今回はアスト株式会社が販売するパンの缶詰(パン缶)を試食してみたいと思います。
同社のパン缶『新・食・缶ベーカリー』は、シリーズ化されており、常温で3〜5年の長期保存が可能ですが、手元にあるミルク味の賞味期限をチェックしてみたところ、2ヵ月前に切れていたことが発覚しました。
年単位での長期保存可能な備蓄食は、私のように気付いたら賞味期限が切れていた・・・なんてことがよくあります。
期限が切れたからといって、すぐに食べられなくなるというものではありませんが、あまり古くなりすぎても、味や風味が落ちたり、保存方法が悪いと、最悪、カビが生えてしまうなどのリスクも考えられるため、できることなら備蓄食は定期的にチェックしたいところです。
『新・食・缶ベーカリー』は、2013年に新発売されたパンの缶詰です。
同商品の販売者にあたるアスト株式会社の公式サイトによると、現在、8種類のフレーバー(2017年8月時点:プレーン、コーヒー、黒糖、オレンジ、イチゴ、ミルク、チョコ、キャラメル)が用意されているようですが、今回は冒頭でも触れたように賞味期限切れのパン缶があるため、ミルク味をチョイスしています。
ちなみに、『新・食・缶ベーカリー』シリーズは、過去に黒糖味を取りあげているので、興味のある方は【食レポ59】も併せてご覧ください。
では、さっそく本題に入りましょう!
まずは、容器&ラベルチェックから・・・
容器(缶詰)サイズや内容量(100g)、プルトップ式の缶ブタ、缶底に記載された賞味期限など、いずれもこれまで私が食べてきた他メーカーのパン缶とほぼ変わりありません。
たた『新・食・缶ベーカリー』シリーズのパン缶を購入する上で、ひとつ気を付けてほしいところは、フレーバーによって賞味期限の長さが異なる点です。
具体的には3年と5年に分かれますが、5年と勘違いして3年モノの商品を注文してしまうと、2年早く賞味期限が来てしまうので注意してください。
賞味期限:3年 | 賞味期限:5年 |
・イチゴ ・ミルク ・チョコ ・キャラメル |
・プレーン ・コーヒー ・黒糖 ・オレンジ |
容器ラベルには、原材料名やアレルギー物質、栄養成分表、注意点など、商品に関する基本情報が記載されています。
ちなみに「おいしい召し上がり方」欄には、電気が使えない場合についての説明もあり、太陽光に30分程度当てると、よりおいしく食べられるようなので、興味があれば試してみてください。
『新・食・缶ベーカリー』シリーズのパン缶は、イージーオープン缶なので、缶切りなどのツールは不要です。
プルトップに指を引っ掛けて開缶すると、逆さま(←直にパンに触れずに取り出すための衛生面を考慮した工夫)になった保存パンが脱酸素剤と一緒に納まっています。
容器から取り出した保存パンは、カップ式の薄紙が巻き付けられており、「OPEN」と書かれた切り取り線から剥がすことができますが、ミシン目がしっかりと入っていないため、きれいに切りはがすことができません(黒糖味の時は、ミシン目がしっかりと入っており、剥がしやすかった気が…)。
また、表面のパン生地が薄紙にベッタリと貼りついてしまっているようで、パン自体も思いのほか薄紙の方にひっついてしまい、なとなく損をした気分になってしまったのが残念でなりません。
どうやら、この辺はもう少し改良の余地がありそうです。
薄紙を剥がした状態の保存パンを様々な角度から撮ってみたので、参考までに3点ほど画像をアップしてみました。
高さ約9.5cm、直径約7cmほどの円柱状のパンで、全体的にこんがりときつね色に焼けているのが分かっていただけるのではないでしょうか。
ちなみに、パン表面の照りや油分は少なく、どちらかというとカサッとしたパンなので、手がべとつくほどではりません。
試食する前にナイフでカットしてみたので、まずはパンの断面図をご覧ください。
【画像:上と中央】は縦カット、一方【画像:下】は横にカットしたパンの断面図です。
そこそこ大きな気泡も確認でき、他メーカーのパン缶に比べるといくらかふっくらとしたような印象を受けますが、パンの締まり具合は他メーカーのパンとそれほど大きな差はありません。
また、『新・食・缶ベーカリー』に限らず、通常、この種の保存パンは殺菌のため食用アルコールを使いますが、ミルク味はフレーバーの香りが控えめなので、どちらかというそのアルコール臭がやや鼻に付くような気がします。
それでは、さっそく食べてみましょう。
まずは常温のまま食べてみましたが、思いのほか硬さを感じさせないソフトな口当たりで、ミルクの味や風味は強くないものの、ほんのりとした優しいミルクの甘さが口の中に広がっていきます。
ただ、やはり保存パンならではのパサつき感はあり、普通のパンに比べると喉の渇きを覚えます。
また、よく見ると、ところどころに何やらオレンジ色の固形物が確認できますが、原材料にオレンジなどは使用していない(味もオレンジではない)ようなので、おそらくミルクペーストの塊か何かが練り込んであるのでしょう。
特に味や食感に存在感はありませんが、固形物が練り込んであるのは意外でした。
次に、温めるとより美味しくなるのか、2通りの方法で試してみたので、その味や食感についての感想をまとめておきます。
まずは、電子レンジでチンしたものから・・・
適当な大きさにカットしたパンをラップで包み、電子レンジ(500W)で20秒ほど温めてみましたが、常温では得られないふっくらとしたパンに変化していました。
また、しっとりとしているため、パサパサ感もいくらか軽減されており、常温に比べるとだいぶ食べやすくなっていますが、ややモチッとした柔らかな口当たりは好みが分かれそうです。
では、オーブントースターで温め直したら、どうなるのか・・・
表面に軽く焦げ目が付くまでこんがりと焼いてみましたが、こちらは香ばしいカラッとしたトーストのような見た目に仕上がっています。
レンジでチンとは違い、焼いた分、水分がより減っていますが、保存パン特有のモソモソとしたパサつき感は消え、カリッとした食感はトースターで焼いた食パン好きな方におススメの食べ方といえそうです。
どちらの食べ方も常温に比べるとパサつき感が気にならない食べやすい食感のパンに仕上がりますが、個人的にはトースターで焼いたものの方が美味しく感じます。
無事、何事もなく、その役目を終えそうな賞味期限間近の同商品を平時に食べる時は、常温のまま食べるのも良いですが、温め直したものと食べ比べてみてはいかがでしょうか。
保存パン特有のパサつき感はあるが、パンの缶詰にしては思いのほかソフトな口当たり 常温よりも温め直した方が食べやすい 殺菌用のアルコール臭が少し気になる… 薄紙が剥がしにくい… |