以前、ガソリン缶詰の安全性に関する記事(問題は解決済み)を当サイトに掲載しましたが、私の手元にあるそのガソリン缶詰の有効期限(3年間)が切れたため、中身のガソリンが、いったいどんな状態であるのかを確かめるべく、さっそく開缶してみることにしました。
なお、ガソリンは消防法上の危険物に該当する引火性の高い液体なので、使用の際には、添付文書の注意事項をよく読み、必ず火気のない風通しのよい場所で作業するようにしましょう!
さて、作業日は、平成26年11月29日なので、私の手元にあるガソリン缶詰(1ℓ×4缶)は、間違いなく3年間保管しておいたガソリンということになります【画像①】。
品質保証期間を若干過ぎてしまっていますが、有効期限が切れた途端、急速に劣化してしまうということもないと信じ、さっそく開缶し、マイカーに給油してみようと思います。
実際に手元に届いて気付いたことですが、実はこちらのガソリン缶詰、注意事項に関する紙面(1枚)が添付されてはいるものの、具体的にどのように使ったらよいのか、その手順について、ほとんど説明がなされていません(改善されることを願います!)。
この点に関しては、非常に不親切のように感じられますが、ないものは仕方ありません。
添付文書の僅かな情報を手掛かりに、おそらくこんな感じで使うんじゃなかろうかと勝手に解釈しながら作業を進めているので、もし私の給油方法は危険だ!とこの手の取扱いに詳しい方がいらっしゃいましたら、遠慮なくご指摘ください。
さて、缶詰を開けるには少なからず何かしらの道具が必要ですが、付属の缶切りがセットになっているので、特に工具類を用意する必要はありません。
【画像②】のように、缶切りを缶蓋の縁に押し当てたら、気化したガソリンが勢いよく噴出してくることも考えられるため、ゆっくりと穴を開けます。
幸い穴を開けた途端、プシューという気化したガソリンが漏れ出る音も僅かで、特に問題なく注ぎ口(取りあえず3ヵ所)を開けることができました。
さらに、注ぎ口とは反対側の縁にも空気用の穴【画像③】を開ければ、缶詰の方の準備は完了となります。
次に、付属の厚紙をロール状(ポイント:撥水加工のしてあるツルツル面を内側にすること)にして、【画像⑤】のように車の給油口に差し込めば、後は【画像⑥】のように缶詰をゆっくりと傾けながらガソリンを注ぐだけです。
ちなみに、どういった形の注ぎ口が一番注ぎやすいか試すため、注ぎ口は2パターン用意【画像⑦】してみましたが、結論から言ってしまうと、あまり大きな差は見られませんでした(ただし、あまり大きすぎると問題がありそう…その理由については、まとめの項をご覧ください)。
なお、劣化したガソリンを給油してしまったがために、車が故障してしまっては困るので、給油前に液体の状態を確認【画像④】してみましたが、特に不純物の混入や濁りなどは確認できず、綺麗なガソリンに見えます(…たぶん)。
さて、今回は有効期限が過ぎたガソリン缶詰を開缶し、マイカーに給油してみるという実験(?)をしてみましたが、その後も車の不調は見られず、走り続けているので、どうやら3年間保管できるというガソリン缶詰にウソ偽りはないようです(少なくとも、私が購入したガソリンに問題はなかった!)。
車内に放置しておいた缶詰が膨張し、変形してしまっていたときには不安を感じましたが、製造元に問い合わせて確認したとおり、使用期限内であれば問題なく使えそうなので、このガソリン缶詰は非常時に役立つガソリンとみて間違いないでしょう。
ガソリン缶詰は価格がバカ高い!という声も聞こえてきそうですが、東日本大震災の時にはガソリンスタンドで給油することができなかった、たとえできたとしても給油待ちの車が後を絶たない(当時のGSは1~2時間待ちも珍しくはなかった)状況であったことを思えば、いざというときの緊急時用のガソリンとして備蓄しておくなら、決して高い買い物とは言えないのかもしれません(保険と考えれば安いかも…)。
ただ1点、ガソリンそのものには問題ないのですが、給油方法が意外と難しい・・・
そこで、私が実際に給油してみて感じた気になった点をいくつか挙げておくので、参考にしていただければ幸いです。
缶詰内にはガソリンがなみなみと入っているため、穴を開けた途端、じわりと染みだしてくる。そのため、必ず平らな場所で作業すること! 車の給油口に差し込む厚紙は筒状にした先が閉じていないか必ず確認すること! ガソリンを注ぐ際、急激に傾けて勢いよく注ごうとすると、穴(←筒状にした厚紙)の大きさによっては逆流してくることもあるため、缶詰は必ずゆっくりと傾けること!(ただし、あまりゆっくり傾け過ぎても縁をつたって液体がしたたり落ちてくるので、その加減が一番難しい!)したがって、注ぎ口をあまり大きく作り過ぎても、ガソリンこぼれの原因となる。 ガソリンが手にかかることも十分考えられるため、必ず手袋を着用したい!(ちなみに、私は綿製の軍手を使用してしまったが、ガソリンがかかると缶詰を持つ手が滑り、手にも染みてくるため、滑りにくいゴム製の手袋がお勧め) |
ところで、使用後の空缶は、いったいどのようにして処分したらよいのか心配だという方もいるのではないでしょうか。
ガソリンという極めて引火性の高い危険物が入っていた缶詰だけに、使用後も安全に廃棄したいものです。
私の場合は近隣にある行きつけのガソリンスタンドで処分してもらったので、GSで廃棄処分をお願いするというのも安全に処理する1つの方法だと思います(私が持ち込んだGSでは、無料で引き取ってくれましたが、引取り、あるいは有料無料の有無は事前に問い合わせて確認しておくことをお勧めします)。
最後に【画像⑧】で確認できる点状の黒いものですが、これはガソリン缶詰を処分するため、給油後に逆さにして残りの液体を出し切った際に缶詰の中から出てきた異物です。
この異物の正体が、サビなのか、それとも開缶した時に落ちた金属片なのかは不明ですが、4缶中、1缶だけにこのような異物(1~2m程度)が7~8つほど見られたということだけ報告しておきます。