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食レポ65|まつやのライスるん:野菜&きのこ編

まつやのライスるんを食べてみよう!entrance

アルファ米といえば、尾西のごはんやサタケのマジックライス、アルファー食品の安心米あたりが有名で、当食レポでも、たびたび登場しますが、今回、試食するアルファ米は、まだ一度も紹介したことがない食品メーカー、まつやのライスるん≠ナす。

ライスるん

ライスるんは、先に挙げたブランド商品とは少し違ったタイプのアルファ米らしく、特に小さなお子様な高齢者に重宝される非常食だと聞きます。

そこで、尾西やサタケ、アルファー食品のアルファ米とは、いったい何がどう違うのか、実際に食べて、比較してみることにしましょう!


まつやのライスるんとは?

賞味期限が製造日から常温で5年間という長期保存可能な『ライスるん』を製造するのは、新潟県に本社を構えるまつや株式会社です。

まつや鰍ヘ、創業時(明治40年〜)から、米加工ひとすじの食品メーカーで、主に離乳食や介護食、非常食関連の製造販売(特に離乳食は国内シェアの約3〜4割を占めるとか…)に力を入れていますが、非常食『ライスるん』シリーズも主力製品のひとつのようです。

では、製造元の説明はこのくらいにして、『ライスるん』の話に戻しましょう。

そもそも『ライスるん』は、平成16年に新潟県を襲ったM6.8の大地震(新潟県中越地震)をキッカケに開発された防災食ですが、『ライスるん』は離乳食や介護食の製造ノウハウを持つ、まつやならではの特徴が活かされています。

具体的には、出来上がりが粒上のご飯ではなく、お粥として食べることを前提としているため、赤ちゃんや嚥下機能が低下した高齢者にも食べやすい非常食に仕上がっているということです。

そして、この点が尾西やサタケ、アルファー食品のアルファ米と大きく異なる(尾西のごはんシリーズやアルファー食品の安心米シリーズにも、おかゆはありますが、ライスるんとは微妙に違う…)わけですが、言葉で説明するより、実際に商品を見てもらった方が分かりやすいので、ここからは画像を交えながら『ライスるん』について説明させていただきます。

先にも説明したとおり、まつやの『ライスるん』は、シリーズ化されているので、数種類の味が販売されていますが、今回、私が試食する商品は野菜&きのこ(和風味)です。

ライスるんのパッケージ

販売価格は税込350円(1袋)なので、価格に関しては他のメジャーなアルファ米商品と大きな差は見られません。

また、パッケージサイズや厚みも、ほぼ似たような大きさ(厚み)で、スタンドパック式(アルミ袋が、そのまま器として利用できる底広タイプ)の容器だという点もほぼ一緒ですが、個人的に気になったのは、四隅の下部はカット済みなのに、なぜか上部の角はカットされておらず尖っている点でしょうか。

細かい点ではありますが、角がとがっていると、レジ袋などの薄い素材の袋に入れて持ち運ぶ場合、袋が切れて破れやすくなったり、小さなお子さんが手に持った際、目を離したすきに怪我をする危険も無きにしも非ずなので、できれば四隅の角はすべてカットし丸みを帯びていた方がよいように思われます(ちなみに、メジャーなアルファ米は四隅がカットされている)。

ライスるんのパッケージ裏面

一方、パッケージ裏面をチェックしてみると、賞味期限や調理方法、栄養成分表示に原材料といった商品に関する基本情報が記載されています。

この『ライスるん』シリーズのよいところは、シリーズすべての商品が食品衛生法対象のアレルギー物質を含む原材料を使っていないアレルゲンフリー食品であるということです。

※対象食品:えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生 、あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチンの25品目に加え、平成25年に追加したゴマ、カシューナッツを加えた27品目。

アレルゲンフリーをウリにした非常食が他にないわけではありませんが、まだまだ数が少ないのが現状なので、アレルギー体質の方には、ありがたいシリーズかもしれません。

ライスるんの内容物

切り口に沿って袋を破り開封すると、袋の中には、フレーク状の乾燥がゆに、スプーンと脱酸素剤が埋もれているので、調理する前に忘れずに取り出しておきましょう。

調理前の乾燥がゆは、非常に軽くパサついたフレーク状の粗い粉末で、まるでパン粉≠フような見た目をしていますが、思いのほか香りが強く、香ばしい青のりせんべいのようないい匂いが鼻をくすぐり、食欲をそそります。

試しに調理前の乾燥がゆを、直接食べてみましたが、これが意外とイケる!

調理に待ち時間不要というだけあって、唾液を含んだ乾燥がゆは口の中で適度に柔らかくなり、ちょうどせんべい袋の底にたまった粉々の破片を食べているような感じで、少なくとも私なら、このままでも十分抵抗なく食べられそうな気がします。

調理方法

袋の内側には注水ラインが2本引かれていますが、今回、私が目安としたのは下線の200mlライン。

ただ、なぜか下線のラインが必要以上に太いため、線の下なのか、それとも上まで注ぐのかがいまいちよくわからないという問題点があります(それとも、その辺は適当でよいということなのでしょうか…)。

とりあえず下線のラインを目安に熱湯を注ぎ、手早くかき混ぜてみると、水分を吸収した乾燥がゆが、みるみるとろみを持ち始め、せんべいの香ばしい香りも調理前より際立ってきたような気がします。

フレーク状の乾燥がゆ全体に湯が染み渡り、とろみを持つまで、わずか30秒〜1分ほど足らずなので、他のアルファ米商品のおかゆに比べると、調理時間が短い(参考:尾西やアルファー食品のおかゆは待ち時間5分)のは確かですが、雑にかき混ぜると粉っぽい部分も残ってしまうので、ムラを残さないためには少し入念にかき混ぜる必要はありそうです。

矢印

まつやのライスるん:野菜&きのこを食べてみた感想

では、調理済み(といっても、ただお湯を注いでかき混ぜるだけ)の『ライスるん』を、実際に食べてみましょう!

先にも触れたとおり、この『ライスるん』は袋そのものが器として利用できるスタンドパック式なので、非常時に食べる際は、わざわざ茶碗などの食器を用意する必要はありません(スプーンも付いているので、箸も不要!)が、今回は食レポなので、内容物がより見やすいよう、あえて茶碗に移し替えてみることしました。

ライスるん

実際に調理してみると、パッケージ画像とは大きく異なるお粥に見えますが、パッケージにプリントされている画像は、あくまでイメージ画像(盛り付け例)なので、野菜やきのこ類の固形物が一切入っていなくても怒ってはいけません。

もともと調理前の乾燥がゆ自体がパン粉状の粉末だったために、お湯を吸ってふやけた状態のお米は、まさにペースト状の離乳食といった感じで、適度にとろみも持っています。

ちなみに、『ライスるん(野菜&きのこ)』には、4品目の野菜(ほうれん草、小松菜、人参、カボチャ)に加え、2品目のきのこ(しめじ、しいたけ)が使用されているようです。

ライスるんの試食1

さっそく一口食べてみると、青のり(?)の香りとお煎餅のような香ばしいさが口の中に広がり、ベビーフードに近い食感を感じさせてくれますが、いかんせん、味がとにかく薄い!

原材料欄を見る限り、数種類のエキス(かつお、昆布、椎茸)と食塩で味付けをしているようですが、その調味料が非常に抑えられており、育ち盛りの子供や健康な大人が食べるには、かなり物足りない味付けに仕上がっています。

香りや風味がよいだけに、極薄の味付けが残念でなりませんが、見方を変えれば、この薄味は、赤子や高齢者にはちょうど良いのかもしれません。

そのため、味付けが物足りない(特に夏場や、身体を動かして汗をかいた後は塩分が欲しくなる)と感じた方は、塩や醤油で好みの味付けにしてから食べることをお勧めします(災害時に、用意できるかどうかは疑問ですが…)。

ライスるんの試食2

実際、私も醤油を数滴垂らしてから、再度、食べてみたところ、塩気もちょうどよくなり、美味しくいただくことができました。

完食

まつやの『ライスるん』は、調理に待ち時間がない(かき混ぜれば、1分程で完成!)こと、香りや風味がよいこと、そして、注水量を変えることで、お粥を好みの硬さに調節することができる点などは評価したいところです。

しかし、極薄味仕立てのお粥なので、特に小さなお子様や塩分の取り過ぎが気になる高齢者、あるいは、アレルゲンフリーの非常食を探している方におススメの一品と言えるのではないでしょうか。

なお、アルファ米のおかゆ商品については、当食レポでも過去に尾西の梅がゆ【食レポ58】を紹介しているので、他メーカーの商品に興味のある方は、そちらの記事もご覧ください。