先日、非常食を新たに15点ほど追加購入したので、今回はその内のひとつ、こちらのさぬきうどん≠試食してみたいと思います。
うどんといえば、以前、岳食シリーズのカレーうどん【食レポ43】を紹介しましたが、岳食シリーズの麺類は、あくまでアウトドア向けの携行食であり、軽くてそこそこ保存は利くものの、鍋や火がなければ調理できないという欠点がありました。
したがって、商品そのものは素晴らしく美味しいのですが、食べられる環境が限られてくるため、非常食としては手放しでおススメすることができません。
ところが、今回、紹介するさぬきうどんは、なんと!火も水も一切必要としない、まさに非常食向けに作られた一品にです。
とくれば、後は味≠セけが問題なので、さっそく調理して食べてみましょう。
販売業者こそ、鳥取県の高林産業株式会社となっていますが、火も水も一切不要の非常食「本場さぬきぶっかけうどん」を作ったのは、讃岐うどんの本場、香川県にあるこんぴらやという会社です。
ちなみに、私が調べたところによると、商品は既にリニューアル(賞味期限は同じだが、麺やつゆの量に変更あり)されたようで、いつのまにかパッケージデザインが変わっていました。
また、リニューアル後の新商品はぶっかけ≠ニいう言葉がとれて、「さぬきうどん」というシンプルなネーミングに改名されていましたが、おそらく中身の方は大幅な変更はないと思われるため、今回の試食レポも参考になるかと思われます。
では、前置きはこのくらいにして、さっそく画像を交えながら、商品について説明していきましょう!
こんぴらやの「本場さぬきぶっかけうどん」は、市販のレトルトカレーよりもサイズはひとまわりほど大きめ(厚みは2cm)です。
画像に見られるような紙箱に入っており、安定感があるため、積み重ねて保管することができますが、総重量が約400gと意外と重いのが欠点かもしれません。
ただし、割り箸入りで、スタンドパック式の袋を採用しているため、特に食器や箸を新たに用意する必要がないという点は非常食として評価できます。
ちなみに、世界で初めてのセパレート型レトルトうどんらしく、賞味期限は製造から常温で5年間となっています。
商品パッケージの裏面を見ると、原材料名や1食分あたりの栄養表示に関する基本情報などが記載されています。
ちなみに、先ほど軽く触れましたが、リニューアル後の「さぬきうどん」はうどんの量が減り(200g→180g)、麺つゆの量が増えていました(140g→190g)。
食べ方を読むと、非常食「本場さぬきぶっかけうどん」は、どうやら本当に一切温めることなく常温で食べることが可能なようですが、レトルトパウチを使用しているので、状況によっては湯銭してから食べるという方法もできそうです(ただし、電子レンジは不可!)。
紙箱の「取り出し口」と書かれた部分に貼られているテープを剥がし、内容物を取り出してみたところ、 @麺 A つゆ(揚げ入り)B 割り箸(つまようじ入り)の3点が入っていました。
つまようじ入りというのが、なかなかの手の込みようです。
「麺」と書かれた袋には切り口(ハサミは不要)が2ヵ所あり、上部の切り口@で袋に貼りついたうどんが取り出しにくい場合は、切り口Aを切る仕組みとなっています。
気になるレトルトうどんはというと、特に薬品臭さはなく無味無臭ですが、とにかく非常に硬い一つの塊となっており、これが本当にほぐれるのか心配になるほどです。
一方、「つゆ」と書かれた袋にも切り口は2か所。
しかし、コチラの袋は器≠ニしての役割も担っているため、麺つゆをこぼさないよう、まずは慎重に切り口@を切り、先に開封した「麺」袋のうどんを入れて汁に浸し、そのうどんがいい感じにほぐれたら、切り口Aを切り取り、食べやすい大きさの器にする仕組みです。
ちなみに、今回の試食レポでは、袋を器として使用せず、説明しやすいよう、あえて丼に移し替えています。
紙箱に書かれていた説明によると、常温でも、汁に麺を浸し絡ませるだけで食べられるはずなのですが、何分待っても、一向にうどんがまったくほぐれる気配を見せません。
仕方がないので、箸で易しくほぐそうとしたら、ご覧の始末…。
うどんがところどころブツ切りで、果たしてこれで完成といってよいものなのか・・・味に不安の残るクオリティです。
それでは、さっそくこんぴらやのレトルト防災非常食「本場さぬきぶっかけうどん」を食べてみましょう!
まずは、麺つゆの方から・・・。
見た目は透明感のある薄い琥珀色で、汁そのものはやや甘めですが、濃すぎず薄すぎずといった感じで、個人的には嫌いではありません。
ただ少し、麺の割合に対し麺つゆの方が少なすぎるのが気になります(リニューアル後の麺つゆの量が増えていたのは、修正したということか?)。
一方、お揚げの方は、約8cm四方の大きなお揚げで、厚みはそれほどありませんが、麺つゆがたっぷりと染みたジューシーで柔らかい、油っぽさを感じないサッパリとしたなかなか美味しいお揚げです。
では、メインのさぬきうどんの方はどうか?
こちらは、ご覧のとおりの有様で、何分経っても麺がほぐれることはなく、無残なブツ切りの残骸が嫌でも目に入ってきます。
とりあえず、一口、食べてみたところ・・・とにかくマズい!
もう、見たまんま!
麺は硬く、単なる小麦粉のダマなので、啜ることなどできるわけもなく、口の中は、ただただ粉っぽさだけが残るだけです。
サイトのイメージ画像を見る限りでは、ツルッとしたのど越しの良さそうなうどんになっており、またどこかのブログでは、もっちりとしてなかなか美味しいといったようなコメントも書かれていましたが、私が食べたこの「さぬきうどん」は、明らかにうどんではない!
これまでいろいろな非常食を食べてきましたが、これほど酷い商品は初めてです。
正直、お金を返してもらいたい!そんな憤りさえ感じさせるダメさ加減です。(それとも、単に私の調理方法が悪かっただけなのか・・・いやいや、常温で食べられると書いてあったんだから、調理方法もなにもないはず!)
それにしても困った!
想像を絶するマズさなので、このままでは完食することができません。
そこで、仕方がないので、やってはいけないらしいレンジを使って温めた上、さらに熱湯を注いで汁の量を増やし、薄まった分は市販の麺つゆで補うという暴挙に出ましたが、それでも、うどんのダマはまったくほぐれず…。
こうなるともう、怒りを通り越して呆れるしかありません。
麺つゆやお揚げは中々の味だっただけに残念な気持ちでいっぱいですが、それにしても、よくこれで商品化したなというのが正直な気持ちです(うどんを湯煎してから食べれば普通に食べられたのでしょうか…まあ、仮に普通に食べられたとしても、常温で食べられることをウリにしている以上、この商品はその時点でアウトでしょう)。
それとも、やはり私の食べ方が悪かったのか・・・今回は、非常に謎の残る後味の悪い試食レポとなってしまいました。