今回の食レポは、少し趣向を変えて、アルファ米とパック飯を食べ比べてみたいと思います。
なお、試食する対象商品は、アルファ米の方がアルファー食品の安心米の白飯、一方、パック飯の方は越後製菓の越後のごはんです。
参考までに両製品の基本情報を下記表にまとめてみましたが、こうして比較してみると、やはりアルファ米の方が、総合的に見ると非常食としては優れているように思えます。
商品名 | ||
賞味期限 | 常温で5年 | 常温で7年 |
価格 | 250〜300円前後 | 100〜150円前後 |
調理時間 | 20分(お湯) 60分(水) |
2分(電子レンジ) 15分(湯煎) |
スプーン | あり | なし |
原材料 | うるち米 | うるち米 |
内容量 | 100g(調理後270g) | 200g |
しかし、味に関してはアルファ米はあまりおいしくないといったイメージが強いのも事実です。
最近は賞味期限は多少短くても、普段の食事と変わらない食料を非常食として備えるローリングストック法と呼ばれる備蓄法も提唱されているので、必ずしも安心米のような長期保存食の備蓄がベストな対策というわけではないようですが、近年のアルファ米は製法も進化し、一昔前のものよりもだいぶ美味しくなったと言われています。
実際、私自身もこの食レポで尾西のわかめごはん【食レポA】やマジックライスのドライカレー【食レポC】など、メーカーの異なるアルファ米をいくつか食べてきましたが、確かに完食できないほどマズかった!という思い出はなく、また味についてもそれほど悪くはなかったという印象があります。
しかし、パック飯などと食べ比べたことはないので、その差はよくわかりません。
そこで、味や香りによるごまかしのきかないアルファ米の白米とパック飯とでは、どちらがよりおいしく感じるのか…!?
あくまで私個人の独断と偏見による感想(評価)になってしまいますが、両製品を食べ比べてみたいと思います。
食べ比べるご飯は、アルファー食品の安心米:白飯と越後製菓の『越後のごはん』ですが、商品の基本情報は先に示した表のとおりです。
なお、今回の食レポは、あくまでアルファ米とパック飯の味や食感を食べ比べることが目的なので、それ以外の説明(パッケージチェックや調理方法など)については軽く流させていただきます。
安心米の調理方法や調理過程などを詳しく知りたい方は、安心米の赤飯【食レポL】のページをご覧ください。
では、本題に戻りましょう。
安心米の白飯と越後のごはんのパッケージデザインや記載情報はご覧のとおりです。
アルファ米は一度炊いた米を乾燥させているので、水分がない分、パック飯の越後のごはんに比べると、総重量は約半分(ちなみに、安心米の内容量は100gですが、調理後は270gと倍以上に増えるので、結果的には越後のごはんよりも量は多い)となります。
そのため、保管スペースもそれほど取らず、軽くて持ち運びしやすいといった利点があります(特に安心米のアルファ米は袋内の空気が抜いてあるので、保管スペースが少なくて済む)。
下記に示す画像は調理前のごはん粒を手に取ってみたものですが、越後のごはん(パック飯)の方は、真っ白でツヤや粘り気があり、既にふっくらとした形状をしているので、このままでもイケるんじゃないかと思えなくもありません。(まあ、実際は硬いんですが…)
一方、安心米の白飯の方はというと、カッピカピに干からびてヒビ割れた状態の米粒で、水分がないため、非常に軽く、袋の中ではシャラシャラと軽い音を奏でています。
また、パック飯とは比較にならないほど非常に硬いので、こちらはお世辞にも美味しそうには見えません。
ちなみに、匂いに関しては、越後のご飯は無臭、安心米の白飯の方は、鼻を近づけると、なんとなくビニール臭いような気がしないでもない・・・といったところでしょうか。
では、それぞれのご飯の調理に入りますが、完成までの時間に差があるので、同じ時間に出来上がるよう、まずは安心米の白飯の方から取り掛かることにします。
アルファ米は、どのメーカーの商品も出来上がるまでに15〜20分前後かかるので、調理時間が長いというのがやや難ですが、パック飯とは違って、最悪の場合、水さえあれば作れないこともないので、状況を選ばないという点で非常食向きであるのは間違いありません。
ただし、水で戻すとなると60分も待たなければならないので、個人的には他の食料で済ませられるなら、そこまでしてご飯を食べたいという気持ちにはなりませんが・・・
一方、越後のご飯は、電子レンジさえ使えればたったの2分で完成です。
特に水やお湯も必要なく、パッケージに書かれている指示に従い、点線まで封を開けたら、レンジでチン(500〜600Wで2分)するだけです!
それぞれ調理した結果、出来上がった直後のホカホカご飯が、下記4枚の画像です。
パック飯である越後のごはんの方は、温める前と後を見比べても、あまり何の変化も見られないように感じられますが、安心米の白飯の方は、大きな変化が見られます。
では、冷めないうちに、それぞれのご飯を器に移し替えてしまいましょう。
ちょっと遠目から撮影してしまったのと、よそり方の問題で、分かりづらい画像となってしまいましたが、量に関しては、安心米の白飯の方が出来上がり後は約270gに増えるので、越後のごはん(200g)よりもやや多めとなります。
さて、こうして隣に並べて、ご飯を比較してみると、アルファ米とパック飯の出来上がりが、見た目にも大きな差があることがわかっていただけるのではないでしょうか。
パック飯の方は、どの粒もしっかりとしており、ほとんど潰れていません。
一方、アルファ米で作った安心米の白飯は、なんとなく水気が多く、米の粒も潰れたものが目立つような気がします。
では、気になる味の方はどうなのか?
さっそく食べ比べてみましょう。
アルファ米とパック飯、最初にどちらを食べるべきか迷いましたが、まずはパック飯である越後のごはんから食べてみることにしましょう。
―――― うん、これは美味しい!
一粒一粒がしっかりとして米粒であることを主張しており、色ツヤもよく、なんといってもモチッとした食感が感じられるご飯です。
また、そこそこ甘みもあるので、下手に炊飯器で炊くよりもウマい!
最近のパック飯が、こんなに美味しくなっていたとは驚きです。
では、次にアルファ米で作った安心米の白飯をいただいてみましょう。
―――― これは、正直、なんというか、ぶっちゃけ、マズイ!
前にアルファ米を食べた時は、意外と美味しく感じたはずなのですが、改めて食べてみると、お世辞にも美味しいとは言えません。
具体的に、どう美味しくないのかというと、まずなんといっても食感が悪く、米の甘みもまったく感じられないため味気がないということでしょうか。
口に入れると、べショッとしているのに、なぜかポソポソとしたパサつき感も同時に感じるため、なんとも表現しがたい複雑な悪い意味での新食感となってしまっています。
また、調理前に多少気になっていたビニール臭さというか独特の臭いが、出来上がり後は、さらに増しているように感じられたため、その匂いも食欲を削ぐ一要因となっているようです。
私の鼻は、それほど敏感ではないのですが・・・
これまで食べたアルファ米は、どれも味付きであったので、その香りにごまかされていたのか・・・それとも、パック飯と食べ比べてしまったため、そのクオリティの差が、かえってアルファ米の欠点を際立たせてしまったのかは分かりませんが、いずれにせよ、安心米の白飯は、正直、もうあまり食べたくはないかなという気持ちにさせます。
ちなみに、冷めたら味はどう変化するのか(といっても、放置時間は10分程度)も実験してみたところ、パック飯は冷めても相変わらずモチッとした食感をキープしており美味しい!
しかし、アルファ米の方は、ポソポソ感がより際立つようで、ますます食べにくい食感と味のご飯となっていました。
アルファ米とパック飯を食べ比べてみた結果、味に間しては、予想していた以上に歴然の差が出てしまいましたが、パック飯の賞味期限はアルファ米に比べると非常に短いので、消費者がこの点をどう評価するかが、非常食選びの際の選択基準になるかもしれません。
別にフォローするつもりはないのですが、安心米の赤飯は、なかなか美味しかった(でも、あれはもち米…)し、味付きのアルファ米は、メニューにもよりますが、結構美味しく感じられるので、白米以外のアルファ米であれば、メーカー問わず、個人的には一度試食してみて欲しい非常食です。