あなたはアナフィラキシーショック≠ニいう症状をご存じでしょうか。
アナフィラキシーショックとは、急性の過敏性アレルギー反応(最悪の場合、生死に関わる)のことで、ショック症状を起こす食物アレルギー患者は原材料にアレルギー反応を示す食材が使われていると、食べたくても食べることができません。
したがって、たとえ非常事態であっても、命にかかわるような物質が含まれる食品は、決して口にすることができないのです。
最近はアレルゲンフリーの非常食も少しづつ増えてきてはいますが、まだまだ少ないというのが現状です。
そこで、今回は少し視点を変え、食物アレルギーの方でも食べられる可能性が高い(100%ではない)サタケの『しそわかめご飯』※を試食してみたいと思います。
※補足:しそわかめご飯は平成27年5月で生産終了。在庫が無くなり次第、購入できなくなりますが、新たにわかめご飯≠ネどのアレルゲン対応食品を発売しています。
今後もアレルゲンフリー非常食は取り上げていきたいと思いますが、アレルギー体質の方の非常食探しに少しでも参考になれば幸いです。
マジックライスは、株式会社サタケが製造販売する乾燥米飯(いわゆる、アルファ米)ブランドのことで、当食レポでも過去にドライカレー【食レポ4】や五目ごはん【食レポ30】などを紹介してきましたが、冒頭でも触れたように、今回、試食する『しそわかめご飯』は、食物アレルギー体質の方でも、比較的、口にしやすい非常食となっています。
しかし、マジックライスシリーズの全商品がアレルギー対応というわけではないので、あくまで、一般的な非常食に比べると食べられる可能性が高い食品と理解しておいてください。
それでは、本題に戻って、まずは恒例のパッケージチェックからはじめていきましょう!
こちらがサタケのマジックライス『しそわかめご飯』(1個300円(税抜き)で購入)です。
マジックライスは、器のいらないスタンドパック式のパッケージを採用、スプーン付き、賞味期限5年間といった点は、他のメジャーなアルファ米ブランド(例:尾西のごはん、アルファー食品の安心米)とほぼ同じですが、2通り(ごはん or 雑炊)の食べ方ができる注水線(他のアルファ米も同じような食べ方が出来ると思われますが、目安となる注水ラインは1通りのみというのが一般的)が示されていること、そして、袋中の空気量がやや多め(空気量の少ない尾西やアルファー食品のアルファ米に比べると、若干、保管スペースをとる)という2点が特徴的なアルファ米商品です。
さて、この『しそわかめご飯』ですが、パッケージをよく見ると、内容量が少し少なめなことに気付きました。
というのも、私が知るかぎり、マジックライスの内容量は、どれも100g(おかゆは除く)かと思っていたのですが、私の手元にある『しそわかめご飯』は77gと記載されており、さらに食べきり≠ニいう言葉に置き換えられていたのです(以前は、確か保存食≠ニ書かれていたはず…)。
そこで、その疑問を解決すべく、サタケのお客様相談窓口に問い合わせてみたところ、次のような返答が返ってきました。
通常タイプと食べ切りサイズの2種類の商品を販売 『しそわかめご飯』は、平成27年5月に生産終了!(新たに『わかめご飯』を発売) |
内容量を減らした食べ切りサイズと通常タイプの2種類あることが判明したことまでは良かったのですが、まさか『しそわかめご飯』そのものが既に生産終了していた!という衝撃的な事実を知ることになり、若干ショックを受けています(平成27年7月に試食)。
うーん・・・今後、この食レポが参考にならないという現実を突きつけられてしまい、モチベーションが下がってしまいましたが、在庫はまだ残っているようなので、しばらくは購入できるのではないでしょうか(たぶん…)。
一方、パッケージ裏面には原材料や栄養成分表、賞味期限、調理方法など、商品に関する基本情報が記載されていますが、注目すべきは、食物アレルギーに関する情報です(アレルギー反応のない方は別ですが…)。
マジックライスはアレルゲンフリーの味付きアルファ米商品を何点か販売しているため、食品衛生法に基づく特定物質25品目に関する情報をしっかりと記載しています。
ただ1点、ここで注意してほしいことは、国が指定するアレルギー物質は、平成27年6月末現在、下記に示す27品目に増えている(平成25年9月にゴマとカシューナッツの2品目を新たに追加)ということ!
特定原材料 | 卵 | 乳 | 小麦 | えび | かに | そば | 落花生 | |||
特定原材料に準ずるもの | あわび | いか | いくら | オレンジ | キウイフルーツ | 牛肉 | くるみ | さけ | さば | 大豆 |
鶏肉 | バナナ | 豚肉 | まつたけ | もも | やまいも | りんご | ゼラチン | ゴマ | カシューナッツ |
つまり、表示すべきアレルギー物質は、今後、さらに増えていくことも考えられるため、現時点における指定物質以外にアレルギー反応を示す体質の方は注意が必要です。
ちなみに、『しそわかめご飯』は、平成25年9月に新追加されたアレルギー物質であるゴマ≠ノひっかかるため、現在はアレルギー対応食と表記するわけにはいかなくなってしまいました。
とはいえ、他の品目はクリアしているため、『しそわかめご飯』は、食物アレルギー体質の方でも、比較的、口にしやすい非常食と言えるのではないでしょうか。
それでは、パッケージチェックはこのくらいにして、袋を開封してみましょう!
パッケージの左右どちらからでも開けられるように切り込みの入った切り口があるので、鋭利な刃物などがなくても素手で簡単に開けることができます。
開封すると【上記画像】のように、アルファ米と一緒にスプーンと脱酸素剤が無造作に放り込まれているので、忘れないうちに取り出してしまいましょう。
乾燥米は例によって無味無臭で硬く、袋の中でシャラシャラと音を立てていますが、注意深く観察してみると、米とわかめの他に白ごまが混じっています。
赤飯などのアルファ米にごま≠ェ付いている場合、調理後に振りかけるよう小袋に入っていますが、しそわかめご飯は、はじめからゴマを混ぜてしまっているようです。
注水線はパッケージの内側に2本引かれており、ラインはしっかりと色分けされているので、ご飯と雑炊の注水量を間違えるということもなさそうです。
それでは、さっそく手順に従って調理してみたいと思います。
マジックライスは水でも調理できますが、出来上がるまでに時間がかかりすぎる(60分)ので、今回も熱湯を使って、雑炊ではなくご飯≠作ってみました。
付属のスプーンの柄が短いため、熱湯を注いだ後、ややかき混ぜにくいという問題点もみられますが、それ以外は特に気になる点もなく、調理自体は簡単です(注水後、かき混ぜたら、チャックを閉めて15分ほど待機…)。
ちなみに、調理に関するアドバイスをひとつさせてもらうと、熱湯(あるいは水)を注ぐ前に、必ずしっかりと袋の底を広げるようにしてください。
というのも、中途半端に広げた状態で熱湯を注いでしまうと、指示された正確な注水量にならないため、水分の足りない堅いご飯が出来上がってしまう恐れがあるためです。
こちらが完成した(15分後)しそわかめご飯です。
開封直後は、どうしても袋の形にご飯がよってしまいますが、スプーンで軽くかき混ぜてほぐせば、それなりに見栄えも良くなるはずです。
なお、マジックライスはスタンドパック式のパッケージを使用しているため、袋がそのまま器となりますが、今回は食レポなので、内容物が分かりやすいよう、めし椀に移し替えています。
こちらが、めし椀によそった『しそわかめご飯』です。
77gの乾燥米飯が、調理後は187gにまで増えるため、茶碗の大盛りよりも少し少なめと言ったところでしょうか。
米に対するワカメの量は、ちょうどよく、少なくもなければ多過ぎるということもなさそうですが、袋の底の方に溜まっていたアルファ米が、やや水っぽく感じられ、べちょっとしていたのが気になります(注水量を見誤ったのか、それとも、かき混ぜ方が不十分であったのか…)。
それでは、さっそくいただいてみましょう!
釜で炊いたご飯に比べると味はだいぶ落ちますが、アルファ米特有のもそもそ感を除けば、十分ご飯を食べているという実感はあります。
また、薄味ながらも塩気がしっかりと効いており、ワカメのコリッとした食感とゴマの香ばしさ(ただ、しそに関しては存在感が薄く、味や風味があまり感じられない…)も食欲をそそるため、非常に食べやすいあっさりとした味付けに仕上がっているように思えます。
そのため、『しそわかめご飯』は、どちらかというと若者より年配者の方に好まれそうな一品ではないでしょうか。
私がこれまで食べてきた経験から言うと、アルファ米は、どちらかというと洋風(ピラフ、カレーなど)よりも、和風(きのこ、ワカメなど)の味付けの方が食べやすいような気がするので、味付きのアルファ米をどれにしようか迷っているという方は、今回、取りあげたワカメ系やきのこ系の商品を、まずは一度試食してみるこをお勧めします。