井村屋えいようかんの食レポ本文へスキップ

食レポ18|井村屋:えいようかん編

井村屋のえいようかんを食べてみよう!entrance

今回、試食するのは井村屋のえいようかんです。

えいようかんは、前から気になっていた商品のひとつですが、これまで私が非常食をまとめ買いする際に利用していた通販ショップでは、たまたま取扱っていなかったために、なかなか手にすることができませんでした。

ところが、今回、利用した通販ショップが、運よく取扱っていたため、価格は特に安くはなっていませんでしたが、食レポ記事にもしたかったので、迷わず購入!



さて、井村屋と言えば、あずきバーや肉まんが有名な老舗のお菓子メーカーですが、その井村屋が、2008年に満を持して(というと大げさですが…)発売したのが、この『えいようかん』です。

もともと、日持ちのする食べ物という印象がある羊羹ですが、一般的な羊羹の賞味期限は長くても1年程度なので、賞味期限5年6ヵ月という長期間保存が可能なえいようかんは、まさに非常食向けの羊羹と言えるのではないでしょうか。

しかも、このえいようかん、意外と人気があるようで、アマゾンのカスタマーレビューでは100件を超えるコメントがあり、商品に対する評価も高く、美味しいので、ついついつまんでしまうといった意見が多々見られます。

そんな話を聞かされたら、和菓子(特にあんこ系やだんご類)好きな私としては見過ごすわけにはいきません。

前に食べた、おむすびころりん本舗の水もどりあんこ餅【食レポF】は、正直、残念な結果だったので、えいようかんは本当に美味しいのか?

実際に食べて確かめてみたいと思います。

井村屋のえいようかんとは?

こちらのあずき色の化粧箱に入った商品が、2013年末現在、発売されている井村屋の『えいようかん』です。

えいようかんの化粧箱

片や、その現行商品の右側に掲載した『えいようかん』は、リニューアル前の商品です。

実は、このえいようかん、2008年の発売当初の賞味期限は3年間となっていました。

ところが、製造技術の向上により、2011年4月から賞味期限が5年6カ月間という長期保存可能な商品へとリニューアルされ、東日本大震災の影響もあってか、注目される商品になったと言われています。

ところで、みなさんは井村屋のこの羊羹のネーミングが、なぜ『えいようかん』と名付けられたかご存知でしょうか?

私は、おそらく「えいよう(栄養)」と「ようかん(羊羹)」を掛け合わせたダジャレだろうと思いましたが、調べてみると、正確には次のような由来があるんだそうです。

えいようかんの由来

さて、豆知識はこのくらいにして、商品の方を見ていきましょう。

化粧箱を手に取ってみると、非常にズッシリとした重み(総重量:320g)が手に伝わってきますが、サイズは意外とコンパクト(縦8.3cm×幅8.6cm×厚み3.8cm)なので、保管スペースはそれほど困らないように思われます。

また、形も四角形で羊羹自体が潰れるものではないので、多少重そうなものを積み重ねて保管することもできそうです。

化粧箱をよく観察してみると、井村屋の『えいようかん』には、様々な工夫が施されていることがよくわかります。

化粧箱の工夫

まず、パッケージ前面の備マークはホログラム印刷を使用しているため、暗闇でも懐中電灯等の光を反射し、所在が分かりやすくなっています。

この輝きを見ると、私はどうしてもビックリマンシールのスーパーゼウスが頭に浮かんでしまいますが、良く考えています(あぁ…歳がバレる)。

また、パッケージの正面と側面には、この商品が羊羹であるということを示す点字表示が施され、裏面には災害用伝言ダイヤルの利用方法についての説明が分かりやすく表示されているという無駄のないデザイン設計となっています。

化粧箱の全容

さらに、この『えいようかん』は、井村屋史上初、2012年度のグッドデザイン賞を受賞してしまったというのですから、もはや、ネーミングがおやじギャクじゃん!などとけなすことは失礼なほど、位の高い高貴なお方に見えてきてしまいます。

パッケージだけでも、とにかくすごいことが分かったので、さっそく化粧箱を開けてみましょう。

前面中央部に「あけ口」があるので、ミシン目に沿ってペリペリッとめくっていくと、どうだ!と言わんばかりの堂々とした佇まいの羊羹が5本、隙間なくスッポリと押し込まれています。

化粧箱の開封

さっそく1本手に取ってみると、これまたコンパクトサイズなのに、ズシリとした重みが手に伝わってきます。

化粧箱とはまた違った、スッキリとしたデザインで、洒落た要素など一切感じさせず、えいようかんというロゴが大きくプリントされています。

とらやの高級羊羹が都会的で洗練された高貴な女性なら、この井村屋のえいようかんは、いい意味で素朴な田舎むすめといったところでしょうか。

化粧箱にも書いてありましたが、このえいようかんは、食品衛生法の対象となっている卵や小麦を含む27品目のアレルギー物質が含まれていないアレルゲンフリー食品なので、人によっては重宝される非常食になりそうです。

※補足:平成25年9月、ゴマとカシューナッツの2品目が新たに追加されたため、現在は27品目(平成27年6月現在)

また、意外と省略されている商品も多いのですが、えいようかんには1本1本に賞味期限がしっかりと記載されているので、化粧箱を紛失してしまっても安心です。

えいようかんの中身

なお、特に調理の必要もないので、フィルムを剥いてしまえば、そのままかぶりつくことができます。

ただし、このフィルムが、ちょっとした曲者で、単に真横に引っ張るだけでは、破りにくいので、「ここからひねってあけてください」という指示に従い、少し上向きにひねってから引っ張るとスムーズに切れるので、騙されたと思って、この指示に素直に従うことをお勧めします。

フィルムを剥がすと、「どうも、私が羊羹です!」といった感じの、いかにも羊羹らしい羊羹が出てきます。

表面は、照明の光を受けて、テカテカと黒光りしており、ツヤがあり、しっとり、かつ、しっかりとした食べごたえのありそうな羊羹であることは間違いなさそうですが、特にこれといって目を引かれるような点はないので、普通の羊羹にしかみえません。

参考までに、次項で画像をいくつか載せておくので、そちらをご覧ください。

矢印

井村屋のえいようかんを食べてみた感想と評価

それでは、肝心の味の方はどうなのか、食べてみましょう!

―――――― うん、なるほど・・・そうくるか・・・

うんうん・・・なるほどねぇー・・・

えーと、なんと言ったらよいのでしょう。

普通のようかんです。

もう少し、言葉を補足すると、いい意味で普通の羊羹・・・安定感がある。

それ以上でもなければ、それ以下でもない、とにかく普通の羊羹です。

あえて、味について表現するのであれば、しっかりとした歯ごたえがあり、噛み切ると歯に吸い付いてくるような練り羊羹です。

甘さはどちらかというと少し控えめで、アンよりも砂糖の甘さを感じますが、しつこい甘さではないので1本ペロリと平らげることができてしまいます。

欲を言えば、練りではなく粒羊羹だと尚よかったのですが、この辺は好みの問題となってくるので、『えいようかん』の味を評価するという点ではあまり関係がありませんね。

しかしまあ、なんというか、繰り返しますが、いい意味で普通の羊羹です。

野球で例えるなら、4番バッターには絶対になれないが、7番バッターあたりで確実にレギュラーとして定着しているような、いると重宝される存在の非常食になりそうです。



ただ一点、『えいようかん』を食べていて気になった点は、フィルムの底を指で押しても羊羹がスルッと持ち上がってこないことでしょうか。

羊羹がフィルムの内側にピッタリと貼り付いているようで、力を入れて押してしまうと羊羹の形がグニャッと潰れてしまうだけで、一向に押し上がってくる気配がありません。

えいようかんの味

そのため、仕方なく、フィルムを破って取り出しましたが、こうなると、楊枝やフォークなどが手元にあればよいのですが、手でつかんで食べなければならない状況下にあると、手の汚れや気になったり、手がべとついてしまうという欠点が出てきます。

えいようかんの欠点

できればとらやの羊羹【下記画像:参考】のように、底を押すだけで、スルスルっと羊羹が押し出てくるようなフィルムであると、手を一切汚すことなく食べきることができるので、井村屋の『えいようかん』も、その点の改良がみられると、より非常食向きの食料になるのではないでしょうか。

※ たまたま、貰い物の一口サイズのとらやの羊羹があったので、抹茶味ですが食べ比べてみることにしました。

とらやの羊羹

さて、井村屋の『えいようかん』を実際に食べてみて思うことは、価格、保存期間、コンパクトさ、味を含め、個人的には満足のいく非常食だったということです。

甘みがあって手軽に食べられ、かつ、ある程度保存のきくお菓子といえば、カロリーメイトや飴、チョコレートといったものが挙げられますが、カロリーメイトのような食べ物は喉が渇き、飴やチョコレートなどは夏場には溶けてベトベトになるといった欠点があります。

一方、この『えいようかん』には、ウマい!と唸らせるような際立った美味しさはありませんが、適度に水分があり、商品の形が寒暖に左右されるようなものでもないので、手軽にいつでもどこでも食べられるという点では、非常に優れた非常時のおやつとなりそうです。

その点については、私と同じように感じている方も多いようで、たとえば、えいようかんの記事を取り上げた美衣さんのブログ(健康美容ライフブログ)でも「保存食や普段のおやつとして違和感がない」と言っています。

また、『えいようかん』は量が少し少ないといったコメントも結構見かけましたが、1本のカロリー(171キロカロリー:小茶碗1杯分ほど)はそこそこあり、羊羹のような食べ応えのある甘い和菓子は、ちょっと物足りないかなと感じるくらいの食べきりサイズの方が、私的にはちょうどいいように思われます。

完食

しかし、その食べきりサイズというのがある意味やっかいで、非常食として購入したつもりなのに、ついつい手が伸びてしまい、気が付いたら食べきってしまったという人も多いようです。

実際に食べてみた私も、この気持ちは分からないでもないので、主食にはなりませんが、カンパンやカロリーメイトのような商品が口に合わないという方は『えいようかん』を備蓄してみてはいかがでしょうか



※補足:2008年、チョコ味の『チョコえいようかん』が新発売されました。