2通りの食べ方で楽しむことができるでしょう。
今回、取り上げた黒砂糖は、一時的に空腹感を紛らせたり、リラックス効果が得られる程度の食品なので、正直、それほどおススメはしませんが、長期間避難生活が続き、ストレスや疲労で食欲がないときや口寂しい時などに、オヤツとして口にするような非常食としては役立つこともあるかもしれません。
ちなみに、甘信堂製菓では『加工黒砂糖』の他にも、常温で5年保存可能な『氷砂糖』も販売しているので、どちらかというと黒砂糖よりも氷砂糖の方が好きだという方は、より賞味期限の長い『氷砂糖』の備蓄を検討してみてはいかがでしょうか。 |
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- 想像以上でも以下でもない、極々普通の黒砂糖の味と風味に仕上がっている!
- 1粒1粒、個包装になっているため、開封後は分散して携帯することもできる!
- 高齢者などの唾液の分泌を促す非常食として役立つことも・・・
2016.1.13 掲載
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