尾西食品のアルファ米は、これまで「わかめごはん【食レポ2】」「五目ごはん【食レポ10】」「白飯【食レポ40】」の順に3食ほど食べてきましたが、今回は2013年10月に新発売されたメニュー、田舎ごはんを取りあげます。
実は、田舎ごはんよりも先に「炊込みおこわ」の方を食べる予定でいましたが、尾西食品の公式サイトを見ると、なんと生産終了とのこと・・・
もち米を使ったアルファ米はモチッとした食感がなんとも言えず、うるち米のアルファ米よりも美味しく感じられたので楽しみにしていたのですが、仮に美味しかったとしても、既に生産されていないとなれば、今後は入手することができません。
というわけで、生産終了の「炊込みおこわ」は後回しにし、新メニューであるがために、まだまだ口コミや感想の少ない「田舎ごはん」の方を先に試食してみたいと思います。
冒頭でもお話ししたように、尾西の田舎ごはんは2013年10月に発売された新メニューですが、パッケージデザインを見る限りでは、特にこれまでの商品と大きく異なる点は見られません。
ちなみに、賞味期限は製造日から常温で5年間、価格は税抜き価格340円だそうです。
それにしても、最近の尾西のアルファ米は、前の商品に比べると袋内の空気量が減り、だいぶ薄くなったように感じられます。
この手の備蓄用非常食は保管場所を考えると、省スペースで済めば済むほど助かるものなので、尾西食品も地味なところで、工夫を重ねていることがうかがえます。
ところで、この尾西の田舎ごはんですが、一番のウリは、なんといっても具の種類の多さでしょう!
パッケージ裏面の原材料名を見ると、しめじ、人参、たけのこ、シイタケ、なめこ、きくらげ、わらびの7種類の具が入っており、尾西のアルファ米シリーズの中では一番です。
避難生活での食事は栄養バランスが偏りがちなので、1度の食事で多くの野菜が摂取できるという点においては評価すべきところだと思います。
では、さっそく開封し、中身をチェックしてみましょう!
これまで食べてきた尾西のアルファ米シリーズと同様、田舎ごはんにも脱酸素剤とスプーンが無造作に放り込んであります。
内袋に記載されている内容に、若干変更点があったようで、より親切な文章(おそらく、脱酸素剤などを出し忘れて調理してしまう人が多かったのではないでしょうか。確かに、今回は私も脱酸素剤が埋もれていたので、掘り出す必要がありました)が書き加えられていますが、それ以外については特に注目すべき点は見られません。
ちなみに、調理前ではありますが、尾西の田舎ごはんに入っている具材を一通りチェックしてみました。
なめこが他のキノコ類に比べるとやや判別しづらような気がしますが、どれも目視ではっきりと確認できるくらい大きめなサイズの具がゴロゴロと入っており、特にしめじのサイズは3cmを優に超えるものも見られ、存在感があります。
またアルファ米に対する具の量とバランスもちょうど良さそうに感じられるので、特に少ないという印象はありません。
それでは、調理に入りましょう。
尾西のアルファ米シリーズは、作り方を注意深く見ると、うるち米かもち米かによって水量や待ち時間に若干の違いが見られますが、この田舎ごはんに関しては160mlの熱湯(あるいは水)と15分(水なら60分)の待ち時間で完成します。
というわけで、さっそく注水ラインまで熱湯を注ぎ、よくかき混ぜたら、手早くチャックを閉め、15分ほど待機・・・
水を吸ったうるち米は、袋内でパンパンに膨れ上がり、結構なボリュームになりますが、熱湯を注いでから15分経つと、下記画像に見られるような、ふっくらとしたご飯へと変化することになります。
私が愛用しているデジカメが少し古いので、画像が粗く、やや分かりづらい部分も見られますが、これまで食べてきた尾西のアルファ米シリーズに比べると、この田舎ごはんは、ふっくら感はあるものの、瑞々しいというよりは、単に水っぽくネッチョリとした印象を受けます。
もしかしたら、注水量が少し多すぎたのかもしれません。
また、今回は特に米の粒が潰れてしまっているものも多く、炊飯器で炊いたご飯やパック飯などに比べると、見た目の方もあまりよろしくありませんが、とりあえず食べてみましょう。
――――― うーん・・・
やはり、想像どおりというべきか、水っぽさがあり、米粒の表面も変にふやけてべしょっとした食感が口の中に残ってしまうため、お世辞にもあまり美味しいとは言えません。
また、調味料やキノコ類のダシが一応は効いているようですが、とにかく薄い!
塩気もダシの味もほとんどご飯に染みていないので、味気なく、直ぐに飽きがきます。
これは調理の際に水分量を気持ち少な目にすれば解決することなのかどうかはわかりませんが、ごはんに関しては、正直、マズいと思えるレベルの味と食感です。
では、具材の方はどうか?
田舎ごはんのウリでもある、四種類のキノコ類から食べてみることにしましょう。
まずは、しめじから・・・
全体的に黒ずんだ色をしているので見た目の色は、あまり美味しそうに見えませんが、とにかくサイズが大きく存在感があります。
ひとくち食べてみると、調味料を多めに効かせているのか、かなり味が染みており、むしろ少し辛いくらいです。
この濃いめの味がアルファ米の方にうまく染み渡れば、ご飯の方ももう少し味気のあるものに変化していたような気もしますが、残念ながらそううまくはいかなかったようです。
ただ、食感の方はなかなかのもので、しめじ独特のシャキシャキ、コリコリ感がある程度楽しめます。
次にシイタケですが、こちらの方はほどよく味が染みていて、ギュッと噛みしめると中からダシの効いた汁がジワーッと染み出てきます。
食感の方も悪くなく、いい意味で普通のシイタケらしさを感じさせてくれます。
なめこについては、可もなく不可もなく…といった感じで、言われなければ特に気付かないくらい存在感がありません。
というか、四種類のキノコをウリにしているのであれば、もう少しなめこの味や存在感が楽しめる工夫が欲しかったところです。
この程度のなめこであれば、個人的にはわざわざ入れる必要はないような気がします。
そして、きくらげですが、こちらは食感にアクセントを付けるという意味で存在感のある食材のように感じられました。
コリコリッとしたきくらげ独特の歯ごたえが好きな私としては、嬉しい具材のひとつです。
では、キノコ類以外の具材はどうか、食べてみましょう。
まずたけのこですが、実は7種類ある具の中で、一番おいしく感じたのが、このたけのこです。
サイズこそ決して大きくはありません(1〜2cm程度)が、その分、数の多さでカバーしており、意外と量が多い。
そして何より、よかったのが、その食感!
シャキシャキっとした歯切れの良さがたけのこを食べているという満足感を与えてくれ、個人的には一番存在感のある美味しい具材でした。
次に人参ですが、こちらの方は、いくらか歯ごたえはあったものの、可もなく不可もなくといった感じで特に印象に残っていません。
しかし、見た目の彩りという点で、無いよりはあった方がいいような気はします。
最後にわらびですが、こちらは思っていたよりも味が染みていてシャキシャキ感もあり、山菜らしさを感じさせてくれます。
以上、尾西の田舎ごはんを完食してみて思うことは、アルファ米自体はあまり美味しくありませんでしたが、違和感のあるポソポソ感を含め、まあ、想定内の範囲といったところです。
一方、具材の方は当たり外れがあるようで、たけのこは美味しかったものの、それ以外の具材についてはいい意味で普通か、それよりもやや劣るとといった感じでしょうか。
そのため、トータル的に見ると、田舎ごはんよりも五目ごはんの方がバランスがよく美味しかったような気がするので、どちらを購入しようか迷っているなら、私は五目ごはんの方をお勧めします。
ただ、たけのこは確かに美味しかったので、次回の新メニューには、ぜひ「たけのこごはん」を検討していただきたいところです。