非常食レポ:第75回
アルファ米パンの缶詰麺類とパスタおかず系汁物・スープおやつ・スイーツその他

非常用ラスク缶を食べてみよう!

今回は缶詰タイプの長期保存食を試食してみたいと思いますが、当食レポで、これまでたびたび登場しているお馴染みのパン缶でもなければ、カンパンやビスケットでもなく、非常食としては少し珍しい〝ラスク〟です。

楽寿久非常時に、わざわざラスクを求めなくても・・・

という声も聞こえてきそうですが、毎回、同じような食料を食べ続けるというのもメリハリがなく、どうしても飽きてしまい、食が進まないということもあるでしょう。

避難生活が長期化した場合、楽しみといえば食事くらいだったというアンケート調査もあるくらいなので、むしろバリエーションが豊富なことを歓迎し、少しでも自分好みの食料を備蓄しておくというのもよいかもしれません。




非常用ラスク缶:『楽寿久』とは?

冒頭でも述べたように、今回、取り上げる非常食は、こちらのラスク缶です。

『楽寿久』と書いて〝ラスク〟と読ませるネーミングに、なんとなくセンスの良さ(?)を感じますが、製造者は愛知県で焼菓子の製造販売をしている洋菓子メーカーどらどら(創業は1995年)という株式会社です。

同社は密封性に優れた缶詰容器を利用して、長期保存可能なラスク缶を製造販売しましたが、ラスクという今までありそうでなかった珍しい長期保存食に魅力を感じた方が多いのか、思いのほか売れ行きは好調のようです。

しかし、購入者は、あくまで備蓄用に購入しているらしく、レビュー欄をチェックしてみても、そこには実際に食べたことはないというコメントが目立ち、肝心の味についての感想はあまり見られません。

では、気になる味の方はどうなのか・・・!?

さっそく食べてみましょう!と行きたいところですが、まずは恒例のパッケージチェックから始めていきます。
缶詰容器
缶詰の形状やサイズは、パン缶(アキモト、ボローニャなど)やカンパン(三立、ブルボンなど)などの容器とほぼ同じで、缶ブタも缶切り入らずのプルトップ式を採用しています。

容器側面には原材料名や保存方法、栄養成分表、取扱上の注意点、缶底には賞味期限(いつの間にか、商品改良されていたらしく、3年から5年に延長!)などの基本情報について一通り記載されていますが、ひとつ気になった点は栄養成分表示です。

というのも、ラベルには100g当りの数値が記載されていますが、実はこのラスク缶の1缶当りの内容量は50gなのです。

つまり、1缶当りの栄養成分はラベルに記載されている数値の半分(522kcalではなく、261kcal)になるので、その点は少し紛らわしく、表示内容を変えた方がいいのではないかと個人的には思ってしまいます。

また、欲をいうと、できればラスク缶には食べ残しの保存ができるようなフタ(キャップ)を付けてほしいところです。

以前、食レポでも紹介したことがある一部のカンパン【食レポ19】やパン缶【食レポ14】には、プラスチック製の保存キャップが付属しており、非常にきめ細かい配慮がされているなぁ~と感心したものですが、できれば同商品にも保存キャップが付いていると、小分けに食べる時に重宝するような気がします。
楽寿久1
ラスク缶『楽寿久』の総重量は134g(内容量は50g)。

開封方法はパン缶などと同じで、プルトップに指を引っ掛けて引き上げれば簡単に開けることができます。

せっかくなので、一度、ラスクを全部取り出し、積み重ねてみましたが、その高さは約9cmだったことから、計算上、1枚あたりの厚さは約9mmということになりそうです。
楽寿久2
私の保管方法が悪かったのか、それとも、配送途中の衝撃に耐えられなかったのかは定かではありませんが、ご覧のとおり、10枚中5枚のラスクが既に割れていました・・・

ものがものなので、欠けていても特に支障はありませんが、あまり粉々に砕け散ってしまっても食べにくくなってしまうので、持ち運ぶ際は、できるだけ衝撃を与えないように取扱うことをおススメします(シェイクするなど、もってのほか!)。

また、厚みについては、どのラスクも約9mmということでほぼ変わりありませんが、ご覧のとおり、直径については個々でサイズが異なります。

そのため、一概に直径●●cmということはできませんが、概ね直径5~7cmの間といったところでしょうか。






㈱どらどらのラスク缶:『楽寿久』を食べてみた感想と評価

それでは、気になる『楽寿久』の味や食感について、チェックしてみましょう!
楽寿久3
缶詰を開封した直後から感じていましたが、バターの香りがふんわりと広がり、非常食缶などによく見られるような独特のアルコール臭などは感じられず、フランスパンのほのかな香ばしさといい、匂いに関しては他の一般的なラスクと比べても遜色ないような気がします。

では、味や食感の方はどうか・・・?
楽寿久4
表面にグラニュー糖がまぶしてあるため、甘いことは甘いものの、上品な甘さと言えば良いのか、バターの風味やコクに加え、ほんのりと感じる塩気が甘さを引き立てており、必要以上に甘すぎないプレーン味のラスクに仕上がっています。

また、なんといっても歯触りが私好みで、硬すぎず、それでいて柔らかすぎない絶妙な硬さを維持しているため、ラスクで口の中を切ることもなく、安心してラスク特有のあのザクザクとした食感が楽しめるのも、個人的には有難い(私はラスクを食べると、十中八九、口の中を切ります…)!

※補足:味は好みもあるので、なんとも評価しづらい面がありますが、食感に関しては、ガトーフェスタ・ハラダの『グーテ・デ・ロワ』や東京ラスクの『シュガーラスク』よりも、食べやすいソフトな硬さに仕上がっているような気がします。

食べ始める前は、失礼ながら、所詮、非常用ラスクと軽視していた面もありますが、実際に試食してみると、この『楽寿久』のラスク缶は、下手な市販ラスクよりも味や食感、香りすべてにおいてバランスが良く、価格(500円)さえ安ければ、普段のおやつとして食べたいくらい美味しいラスクに思えます(もちろん、個人的な感想ですが…)。

非常に口当たりがよく、軽い食感なので、主食としては物足りなさを感じてしまいますが、子供の間食や疲れを癒すためのちょっとした当分補給につまむ程度には、役立ちそうな非常食ではないでしょうか。

ラスク好きなら、一度、試食してみることをおススメします。

完食

2015.11.7 掲載twitter


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