今回はパンの缶詰で有名な会社、パン・アキモトのおいしい備蓄食シリーズを試食します。
アキモトのパン缶:美味しい備蓄食シリーズは、レーズン味にストロベリー味、そしてオレンジ味の3種類のフレーバーがありますが、レーズン味は【食レポB】で紹介しているので、今日はストロベリー味をチョイスしてみました。
ちなみに、とちおとめの産地である栃木県にパン・アキモトの本社(那須塩原市)があるせいか、ストロベリー味は比較的人気の高いフレーバーらしいものの、パン・アキモトの相談窓口に直接問い合わせて確認してみたところでは、どうやらパン缶に地元のとちおとめは使用していないそうです。
※ 補足:問い合わせついでに、人気フレーバーも聞いてみました。備蓄食シリーズで最も売れるのはオレンジ味、一方、人気定番商品シリーズで一番売れるのはチョコクリームだそうです。(2014.3月現在)
パン缶のストロベリー味は、今までありそうでなかった意外と珍しいフレーバーなので、アキモトが手掛けるストロベリー味の缶入りソフトパンは果たしてどんな味がするのか・・・
さっそくいただいてみましょう!
こちらの赤を基調としたラベルが貼り付けてあるパン缶が、アキモトのおいしい備蓄食シリーズのストロベリー味です。
容器の方は軽量化が図られているらしく、缶詰といっても、見た目以上に軽く(総重量は約160g)携帯にも便利そうですが、その分、強度はそれほど強くないので、側面に力を加えると意外と簡単に凹みます(とはいえ、多少の衝撃には十分耐えられる強度は持っているので、普通に扱う分には特に問題ないかと…)。
さて、アキモトのおいしい備蓄食シリーズは備蓄食≠ニ名の付くシリーズだけあって、特に非常時を意識した作りで、ラベルには災害用伝言ダイヤル情報が思いのほか詳しく記載されています。
※補足:商品リニューアルにより、現在の備蓄食シリーズは、デザインが一新されています。
災害用伝言ダイヤルの番号くらいは知ってるけど、利用方法となるとよく分からないという方もきっといるはずなので、これだけ丁寧に記載されていると有難いものです。
なお、おいしい備蓄食シリーズのストロベリー味のエネルギーは、1缶301kcalなので、シリーズ中では最も低カロリーのフレーバーとなります(といっても、10〜20キロカロリーの違いですが…)。
パン缶の容器に関しては、他には特に目を惹かれるような点は見られないので、さっそく開缶してみましょう。
アキモトのパン缶は缶切り不要のイージーオープン缶なので、プルトップに指を掛けて引き起こせば、誰でも簡単に開缶することができます(市販のシーチキン缶などよりも軽い力でOK!)。
開缶すると薄紙に包まれたパンがギュッと隙間なく納まっていますが、上部の薄紙を軽く広げ、指でつまんで引っ張り上げれば、多少、抵抗はあるものの、下記画像のように薄紙が破れることもなく取り出せるはずです(途中でパンが引っ掛かるようなら、軽く左右に捻りながら持ち上げると取り出しやすい)。
容器から取り出したものがこちらですが、容器にほぼ隙間なく入っているので、パンの大きさは缶詰とほぼ同サイズです。
アキモトのパンは全体がすっぽりと薄紙に包まれているので、まずはこの薄紙を剥がす必要がありますが、薄紙は側面と底面とで分かれているので、底面の薄紙を剥がし忘れないよう気を付けて下さい。
薄紙を剥がした状態の保存パンが、こちらです。
全体的に適度なしっとり感があり(かといって、手がべったりと油っぽくなるわけではない)、イチゴジャムも量こそ控えめながら、バランスよく練り込んであるので、場所によっては下画像のようにイチゴジャムのラインがくっきりと確認できます。
また、よく見ると、イチゴのツブツブも練り込んであるらしく、プチプチとした食感が楽しめそうな、見た目は思った以上にいい意味で普通のストロベリー味の菓子パンといったところでしょうか。
しかし、開缶時にも感じたことですが、匂いに関しては、イチゴ独特のあの甘酸っぱい香りがほとんど感じられず、鼻を近づけると、イチゴの香りよりも、アルコール臭の方がやや気になるような気がしないでもありません。
もちろん、強烈なアルコール臭がするというわけでないので、気にならない方も多いとは思いますが、この手の匂いに敏感な方は、非常食として備蓄する前に必ず一度試食することをお勧めします。
さて、試食する前に感じた素直な感想をまとめてみましたが、実際どんな味がするのか、いよいよ試食タイムです!
さすがにこのままでは食べづらいので、ナイフを使って適当な大きさに切り分けてみました。
その断面図がこちらです。
1つ1つの気泡のサイズこそ、それほど大きくはありませんが、その分、数が多いような気がします。
アキモトのパン缶は、他メーカーのパン缶に比べると、確かに柔らかく手触りの段階でソフト感があります。
では、食べたらどうなのか・・・
さっそくひとくち食べてみましょう。
―――― アルコール臭さえ気にならなければ、コンビニの菓子パンと遜色ないレベルの美味しさです!
アキモトのパン缶は、今回で3度目ですが、やはりアキモトのパンは口当たりがよく、食べやすい。
パン缶全般に感じられるパサツキ感がまったくないわけではありませんが、それを補うしっとり感があるので、口に入れて噛んでいると唾液と混ざり合い、パサツキ感はほとんど気にならなくなります。
乾パンなどに比べれば、この保存パンは大半の方が飲み物が無くても完食できるのではないでしょうか。
ただ食感に関しては1点気になる点があります。
それは、この口当たりのよいソフト感があまり感じられない場所があるということです。
その場所とはパン上部の上から3cm程の部分です。
参考までに画像もアップしておきますが、この部分は上から押し付けられた感じで、見た目からして気泡もほぼ潰れてしまっており、やや硬く、ソフト感がほとんど感じられません。
あまりうまい表現ではありませんが、掌で上下からギュッと押さえつけて圧縮した後に、食べるとこんな食感になるのではないでしょうか。
この点に関しては、前に食べたおいしい備蓄食シリーズ:レーズン味にも同じことが言えます。
一方、あまり期待はしていなかった味と香りについてですが、口に入れるとイチゴの風味と甘さがフワッと広がり、いい香りが鼻に抜けるため、想像以上にストロベリーの味を主張してきます。
また、この甘さがサッパリとした控えめな甘さでありながら、しっかりとイチゴの味を感じさせてくれる点も意外でした。
アルコール臭さえ気にならなければ、このおいしい備蓄食シリーズのストロベリー味はかなりイケます!
ただ、ソフトパンを名乗るだけあって軽すぎるので、食べざかりの子供や大人が食べる量としては、1缶では少し物足りなく感じるのではないでしょうか。
パン缶の食レポでは恒例となった、温めると味はどう変化するか?についてもチェックしてみましょう。
今回のアキモトのパン缶:おいしい備蓄食シリーズのストロベリー味は、オーブントースターを使って温めてみました。
温め後の画像がこちらです。
表面にこんごがりときつね色の焦げ目が付き、いい感じに焼き上がっています。
イチゴの香りに関しては、温める前と同様、それほど甘い香りはしてきませんが、ちぎるときに発するサクサクッとした音が食欲をそそります。
ひとくち食べてみると、表面のサクサク感と中のもっちりとしたソフトな口当たりがなんとも言えず、常温のソフトパンには出せない2層の食感が楽しめるパンに仕上がっています。
また、温めたことで、気のせいかイチゴの甘さも増したように感じられ、食が進みます。
常温のパンもそれなりに美味しいと感じましたが、このおいしい備蓄食シリーズのストロベリー味は、表面がカリッとするまでこんがりと焼いてから食べた方がより美味しさが増すように思われます。
非常時に温めて食べるのは難しいかもしれませんが、無事、何事もなく賞味期限を迎えるアキモトのパン缶が出てきたときは、ぜひ一度、騙されたと思ってトースターで温めてから食べてみることをお勧めします。