非常食の試食レポ目的でパンの缶詰を食べるのはレーズン味【食レポ3】に続き2度目ですが、今日もアキモトのパン缶で行きましょう。
ただし、今回試食するのは、備蓄食シリーズではなく、人気定番商品シリーズの方です。
前にも忠告しましたが、アキモトが製造販売しているパンの缶詰は、シリーズによって賞味期限が大きく異なってきます。
したがって、保存期間を優先するのか、それとも味を優先するのか?
備蓄する非常食は自分の目的に合わせて選ぶようにして下さい。
アキモトのパンの缶詰、人気定番商品シリーズには、メイプル味をはじめ、ミルククリーム味、チョコクリーム味、粒々いちご味、はちみつレモン味の5種類(2014年6月現在)ありますが、今回、私が試食することにしたのは、こちら!
チョコクリーム味です。
チョコクリームと言うだけあって、カロリーは少し高め(347キロカロリー)ですが、チョコレートは幅広い層に人気がある甘味なので、ここは最も需要のありそうな味を選ばせていただきました。
では、缶詰を開ける前に、まずは容器の方からサクッとチェックしていきましょう。
賞味期限の記載場所や缶の開け方、内容量(100g)などは、どれも備蓄食シリーズと一緒ですが、缶側面のラベルに書かれている内容に大きな違いが見られます。
※補足:アキモトのパン缶ラベルはリニューアルしました。
備蓄食シリーズには「災害用伝言ダイヤル」に関する利用方法が記載されており、3年間という長期保存可能なパンの缶詰であることから、災害時用の非常食としての利用を強く意識した内容になっています。
一方、人気定番商品シリーズには「災害用伝言ダイヤル」に関する記載は一切なく、食べ方のアレンジについての説明があり、災害よりも味を意識したパンの缶詰といった印象を受けます。
では、さっそく缶詰を開けてみることにしましょう。
開缶すると、中身は下記写真のように薄紙に包まれた状態のパンが見えます。
匂いに関しては、開缶と同時にパンの香ばしいいい匂いがしてきた・・・と言いたいところですが、実際は鼻を近づけるとチョコの甘い香りがする程度といったところです。
パンと缶詰との間には隙間がないので、逆さにしただけではパンを取り出すことはできないため、薄紙を指でつまんで引っ張り出すことになりますが、この薄紙は見た目以上に丈夫なので、多少、強引に引っ張っても破れることはなさそうです。
さて、薄紙を引っ張ると側面と底面を薄紙でしっかりと包まれたパンが出てきましたが、前回の備蓄食シリーズと同様、やはりこの薄紙を剥がすのに苦労します。
つまり、薄紙がパンにピッタリと貼りついているので、どんなにゆっくり慎重に剥がそうとしても、パンの表面が薄紙にむしり取られて、どうしても綺麗に剥がすことができません・・・
そのため、写真のように見た目が少し残念な姿になってしまい、あまり美しくない!
もし、今後、この薄紙がうまく剥がれるような改良が加えられたら、アキモトのパンの缶詰は見た目にもおいしそうなパンになるのではないでしょうか。
とはいえ、パン生地に練りこんであるチョコレートがマーブル状の模様を描き出しており、どの部分を食べてもチョコの味がしそうです。
では、さっそくいただきましょう。
こうして見ると、外見は重量感のある腹持ちのよさそうな印象を受けますが、アキモトのパンの缶詰は基本的にソフトパンなので、スライスしてみると、その断面図は下記画像のように気泡が多く、軽いパンであることがよくわかります。
パンの外側はしっとりとしていますが、中身は適度に弾力があり、柔らかく口に入れるとややパサツキ感はあるものの、飲み物がないと飲み込めないというほどではありません。
また、口に入れると、程よいチョコクリームの甘みが広がり、風味も鼻に抜けますが、ほのかな甘みなので強烈なあまっとろさはなく、比較的、あっさりとしています。
このチョコクリーム味は牛乳との相性も良さそうです。
市販の菓子パンとほぼ遜色ない仕上がりなので、このクオリティで1年間保存できるのであれば大したものです。
ただ一点気になったのは、パンの上部の焼き色は非常においしそうに見えるのですが、食感が少し硬め(押しつぶされてギュッとしまったような食感)で、フカフカ感がなかったことでしょうか。
この部分が少し気になりましたが、総合的に見ると、個人的にはアキモトのパンの缶詰:人気定番商品シリーズのチョコクリーム味は、備蓄食シリーズよりもおいしいというのが正直な感想です。
ただし、カロリーはそこそこあるものの、そのカロリーをあまり感じさせないので、どちうらかというとおやつ感覚で食べる非常食として役立ちそうです。
アキモトのパンの缶詰:人気定番商品シリーズのチョコクリーム味は、実際に食べてみると確かにおいしいことがよく分かりました。
しかし、このパン缶シリーズの目的が、少々中途半端に思えるのは私だけでしょうか。
というのは、確かにパン自体は美味しく、クオリティーは高いのですが、それはあくまでコンビニの菓子パンレベルの話だということです。
ところが、価格面で比較すると、パンの缶詰の方が圧倒的に高い(メーカー希望小売価格420円/1缶)!
アキモトのパンの缶詰人気定番商品シリーズは、コンビニなどの菓子パンに比べれば、確かに長期保存できるという利点がありますが、その期間は13ヵ月であり、非常食としてみると、決して長い期間保存できるわけではありません。
したがって、長期保存目的でパンの缶詰を購入するのであれば、多少味は劣るものの、3年間保存可能な備蓄食シリーズをチョイスした方が賢い選択のような気がしないでもありません。
つまり、人気定番商品シリーズは味は良いが、コンビニなどの菓子パンに比べると価格が高過ぎる…
かといって、非常食として保存するには賞味期限が少し短い…
この点を考慮すると、人気定番商品シリーズは、たとえば、毎年、防災の日(9/1)に非常食を見直し、定期的に買い換えているような人にはお勧めできますが、毎年非常食を見直すのは面倒だから、できるだけ長期保存できる食料の方がよいと考えている方には、味は良くともあまりお勧めできないので、そういう方には備蓄食シリーズの方をお勧めします。
アキモトのパンの缶詰チョコクリーム味は、そのままでも十分おいしいのですが、温めると焼きたての風味が増してさらにおいしい!との意見もあるので、電子レンジを使って実際に試してみることにしました。
最後に、その結果について少しまとめておきます。
電子レンジで温めた場合 |
・風味は思ったほど感じられない… ・モチモチ感とフカフカ感は確かにアップする! アドバイス:温め過ぎると柔らかくなりすぎるため、レンジでチンする場合は、5〜10秒毎に様子を見ながら、好みの柔らかさを見極めた方がよい! |
オーブンで焼いてみた場合 |
・サクサク、カリカリ感が際立つ! アドバイス:丸ごと焼くよりも、ナイフで適当な厚さにスライスしてから焼いた方が食べやすく、サクサク感も最後まで楽しめる。 |
実際に温めてみると、モチモチ感やサクサク感が際立つため、常温とはまた違った食感が楽しめ、これはこれでおいしいと思います。
災害時には、電子レンジなどが使えないことも考えられますが、賞味期限が近づき、非常食を買い換えるために消費しなければならないようなときは、食べ方をいろいろとアレンジしてみるのもよさそうです。