非常食レポ:第28回
アルファ米パンの缶詰麺類とパスタおかず系汁物・スープおやつ・スイーツその他

サンヨー堂の牛めしを食べてみよう!

今回はサンヨー堂の缶詰ご飯(通称:缶メシ)を試食します。

缶メシは加工したご飯をそのまま缶詰に詰めているので、一度炊いたご飯を乾燥させ、食べたいときに湯(あるいは水)を注いで戻すアルファ米とは、また少し違ったタイプの保存メシです。

また、缶メシは文字どおり、缶詰という気密性や遮光性などに優れた容器を使用しているため、パック飯よりも長期保存が可能で、サンヨー堂の缶詰ごはんシリーズの賞味期限は製造から3年6ヵ月とやや長めです。

賞味期限だけを比較するなら、アルファ米(大手メーカーの商品は5年)の方に分がありそうですが、味に関してはアルファ米特有のポソポソ感がなく、どちらかというと釜で炊いたご飯い近い食感が味わえるようなので、サンヨー堂の缶メシは、いったいどんな食感や味がするのか・・・

実際に食べて判断してみたいと思います。




サンヨー堂の缶詰ご飯:牛めしとは?

サンヨー堂の缶メシは、とりめしをはじめ、牛めし、五目めし、赤飯、ドライカレーとシリーズ化されていますが、今回試食するのは、こちら!

牛めしです。

サンヨー堂の牛めし個人的には、とりめしが気になっていたのですが、利用したショップでは完売(五目めしなども既に売り切れ…)で購入することができなかったため、牛めしの他に選択肢の余地がありませんでした。

というわけで、今回は牛めしをいただいてみます。

さて、このサンヨー堂の缶メシですが、実物を目の前にしたまず最初に思ったことは、とにかくデカい!

※補足:現在、サンヨー堂の缶飯シリーズには、小サイズ(185g)もあります。

てっきり手のひらにスッポリ収まる程度のサイズかと思っていたのですが、ちょっとしたミニ弁当箱くらいの大きさはあります。

容器のサイズまた、手に持ってみると、重い!!

あまりにも重いので、その重量が気になった私は、さっそく秤を用意して測ってみることに・・・

すると、なんと470g!

尾西やサタケのアルファ米1袋当たりの重さが約110g(袋やスプーン込み)なので、1缶でアルファ米4袋分以上の重さがあることになります。

この重量やサイズを考慮すると、サンヨー堂の缶詰ご飯シリーズは携帯食としての評価はどうしても低くなってしまいます。

そのため、非常持ち出し袋に入れて持ち歩くよりも、家や会社の倉庫などで保管しておくタイプの備蓄食と言えそうです。
缶詰のサイズ
サンヨー堂の缶メシが携帯に不向きな非常食であることが分かったところで、さっそく牛めしの調理に取り掛かりたいと思います。

缶蓋に記載されている調理方法を見ると、どうやら湯煎で温めるだけのようですが、調理時間が20分とやや長めである点が少し気になります。

20分という調理時間は、アルファ米とそれほど変わりませんが、サンヨー堂の缶メシはサイズが大きく、20分間も温め続けなければならないとなると、湯煎に使う水量がそれなりに必要です。

また、このサンヨー堂の缶詰ご飯シリーズは、牛めしに限らずすべての商品が常温ではとにかく硬く、とても食べられるような代物ではないので、必ず火(電子レンジなども含む)を使って温めなければなりません。
缶詰ラベルの概要
そのため、火が使えない、あるいは水が貴重な災害時に、果たして、この缶メシがいったいどれほど有効な非常食となりうるのか・・・少し不安が残る点も垣間見られます。

牛めしの調理では、さっそく指示どおり、鍋を火にかけ20分程温めてみます。

お腹が減っているときの20分間は、とても長く感じるので、やはり非常食を備蓄する際には空腹を感じたらすぐに食べられるような食料(パンの缶詰や乾パンなど)も、併せていくつかストックしておいた方が良いかもしれません。

20分程温めたものが、こちら【下記:参考画像】です。

容器がまだ熱をもっているので、取り出す際には火傷に気を付けてください(容器にサッと水を掛けると持ちやすくなる)。

さて、このサンヨー堂の缶メシですが、実はもうひとつ困った点があります。

それは、プルトップ式のイージーオープン缶ではないので、開缶するには缶切りが必要になってくるという点です。

そのため、前もって缶切りを用意しておかなければならないという点も、やや使い勝手が悪いと言えるかもしれません(ちなみに、トクスイのマフィンタイプ【食レポ21】のパン缶も缶切りタイプですが、同商品にはミニ缶切りが付属しています)。
缶切り式の容器
容器のサイズが大きいので、切るのにやや時間が掛かりますが、開缶した直後の状態のものが、さらに下の参考画像です。
開缶直後の牛めし
ご飯が容器にぎっしりとつまっており、さすが総重量470gだけのことはあります。

牛めしというと、薄切りの牛肉がご飯の上に敷き詰められているものを想像していた方も多いのではないでしょうか。

そのため、1cm四方のコロッとした角切り牛肉が無造作に詰め込まれている状態のものを見てしまうと、なんだか拍子抜けしてしまうような牛めしに見えるかもしれませんが、ご飯の方は味がしっかりと染みているようで、色づきもよく、米粒自体はどれもしっかりとしており、みずみずしいふっくらとしたうるち米に見えます。

缶詰に入ったこのままの状態でも食べられるのですが、食レポなので、とりあえず牛めしを器の方に移し替えてみましょう。
サンヨー堂の牛めし
内容量は375gなので、アルファ米1袋分(出来上がりで、約250g前後のものが多い)に比べると、非常に量は多く、お茶碗2杯分近いほどの量があります。

ちなみに、サンヨー堂の牛めしの1缶当たりのエネルギーは617キロカロリーだそうです。






サンヨー堂の牛めしを食べてみた感想と評価

では、さっそくサンヨー堂の牛めしを食べてみましょう。

缶詰から器に移し替える時にも感じたことですが、うるち米ではあるものの、ご飯が粘っこく、ややねっとりとしたもち米のような食感がします。
ご飯と牛肉
そのため、アルファ米のようなポソポソ感はなく、釜で炊いた時のようなお米の食感が味わえます。

また、ご飯の色を見ると、やや濃いめの味のような印象を受けますが、実際はあっさりめの薄味なので、塩辛いオカズと一緒に食べると、味付けに物足りなさを感じるかもしれません。

一方、牛肉の方はというと、こちらはやや筋っぽい締まった肉で、特にこれといって特徴のない普通の牛肉といったところでした。

強いて気になった点を挙げるとするならば、やや牛肉臭さが鼻につくので、できれば生姜を加えるなどして、牛肉の臭みを消し、生姜風味を感じさせるような工夫が見られると、個人的にはもう少し食が進む牛めしになったように思われます。

話は少し逸れますが、牛めしを食べていて1点気になったことがあります。

それは、ご飯のなかに下記画像に見られるような異物がいくつか混入していたことです。
異物の正体
手に取ってよく見ると、どうやらその異物は鉄クズらしいので、缶切りで開けた時のカスかと思ったのですが、それは間違いでした。

というのも、缶詰の容器をチェックしたところ、内側のメッキが、ところどころ剥がれており、この剥がれが器に移し替えた際に使ったスプーンによって削られたものであることを確認したためです。

したがって、金属製のスプーンを使って食べるときは、表面のメッキを削り取らないよう、力の加減に注意して下さい(できれば、金属製のものではなく、割り箸やプラスチック性のスプーンなどをお勧めします)。

今回はサンヨー堂の缶詰ご飯シリーズ:牛めしを食べてみましたが、味に関しては特にこれといってインパクトのない普通の缶詰ご飯で、非常食としては食べられるレベルの食料であると感じました(つまり、美味しいと言えるほどではないが、かといって、不味くもない)。

ただし、ご飯が再び硬くなるまでの時間が早いような気がするので、冷めないうちにできるだけ早めに食べてしまった方がよさそうです。

量は多く、他の非常食に比べると1缶当たりの満腹感は高いので、アルファ米の味や食感が苦手だけどご飯は食べたい!という方は、サンヨー堂の缶メシを一度試食してみてはいかがでしょうか。

なお、牛めしは薄味で味も単調なので、量が多いのはいいのですが、食べ続けていると飽きてくることも・・・

そこで、できれば味噌汁や、ちょっとしたオカズ系の非常食をセットで用意しておくとよいかもしれません。
味をみるならセット品が便利!
完食

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