本日、私が試食するのは、アルファー食品の安心米です。
アルファ米といえば、これまで尾西のわかめごはん【食レポ2】や、サタケのドライカレー【食レポ4】を食べてきたので、アルファー食品の製品は今回が初めてということになりますが、一般家庭向けに販売されている災害時向けのアルファ米と言えば、実はこの3社が有名なので、社名、あるいは『安心米』という商品名くらいは聞いたことがあるという方も多いかもしれません。
ちなみに、アルファ米の味や食感に関しては、尾西やサタケのものよりもアルファー食品の方がおいしい!といった声もあるので、これから試食する『安心米』の味にはかなり期待しています。
というわけで、さっそく試食してみましょう!
アルファー食品の安心米は、尾西やサタケ同様、シリーズ化されており、メニューの種類は豊富ですが、今回の試食レポのために用意したメニューは、こちらの赤飯です。
五目ごはんやひじきご飯、海鮮おこわやエビピラフといった数あるメニューの中から、いったいなぜ赤飯を選んだのかというと、それは某ネットショップの期間限定特価品の中に赤飯が含まれていたためです。
一般的に長期保存可能な非常食は価格が高い!というネックがあります。
これからも様々な非常食を定期的に紹介していく予定なので、なるべくコストは抑えたいというのが正直な気持ちであり、安く買えることにこしたことはないわけです。
まあ、そういう大人(というか財布)の事情があるので、その辺は温かく見守っていただけたらと思います。
さて、少し話が脱線してしまいましたが、いつもどおり、まずはパッケージチェックから。
アルファー食品の『安心米』シリーズのパッケージは、多少デザインの違いは見られますが、その構成(イメージ画像や作り方・原材料の表示位置など)は、尾西やサタケのアルファ米シリーズとほぼ似たようなものです。
この『安心米』の赤飯もサタケと同じく、賞味期限の表示がやや地味(賞味期限の表示に関しては、尾西が一番目立つ!)ですが、パッケージデザインに関しては、特にこれといって目を引かれるような点はありません。
※ ちなみに、内容量(100g)、賞味期限(5年間)、水またはお湯で調理できるという点は、3社とも一緒。
一方、パッケージの形状も袋をそのまま器として使える底を広げれば立たせることのできるスタンドパックタイプなので、この点も尾西やサタケの製品とほぼ変わりありません。
しかし、一点、アルファー食品の安心米を実際に手に取ってみて印象深かったのは、その袋の厚みです。
参考までに尾西のご飯シリーズと比較した写真を載せていますが、とにかくその薄さが半端ない!
前にサタケのマジックライスと尾西のご飯シリーズを比較した際には、尾西のパッケージは薄いな〜と感心したものですが、アルファー食品の安心米は尾西をはるかに上回る薄さです。
※補足:最近の尾西のアルファ米は、以前よりも空気量を減らしているようでだいぶ薄くなっています。
袋内の空気がこれでもかっ!というくらい抜いてあるので、上下に振っても内容物にほとんど動く気配がなく、アルファ米が奏でるカサカサッという音もほとんど聞こえてきません(まあ、しかし、この薄さがかえって問題となるのですが…それは後ほど)。
最も厚みがある部分でも約1cm程だったので、保管スペースを特に重視しているような方には、このアルファー食品の安心米シリーズは特にお勧めかもしれません。
では、封を切って中身を拝見してみましょう。
アルミ袋の上部両サイドに切り口があるで、ハサミなどは特に必要ありませんが、何度も言うように私は不器用なので、見た目も考え、今回もハサミを使わせていただきます。
と、ここで、あるアクシデント発生!
ハサミを使ってジョキジョキ切った後、いざ開けようと思った瞬間、切り口から赤飯がパラパラとこぼれ落ちてきたのです!
なぜに !?
…と一瞬思いましたが、どうやらこの現象は、袋内の空気を極限状態まで抜いてしまっていることに問題がありそうです。
というのは、アルファー食品の安心米シリーズは、袋内の空気を減らした分、中に入っているアルファ米が切り口ラインぎりぎりまで詰まっているので、切り口ラインからの切り方によっては、切ると同時にアルファ米がこぼれ落ちてしまうようなのです。
そのため、赤飯に限らず安心米の袋を開封する際は、内容物をこぼさないよう、くれぐれも慎重に取り扱ってください。
さて、トラブルを乗り越え、封を切って口を広げると、赤飯のあのなんとも言えない独特の香りが鼻を刺激し、食欲をそそります。
袋中にはスプーンと脱酸素剤が入っており、アルミ袋内側にプリントされている注水線の表示もシンプルで分かりやすい(どことなく、尾西と似ていますね)。
開封直後は小豆の量が少し少ないかなという印象を受けましたが、袋を軽く上下に振ってみたところ、カサカサッという乾いた音とともに、底の方から大量の豆が顔を出してきました。
その状態が、こちらの画像です。
意外と入ってます。
ちなみに、アルファ米と小豆をいくつか手に取って眺めてみましたが、乾燥しているので、この時点では色・ツヤはあまりよくありません。
アルファ米については、調理する前に1粒食べてみましたが、これがやけに硬い!
尾西やサタケのアルファ米とは、また少し違った食感でしたが、これはうるち米ではなく、もち米であるということが少なからず影響しているのでしょうか。
ガリガリッ(あるいはパリパリッ)とした音や歯ごたえと乾燥具合が、尾西やサタケのものよりも若干強めに感じましたが、基本的に、この状態で食べるものではないので、よく考えれば、どうでもいい感想かもしれません。
なお、とにかく非常に硬いので、歯の弱い方は歯が欠ける前にやめた方が賢明です。
では、さっそくお湯を注いでみましょう。
安心米のパッケージ裏面に書かれている「赤飯の作り方」を見る限り、その調理方法は、どのメーカーのものも、ほぼ一緒で、お湯(あるいは水)を注水線ラインまで注いだら、かき混ぜてしばし待つ!
それだけです。
しかし、アルファー食品の安心米の調理時間は、どうやら少し長めのようで、尾西やサタケの15分よりも5分ほど長い20分(これは赤飯がもち米だからというわけではないようで、安心米シリーズの調理時間は20分※のようです)と書いてあります。
※補足:商品改良したのか、現在の安心米シリーズは、熱湯を注いだ場合の調理時間が15分に短縮(赤飯は除く?)されています。
アルファ米はパンや麺類とは違って、調理時間が少し長いという欠点がありますが、待てと言われれば待つしかありません。
そこで、注水線までお湯を注いでみたところ、先ほど小豆を上に持ってきてしまったのが仇となり、お湯を注ぐとプカッと浮いてしまったため、注水線が隠れてしまってとにかく見づらい・・・!
お湯を注ぐ際には、小豆はできるだけ下に押し込んでおいた方が良さそうです。
また、ここでもちょっとしたアクシデントが発生!
アルファ米の調理方法はどれも一緒だろうと作り方をよく読まなかった私がいけないのですが、先にも説明したように、アルファー食品の安心米シリーズはパッケージの薄さが尋常ではない!
そのため、袋の上だけをちょっと広げた程度で湯を注いてしまうと、正確な湯量(130mlらしい)にならないのです。
私はその点に気付かずに湯を注いでしまったため、かき混ぜていると徐々に袋の底が広がっていき、思ったよりも湯量が少ないことに気付きました。
そこで、急遽、新たに湯を注ぎ足しましたが、既にアルファ米や小豆がある程度水分を吸収してしまっているようなので、追加した湯量が、果たして正しかったのかどうか・・・
パッケージ裏面の作り方をよく見ると、イエローマーカーで袋の底をよく広げて…≠ニ書いてあるので、これは私のミスですが、ここでも袋が薄すぎたことが、かえって裏目に出てしまったようです。
もちろん、アルファー食品さんが悪いわけではないので、この食レポ記事をご覧になっている方は、今回、私が犯したミスを教訓に、安心米を調理する際には、ぜひ上記2点は特に注意してほしいものです。
20分経過後、袋を開けてみると、赤飯は下記画像のような感じに仕上がっています。
アルファ米も小豆も、水分を吸ってふっくらとしており、色・ツヤもよさそうです。
また、赤飯のいい香りも立ち込めてくるので、見た目はとても美味しそうに見えます。
冷めないうちに茶碗に移し替えてみましたが、見る限りでは、とても乾燥したアルファ米や小豆で作った赤飯には見えないクオリティーです。
これは、味の方も期待がもてそうです。
では、さっそく食べてみましょう。
アルファ米は少し硬めですが、うるち米とはまた少し違った、もち米らしいもっちりとした食感が感じられ、なかなかの再現力ではないでしょうか。
一方、小豆の方はというと、豆の味が弱く、やや物足りない気がします。
また、これは私の調理方法(かき混ぜ方や湯量など)に問題があったのかどうかはわかりませんが、ものによって硬いものがあったり柔らかいものがあったりと、小豆の硬さにムラがありました。
そして、なんといっても一番気になったのは、その味の薄さ・・・
赤飯としての香りはそれほど悪くないのですが、とにかく味が薄い!
袋を薄くした分、味の方も薄くしてしまったのかどうかはわかりませんが、これはちょっと薄味すぎるので、非常に味気のない赤飯になってしまっています。
そこで、ふと私は、この赤飯には何かが足りないと感じました。
何が足りないのだろう、この違和感はなんだ?と考えてみたところ・・・そうです!
この赤飯にはゴマ塩がない!
靴下を履いている石田純一くらい違和感を感じていた私がようやく気付いたことは、ゴマ塩でした。
そこで、ゴマ塩の足りないこの赤飯のために、さっそく自らゴマ塩を作り、振りかけてみたものがこちら。
なかなかいい感じじゃないですか。
では、一口いただいてみましょう。
―――― うん!やはりこの塩気が赤飯の味を引き立て、いいアクセントになっています。
ゴマ塩を振りかけることで、味の方はだいぶ良くなりました。
ちなみに、尾西の赤飯【食レポ51】にはゴマ塩が付いています。
これだけ味が薄いのに、アルファー食品は、なぜ安心米の赤飯にゴマ塩を付けないのか?
その点が非常に残念でならず、個人的にはマイナスですが、総合的な味や食感に関しては、十分においしいと感じられる一品で、腹持ちもいいことから、赤飯好きな方は、非常食として備蓄しておいても満足の行くレベルかと思われます(ただし、ゴマ塩にこだわるなら、尾西を選択した方がよいのかも…)。