以前、サタケのマジックライス:ドライカレー【食レポC】を食べましたが、サタケはマジックライス以外の長期保存食も製造販売しています。
そこで、今回はマジックパスタのカルボナーラを試食してみます。
ご飯やパンといった長期保存食は複数のメーカーが製造販売していますが、パスタとなると、これまであまり目にしたことがありません。
どうやら業界初のアルファ化パスタのようで、パスタまで非常食にしてしまおうというサタケさんのチャレンジ精神には頭が下がります。
非常食も日々進化しており、こうした日本企業の技術はもっと世界にアピールするべきだと思いますが、長期保存できるパスタとは、果たしてどんな味がするのか、さっそく試食レポといきましょう!
サタケのマジックパスタは、カルボナーラとナポリタン、そしてペペロンチーノの3種類の味が楽しめますが、今回、私が試食するのはカルボナーラ味です。
個人的にはナポリタンも好きなので、どちらにするか迷いましたが、ナポリタンは賞味期限が短いので、より非常食に適していそうなカルボナーラ味の方を優先することにしました。(追記:ナポリタン味【食レポ25】についても試食済みですが、現在は製造終了。その代わりに、きのこのパスタが新たに追加されました。)
※補足:カルボナーラ味とペペロンチーノ味の賞味期限は5年間、一方、ナポリタン味の賞味期限は2年間。味によって賞味期限が異なるので要注意!
では、いつもどおり、まずは商品パッケージからチェックしていきましょう。
マジックパスタに使用されているパッケージの形状は、袋内の空気量が多いという点も含めて、マジックライスとほぼ一緒です。
ただし、内容量については、マジックパスタの方がマジックライス(100g)よりも、やや軽め(カルボナーラは71g)のようです。
また、外装のパッケージデザインがとても今風で、プリントされているカルボナーラの写真がとても美味しそうに見えます。
気持ちが沈みがちな災害時に手に取れば、食欲をそそり、少しは元気が出てきそうな気分にさせてくれそうなので、かつての非常食で見られがちな地味な印象を完全に払拭している点で個人的には好印象です。
また、パッケージチェックをしていて意外に驚いたのが、そのカロリー。
カルボナーラというと、なんとなくハイカロリーなイメージがありますが、マジックパスタのカルボナーラ味はなんと271kcal!
このカロリー表示を見ると、非常食としてでなく、ダイエット食としても使えそうな気がしてきます。
一方、パッケージ裏面には、調理方法や使用上の注意、原材料、賞味期限といった基本的な事項が記載されていますが、このマジックパスタも、やはり賞味期限の表示方法が少し地味に感じます。
それでは、封を開けてみましょう。
これまで散々失敗してきたので、今回もハサミを使って切りましたが、もちろん素手でも簡単に切れるようパッケージ上部の左右には切り込みが入っているので、ハサミが無くても心配ご無用です。
マジックパスタ:カルボナーラ味の袋内に入っているパスタ以外のものを取り出すと、脱酸素剤にプラスチック製のスプーン、そして粉末ソースの3点が出てきます。
ちなみに、マジックパスタ用のスプーンはマジックライス用のものに比べると、サイズがやや大きめに作られています。
また、パスタなのになぜスプーン?
と、一瞬ツッコミを入れたくなりましたが、このマジックパスタで使用されている麺はロングパスタではなく、ショートパスタなので、スプーンでもまったく問題ないようです(後述しますが、むしろフォークだと先が尖っているタイプのものであれば問題ありませんが、安全性を重視した先が丸みを帯びているタイプのフォークだと、かえって食べづらいかも…)。
さて、気になるめん≠フ方は、軽くひねりが入ったフジッリ系のショートパスタのようです。
手に取ってよく確かめてみましたが、見た目は市販の乾麺とほとんど変わりありません(どこか違うのかな?そこら辺は未調査…)。
また、味付けは粉末ソースで行うため、パスタからは特に食欲をそそるような香りや匂いはしません。
では、パッケージ裏面の調理方法に従って作ってみたいと思いますが、調理方法に目を通すと、どうやらマジックパスタはお湯限定のようです。
したがって、もし水を使って調理する場合は電子レンジが必要になってきます。
災害時は必ずしもお湯が手に入るとは限らないので、水と湯、どちらでも調理できるマジックライスに比べると、この点はマイナス点かもしれません。
※補足:マジックパスタを水で調理して食べ方のブログを読んだことがありますが、その人曰く「ところどころ芯はあるが、問題なく食べられるレベル」だそうです。ただ、私は水で調理していないので、味や食感についてはコメントできません。
しかし、マジックパスタにはマジックライスのようなアルファ米にはない利点があります。
それは調理時間です。
サタケに限らず、アルファ米は湯を注いでから食べられる状態になるまで約15〜20分程度(水の場合は約60分)かかりますが、マジックパスタは、お湯を注ぐとたったの3分で出来上がります。
この調理時間はカップ麺並みの早さなので、お腹が減ったら直ぐに食べられる即効性という点においては、マジックパスタの方が分がありそうです。
では、注水線のラインまで熱湯を注ぎ、よくかき混ぜてからチャックをします。
3分間待って開封したものが、こちらの2枚の画像です。
パスタの方は、ちょうどいい感じの硬さに茹で上がっているように見えますが、どうなんでしょうか。
ただ、一点気になることは、よく見ると、結構な量のお湯がまだ残っているということです。
指示どおり、注水ラインまでしかお湯は注いでいないはずですが、何か手違いがあったのでしょうか・・・
とはいえ、麺が伸びてしまっては、この後に待っている味の評価に支障をきたすので、あまり考えている暇はありません。
手早くカルボナーラの味を左右するであろう粉末ソースを投入して、再度、よくかき混ぜてみます。
すると、透明だったお湯が徐々に乳白色に変わっていき、さらにかき混ぜ続けると、さっきまでサラッとしていた液体が少しずつとろみをもちはじめました。
なるほど・・・
先ほどは水気が多いと感じましたが、このとろみ感をもたせるには、ある程度、水分を残しておいた方がよいということなのでしょう。
画像ではうまい具合にとろみが伝えきれていませんが、実際はなかなかいい感じのカルボナーラソースが出来上がっているように見えます。
完成したカルボナーラパスタは袋のままスプーンですくって食べることもできますが、ここはとりあえずお皿に移し替えてみましょう。
器に取り出してみると、1食分の量は、それほど多くないように感じますが、粉末ソースを溶いて絡めたマジックパスタからは、いい香りがしてきます。
とても、お湯を注いで3分間待っただけのものとは思えないほど、美味しそうに見えます。
これは、前回の試食レポで食べた水もどりあんこ餅【食レポ7】とは違って、味の方も十分期待が持てそうです。
では、さっそくいただいてみましょう。
――― ウマい!!
いや、これは自分が想像していた以上にうまい!
この試食レポのために、メモや写真を撮りながら調理していたため、若干、パスタの食感が心持ち柔らかく感じますが、それでも適度に弾力があり、その噛みごたえは悪くありません。
ソースの方もクリーミーで濃厚というよりは、比較的、あっさりめのとろみがかったカルボナーラソースですが、スパイスが程よく効いており、後からそのピリッとした刺激が口の中に広がるため、いい感じのアクセントになっています。
そこそこ大きめの玉ねぎも入っており、シャキシャキッとした食感が楽しめるのもgood!
災害時には手に入りにくいと思われますが、好みによって粉チーズやイタリアンパセリなどを振りかけると、より一層、風味が増し、美味しくなるような気がします。
また、画像にも見られるように、何やらそこかしこに赤い固形物(原材料が何なのかは不明…)が見えますが、この物体がベーコンらしい風味や食感を醸し出しているようなので、体にはあまり良くなさそうな色合いですが、好きな人は好きな具と言えそうです。
ただし、あっさりめのソースとはいえ、とろみがある分、このカルボナーラを食べていると水分が欲しくなってきます。
そのため、災害時の状況によっては、水が貴重になってくることも考えられるので、状況によっては避けた方が良い非常食になるかもしれません。
サタケのマジックパスタはあまり美味しく感じられない・・・といった口コミもないことはないのですが、私個人の感想としては、味については十分満足の域です。
今回の食レポを読んで、パスタの非常食に関心を持った方には、是非一度、自分の舌で味わって評価してもらいたい一品です。