非常食レポ:第53回
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非常食:リッツ保存缶を食べてみよう!

ヤマザキナビスコといえば、日本を代表するお菓子メーカーですが、そんな大手菓子メーカー災害時用の非常食として発売した商品がこちらのリッツ保存缶です。

リッツといえば、おそらく誰もが一度は口にしたことがあるナビスコのロングセラー商品なので、クラッカーの味については、私が語るまでもありませんが、非常食向けに作られたリッツ缶となると、購入したことがないという人も多いのではないでしょうか。

そこで、長期保存可能なリッツ缶の中身はいったいどうなっているのか・・・

実際にフタを開けて食べてみたいと思います。

※注意:ブランドライセンス契約終了に伴い、商品販売元のヤマザキナビスコは、リッツ保存缶の製造を終了しました(非常に残念!)。そのため、リッツ保存缶は商品が無くなり次第、購入できなくなりますが、その代わりに『ルヴァン』という保存缶を発売しました。



ナビスコのリッツ保存缶とは?

ナビスコのリッツ保存缶にはLサイズとSサイズがありますが、私が手に持っているのはLサイズの方で、約3年程前に近隣のホームセンターで購入しておいたものです。
リッツ保存缶L
缶底の賞味期限を確認してみたところ、今月でちょうど丸3年を迎え、まだ後2年ほど余裕がありますが、3年寝かせたリッツが今現在どうなっているのか、思い切って開けてみることにします。

※ リッツ保存缶の賞味期限は製造日から5年間

さて、この災害時用のリッツ缶ですが、Lサイズだけあって、結構デカい!そして重い!(総重量は約700g)

側面のラベルには、85gの入りの小袋が5パック、そして、長期保存のために脱酸素剤を入れているという記載がありますが、原材料に関しては、どうやら通常タイプの商品と変わりないようです。
リッツ缶のラベル情報
一方、缶上部を見ると、プラスチック製のクリアキャップが付いているので、一度に食べきれなかったリッツを保管することができる配慮がなされています。

リッツ缶のフタまた、災害時用の非常食ということで、クリアキャップを外すと「防災のしおり」と書かれた紙がフタの上に置かれていますが、内容はどれも常識的なもので、「なるほど!」と思わせるような事項ほひつともありません(個人的には災害伝言ダイヤル等を載せた方が有難いような気もしますが…)。

とはいえ、ナビスコさんがせっかく用意してくれたしおりなので、一度くらい目を通しておいても損はありません。

参考までに防災のしおりに書かれている内容をアップしておくので、見づらい部分もありますが、関心のある方はお読みください。
防災のしおり
これでとりあえず、リッツ缶の外観については一通り説明し終えたので、いよいよ缶開です。

ご覧のとおり、プルトップ式のフタなので、缶切りなどの道具は一切必要ありません。

プルトップに指を引っ掛けて引っ張ると、僅かに開いた隙間からカサカサという音が聞こえてきます。
開缶
恐らく、脱気し、密封状態にあった内部に空気が入り込んだことで、缶内の気圧が変わり、小袋のアルミパックが反応したのではないかと思われます。

さらに、フタを引っ張り上げると、アルミに包まれた小袋が5パック、縦に詰め込まれています。

折角なので、いったん小袋をすべて取り出そうとしましたが、見た目以上にぎっちりと詰め込んであるらしく、最初の1袋を取り出すのに難儀します。

どうにかこうにか取り出せた内容物がこちら!
小袋と脱酸素剤
アルミ袋に包まれたリッツの小袋が計5パック入っています。

ちなみに、脱酸素剤は見落としがちですが、缶底に敷かれた厚紙のさらに下に置かれていました(この厚紙にはどういう意味があるのだろう…)。

さて、意外と気付かないことですが、この非常食用に作られたリッツ缶に入っているアルミ袋には、通常タイプのリッツには見られないある特徴が見られます。

それは、アルミ袋に小さな穴が、わざと開けてあるということです。

そういえば、前に紹介したバランスパワー6YEARS【食レポ31】を食べた時にも内袋に穴が開いていましたが、これは、どうやら脱酸素剤の効果を高めるための処理らしいので、穴が開いていても不良品というわけではありません(この点は缶容器に記載されている取扱上の注意にもしっかりと書かれています)。

したがって、内袋に穴が開いているじゃないか!とナビスコにクレームを付けるのだけは止めておきましょう。
内袋の穴




リッツ缶を食べてみた感想と非常食としての評価

冒頭でも言いましたが、誰もが知っているリッツの味を今さら私がああだこうだ感想を述べたところで、誰も興味がないはずです。

しかし、今回、紹介したリッツ缶は、部屋の片隅(というかクローゼットの奥)で3年ほどほったらかしにしておいたものので、もしかしたら、味や食感が変化しているかもしれません(ちなみに、通常タイプのリッツの賞味期限は約1年)。

というわけで、3年寝かせたリッツは美味しくいただけるのか・・・?

実際に食べてみましょう!

こちらが、リッツ缶に入っていたリッツクラッカーです。

リッツの枚数1パック85gとの記載はありますが、1袋の枚数は特に書かれていなかったため、小袋を縦に切り裂き、枚数を数えてみたところ26枚ほど入っていました(ということは、Lサイズ1缶あたりの枚数は計130枚?)。

さっそく1枚手に取り確認してみましたが、見た目は通常タイプのリッツクラッカーと変わりなさそうで、色やにおいに関しても特に違和感はありません。

では、味や食感の方はどうか?

―――――――――― 異常なし!

いたって普通のリッツです。
リッツクラッカー
特に酸化して味が変だとか、油っぽさが気になるといったことはなく、サクサクッとした食感も今まで食べてきた通常タイプのリッツクラッカーと変わりないように思え、私的には十分美味しくいただくことができました。

夏場は非常に温度が上がるクローゼットにほったらかしにしておいたにもかかわらず、約3年もの間、味や食感が変わることなく保管できる「リッツ保存缶」は、たいしたものです。

味については、皆さんもご存じのようにロングセラーらしい安定感のある美味しいクラッカーなので、これは非常食におススメできる一品です。

ただし、手放しで絶賛できる長期保存食というわけではありません。

非常食としての観点から見ると、個人的には次の2点が気になったので、このリッツ保存缶を非常食として備蓄するかどうかは、この点が判断の分かれ目になるような気がします。

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