今回、試食するのは、美味しい防災食シリーズの牛丼の具です。
美味しい防災食シリーズは、以前、豚汁【食レポ16】を紹介しているので、今回で2品目となりますが、あくまでオカズ的な非常食なので、牛丼は牛丼でも具≠オかありません。
そこで、どうせならご飯も用意して、牛丼にしてから食べてみようと思いますが、ご飯は賞味期限がそろそろ切れそうなパック飯がいくつか残っているので、アルファ米ではなく、テーブルマークのパック飯を使ってみたいと思います。
私が手にしているこちらのレトルトパウチが、今回試食する美味しい防災食シリーズの牛丼の具です。
一見、どこにでもありそうな市販のレトルト食品と変わりありませんが、賞味期限が製造日から5年間と非常に長く、一般のレトルト食品に比べて長期保存か可能なので、おそらく袋の構造や素材などに違いがあるのでしょう。
※ 補足:美味しい防災食シリーズは調理済みの食材をコンピューター制御による多段階の温度管理・殺菌システムで処理し、4層アルミパウチ袋に不活性ガスを充填・密封することで美味しさそのままに常温での長期保存を可能としたUAA(ウルトラアンチエイジング)製法という新技術を採用しています。
では、いつもどおり、パッケージチェックからしていきたいと思いますが、下記参考画像からも分かるように、特にこれといって目を惹くような点はありません。
ちなみに、1食分当たりのエネルギーは170キロカロリーで、この牛丼の具も豚汁と同じく、温めずに開封して、そのまま食べても美味しいとのこと。
この温めずに常温のまま食べられるというのが、美味しい防災食シリーズのウリ(特徴)のひとつですが、常温の豚汁は、正直、美味しくなかった(温めたら、まずまずの味)ので、牛丼の具に関しても、その点は若干の不安が残ります。
とはいえ、災害時には火や水、家電製品が使えないことも十分考えられることから、ここはひとまず、常温のまま食べてみたいと思います。
では、さっそく封を切ってみましょう。
開封すると、ニンニクと生姜の効いた牛丼っぽい香りが袋の中から香ってきます。
パウチの内側には、思ったとおり、若干脂≠ェ付着していますが、豚汁に比べれば、それほど気になりません。
このままでは食べづらいので、小鉢に牛丼の具を移し替えてみましたが・・・
・・・!?
ご覧のとおりの有様で、肉や玉ねぎ、タレの量がとにかく少ない!
幼い子供ならまだしも、食べ盛りの学生や大人が食べる量にしては、あまりにも少なすぎます。
また、何よりこれではパッケージにプリントされていたイメージ画像とはかけ離れ過ぎているので、別物では?と二度見してしまうほどです。
美味しい防災食シリーズの牛丼の具は、価格もそこそこする(630円)ので、この内容では、とても値段に見合う非常食とは思えず、人に勧めることはできません。
アルファフーズさんは、この点をどう思っているのでしょうか?
別にアルファフーズさんをフォローするつもりはありませんが、豚汁は具の量が多かったので、この牛丼の具に関しては、具の量(特に牛肉)を、今後、見直してほしいところです。
この時点でかなりテンションは下がってしまっていますが、もしかしたら味の方はいいかもしれません。
気を取り直して、さっそく常温のまま食べてみましょう。
まずは、タレの方から・・・
―――――― やや甘めのタレで、ニンニクや生姜の香りがほんのりと効いています。
塩分濃度は薄すぎず、かといって濃すぎないので、このまま食べる分にはちょうどよい感じですが、牛丼にして食べると少し薄く感じるかもしれません。
次は、牛肉を食べてみましょう。
とにかく量が少ないので貴重ですが、サイズの大きな具は下記画像@Aに載せた2枚くらいで、1枚はほぼ脂身です。
味の方はというと、ややボソッとした締まった感じの肉で、牛肉特有の肉臭を感じます。
また、噛むとホロホロと崩れてしまい、美味しいという印象はありませんが、レトルトであれば、この程度の味は許容範囲といったところかもしれません。
最後は玉ねぎです。
よく見ると、タレに溶けてしまったものも多いようなので、玉ねぎに関しては必ずしも量が少なすぎたというわけではなさそうです。
気になる味の方はというと、どれもほとんど溶けはじめているので、玉ねぎのシャキシャキ感はほとんど感じられませんでした。
しかし、一通り食べてみて分かったことは、この牛丼の具に関しては、豚汁とは違い、特に温めなくてもそれなりに食べられるということです。
では、常温の味を確認したところで、次は牛丼を作ってみたいと思います。
ご飯は冒頭でも説明したように、テーブルマークのパック飯を使用します(200g:お茶碗1.3杯分)。
パック飯は熱湯調理で温めることもできるようですが、それでは10分以上かかってしまうため、今回は電子レンジ(500〜600Wで約2分)を使って温めることにします。
下記画像のように天面フィルムを点線まで開けたら、後は電子レンジに入れて温めるだけです。
前にアルファ米とパック飯の食べ比べ【食レポ17】をしましたが、味の方は圧倒的にパック飯が上です。
アルファ米に比べると、パック飯(長くても1年程度)は賞味期限が短く、水で調理することができないといった欠点もありますが、味に関してはアルファ米よりもはるかに美味しいので、いくつかストックしておくのもよさそうです。
さて、話を戻しますが、このテーブルマークのパック飯を丼に移し替え、電子レンジで温めた先ほどの牛丼の具をご飯の上からかけてみました。
その画像がこちらです。
うーん・・・
用意した丼のサイズがデカすぎたという私の選択ミスもありますが、なんでしょう・・・この切ない感じの牛丼は・・・
最初から牛丼を作るつもりでいたので、先に食べた試食の時は、具はほとんど食べずに残しておいたのですが、それでもこんな有様です。
美味しい防災食の牛丼の具を使って、そこそこ牛丼に見えるような丼ものを作るには、タレはともかく、具に関しては3袋程度は必要かもしれません。
しかし、このまま待っていても、具が増えることはないので、冷めないうちにいただいてしまいましょう。
タレや牛肉、玉ねぎの味や食感に関しては、温めた方がやや美味しいと感じたくらいで、後は先に常温で食べた時と、ほとんど変わりありません。
強いて違いを挙げるとすれば、ご飯と一緒に食べることでタレの味がやや薄く感じてしまったことくらいでしょうか。
美味しい防災食シリーズの牛丼の具を食べてみましたが、今回は味や食感がどうこうよりも、具の量の少なさに衝撃を受けてしまいました。
避難生活での楽しみのひとつは食事だと言う人も多いので、どうせなら味や食感だけでなく、見た目にもある程度食欲をそそるような非常食をストックしておきたいものです。
そう考えると、やはり、この美味しい防災食シリーズの牛丼の具は、味に関してはともかく、見た目が期待はずれすぎるので、今のままの状態で販売し続けるのであれば、価格に見合うだけの商品とは思えず、私個人としては、人にお勧めすることはできない!という残念な印象をもつ非常食となってしまいました。
しかし、美味しい防災食はシリーズ化されているので、今回の牛丼の具は残念な結果に終わってしまいましたが、前に食べた豚汁のように、具が多く、それなりに満足できるメニューは他にもあるかもしれません。
そこで、美味しい防災食シリーズについては、これに懲りず、今後も引き続き他メニューを試食し、ああだこうだと好き勝手に感想を述べながら、随時紹介していきたいと思います。