非常食レポ:第76回
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ビスコ保存缶を食べてみよう!

最近は長期保存可能なビスケット缶を販売するメーカーも増えており、非常食用のビスケット缶といえば〝カンパン〟くらいしか思いつかないというのは、もう過去の話です。

保存缶前回の食レポでは、非常食としてはちょっと珍しいラスク缶【食レポ75】を紹介しましたが、他にも有名どころを挙げると、ナビスコのリッツ缶【食レポ53】やロッテのコアラのマーチ缶、東ハトのハーベスト缶…などなど、どうやら非常食用のビスケット缶は思いのほか充実しているようです。

そこで、今回は日本人なら誰もが知っているであろうビスコの保存缶を試食してみたいと思います。

気になる味も含め、通常タイプのビスコとどこがどう違うのか、非常用目的で商品化されたビスコ保存缶に少しでも興味がある方の参考になれば幸いです。




グリコのビスコ保存缶とは?

もはや私から説明するまでもありませんが、ビスコは大阪に本社を構える日本有数の食品メーカー、江崎グリコ株式会社が販売する大ヒット商品です。

ビスコが誕生したのは1933年(昭和8年)、つまり、発売から実に80年以上の歴史があるロングセラー商品なので、日本人なら、たとえ口にしたことがなくても、商品名くらいは誰もが知っているはずです。

そんな日本を代表するメジャーなビスケットを缶詰に詰めて、2007年8月に発売した商品がビスコ保存缶です。

通常パックのビスコの賞味期限が約10か月(シリーズによって、若干、前後する…)なのに対し、保存缶は5年間という長期保存が可能ですが、他にどんな特徴がみられるのか、試食する前に、まずはパッケージチェックからしていきましょう!
保存缶1
お馴染みのビスコ坊やのイラストが描かれた赤を基調とするラベルデザインのビスコ保存缶。

※補足:2015年11月現在、ビスコのパッケージに描かれているビスコ缶坊やは5代目(平成17年に登場~)。
災害用伝言ダイヤル
非常用ということで、ラベルには商品の基本情報(原材料名、栄養成分表など)に加え、災害用伝言ダイヤルに関する説明があります。
保存缶2
缶上部にはプラスチック製のキャップ(蓋)が付いているため、一度に食べきれなくても、この付属のプラキャップを嵌めることで保管できるような配慮がされている点は◎!

一方、缶底には賞味期限が記載されていますが、ここでひとつ知っておいてほしいことは、ビスコ保存缶の賞味期限は、あくまで製造日から5年間という意味なので、あなたが手にした商品が、必ずしも(というか、絶対に)製造日とは限りません。

特にネット通販で購入するような方は、その辺を十分に理解しておいてほしいところです(届いた商品の賞味期限を確認したら、5年と言っていたのに1年も短かかった!など、手元に届いてからガッカリする人が意外と多いように見受けられます。親切なショップだと、製造日を記載している場合もありますが、賞味期限がはっきりしないような場合で期限が心配な方は、購入前に、一度メールやTELなどで確認を!)

さて、話を戻しますが、ビスコ保存缶の容器は、一般的なパン缶や他のビスケット保存缶に比べると、容器のサイズが一回りほど大きくなっているので、保管スペースを余分にとるという点においては、少しだけマイナス点のような気もします(中身がぎっちり詰まっているなら、話は変わってきますが・・・詳細については後ほど)。

それでは、さっそく開封してみましょう!
イージーオープン缶
まずは付属のプラキャップを外して、中蓋を露出させます。

ご覧のとおり、中蓋は缶切り不要のイージーオープン缶なので、プルトップに指を引っかけて引き上げれば簡単に開きますが、開缶時に発するパキッという音が大きい(当食レポでこれまで取り上げてきたイージーオープン缶の中では一番!)点に、びっくりしました。

避難所で集団生活を送っているような場所で、大半の方が寝静まった夜中に開けるには気が引けるほど音が響いてしまうので、ビスコ保存缶を開ける場合は、それなりに時と場所を選んだ方が良さそうです。
ビスコ缶の中身
開缶直後の缶内部は、こんな感じで、缶底に敷いてあった脱酸素剤を含めて、内容物は計6袋。

1袋に5枚のビスコが入っているので、計30枚のビスコが入っていることになりますが、どうみても空間(缶内)に余裕があるので、もう1~2袋は入りそうな気もするのですが・・・どうなんでしょう。

個人的には、この空きスペースが実にもったいないような気がします(また、ぎっちり詰まっていた方が、ビスケットの割れ防止にもなるような…)。






非常食用ビスコ保存缶を食べてみた感想と評価

それでは、さっそくいただいてみましょう!
非常食用ビスコ
通常タイプ(箱売り)のアルミ製小袋とは違い、保存缶のビスコは、ビニール製の小袋を採用しているようですが、中身の見た目(サイズ、形、デザイン)に関しては、通常タイプのビスコとなんら変わらないように見えます。

小袋ちなみに、ビスコ保存缶の小袋を注意深くチェックしてみると、角に無数の切り込みが入っていることに気付きます。

以前、試食したバランスパワー6YEARS【食レポ31】でも同じような穴が見られましたが、これは脱酸素剤の効果を高めるための処置なので、不良品を掴まされたと憤慨しないようにしましょう!

では、果たして味の方はいかに・・・!?
保存缶ビスコ
結論から言ってしまうと、味については、通常タイプのビスコと同じのように感じます。
通常タイプのビスコ
せっかくなので、箱売りしている賞味期限の短い通常タイプのビスコも購入し、食べ比べてみましたが、ビスケットのザクザクとした食感に加え、ほんのりとレモン風味のクリームが口の中に広がる特徴も含め、その違いが見出せません。

そこで、確認の意味も込めて、原材料名欄や栄養成分表なども見比べてみましたが、どれも同じ・・・

画像で見ると、通常タイプのビスコの方がクリームがはみ出しているので贅沢に使われているようにも見えますが、1個当たりのビスコの重さを計算してみたところ、どちらも一緒(4.12g)なので、どうやら単に多いように見えるだけのようです。

つまり、保存缶のビスコは通常タイプのビスコと同じクリームサンドビスケットを使っているらしく、ビスケットの味自体については全く変わらないといってよさそうです。

そのため、このビスコ保存缶には、たいていの非常食に付きものである、非常事態になるまで味の方がまったく分からないから、自分の口には合わないかもしれないといった心配がなく、ビスコ好きなら試し食いすることもなく安心して長期保存できる一品であることは間違いありません。

では、最後にビスコ保存缶の非常食としての評価をザッとまとめておきましょう。

完食

2015.11.24 掲載twitter


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