以前、長期保存可能な『えいようかん』と名付けられた羊羹を紹介【食レポ18】したことがありますが、最近、製造元の井村屋が『チョコえいようかん』なる新商品を発売したということなので、さっそく、1箱購入してみることにしました。
こちらが、その『チョコえいようかん』です。
というわけで、今回の食レポは、井村屋の『チョコえいようかん』を試食してみたいと思います。
2015年3月9日、小豆を原料とした商品に力を入れている老舗の菓子メーカー井村屋が『チョコえいようかん』というチョコ味の羊羹を新発売しました。
『えいようかん』が発売されたのは、2008年のことなので、新シリーズの登場までに約7年近い月日が経ったことになります。
さて、井村屋の公式サイトによると、『チョコえいようかん』は、1箱(5本入り)600円(税抜き)となっているため、プレーン味の『えいようかん』に比べると、価格は100円ほど高くなりますが、他にどんな相違点が見られるのか、試食する前に、まずはパッケージチェックからしていきましょう!
なお、『えいようかん』については、食レポ18で詳しく紹介しているので、プレーン味に興味を持った方は、そちらの記事もご覧ください。
『チョコえいようかん』も『えいようかん』と同様、紙製の化粧箱に入っていますが、箱のサイズや開け方、パッケージデザインなどは、ほぼ『えいようかん』と一緒とみてよさそうです。
そのため、パッケージの基調色こそ、チョコをイメージさせる濃いめの茶色で仕上げていますが、暗闇でも懐中電灯などの灯りを向ければ、キラッと光る反射板入りの備ロゴや、中身が羊羹であることを示す点字表示も、そのまま採用されています。
一方で、同じ5本入りでも、総重量が約320gほどあった『えいようかん』に対し、『チョコえいようかん』は299gとやや軽めで、賞味期限も『えいようかん』に比べると、2年ほど短い約3年間となっています。
特に私が注目したのは原材料で、『えいようかん』は食品衛生法に基づく特定物質27品目すべて不使用のアレルゲンフリー食品でしたが、『チョコえいようかん』は、特定物質のひとつ大豆≠ェ原材料に含まれているため、大豆アレルギーの方は注意が必要です。
パッケージ裏面には災害用伝言ダイヤルの利用方法について分かりやすく書かれていますが、この点に関しても『えいようかん』と変わりありません。
また、パッケージ上部には栄養成分表が記載されていますが、羊羹1本当たりのカロリーは200kcal(プレーン味は171kcal)となっており、カロリー計算がしやすいのも特徴のひとつといえるでしょう。
それではさっそく開封してみましょう!
えいようかんシリーズの化粧箱は、上部ではなく、パッケージの中央部に開け口があるのが特徴で、羊羹が1本1本取り出しやすい工夫がなされています。
羊羹は1本1本個包装(賞味期限もすべての羊羹に記載されているため、箱を紛失しても安心!)されており、4層構造の特殊フィルムで密封することで約3年間の長期保存を可能にしています。
井村屋の非常食向け羊羹は、フィルムの剥き方に少しコツがいります。
もちろん、コツを知らなくても切れないことはないのですが、闇雲に見引っ張ると羊羹の形が崩れて食べにくくなってしまいます。
そこで、切り口をつまんだら、そのままいきなり真横に引っ張るのではなく、軽くひねりを加えながら上に引っ張り、少し切り込みをいれた後、真横に引くとスムーズに綺麗に剥くことができるので、覚えておくとよいでしょう。
『チョコえいようかん』は、フィルムを剥きながら、そのまま直接パクつくことができる場所を選ばない携帯性に優れた羊羹ですが、せっかくなのでフィルムを剥がして丸裸にし、羊羹の全容を見てみましょう!
こちらがチョコ味のえいようかんです。
手のひらにすっぽりと収まるくらいの食べきりサイズですが、1本あたり200kcalと摂取エネルギーは思いのほか高く、まさに非常食向けの一品に仕上がっています。
以前、試食したプレーン味の『えいようかん』に比べると、ややテリというか表面のツヤが抑えめのような気もしますが、チョコレートの香りが非常に強く、ただのあずき味の羊羹とは大きく異なることがわかります。
【@】こちらの画像は、ナイフで羊羹をカットした断面図です。切り口は、ややざらついた印象を受けますが、食べ応えのありそうなずっしりとした重さを感じさせる中身の詰まった羊羹のように見えます。
【A〜C】一方、こちらはご覧のとおり、羊羹に直接かぶりついた後の断面図です。噛み切った歯にまとわりつくような非常に柔らかくねっとりとした食感で、濃厚なチョコレートの味と香りが口の中に広がります。
さて、気になる味の方はというと、ミルクチョコレートのような子供が喜びそうなまろやかな甘さはあまり感じられません。
どちらかというと、ややビターな甘さとクセのあるチョコレートなので、万人受けするかどうかは微妙なところでしょう。
チョコえいようかんを食べた方の中には、どちらかというと羊羹よりも生チョコに近いと表現する人もいますが、確かに生チョコという例えは、未食の方には分かりやすい表現かもしれません(ただ、生チョコほどの滑らかさはない…)。
しかし、チョコの主張は強いものの、羊羹の要素(香りや食感など)も少なからず残っているため、生チョコのようで生チョコであらず、羊羹のようで羊羹にあらず・・・といった、少し不思議な食べ物になっています。
美味しいか、美味しくないかの2択を迫られたら、私は美味しいという選択肢を残しますが、『チョコえいようかん』は、生あんにカカオバターなども使っているため、私のようなオジサンには、そのねっとりとした濃厚な甘さが、少々しつこく感じられるのも事実です。
そのため、あまり本数は食べられないので、飽きのこないさっぱりとした羊羹や、より長期保存のできる非常食を求めているのであれば、やはりシンプルなあずき味が味わえる『えいようかん』の方をお勧めしたいところです。